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Trademark Appeal Case

要部抽出と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900115(T2011−900115/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5380042号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5380042号商標(以下「本件商標」という。)は、「CoolNext」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年9月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月26日に登録査定、同年12月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第2272314号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NEXT」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録され、同12年10月10日に商標権の更新登録がなされ、その後、同14年2月13日に第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

イ 登録第2272315号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ネクスト」の片仮名を横書きしてなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録され、同12年10月10日に商標権の更新登録がなされ、その後、同14年4月17日に第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

ウ 登録第4845247号商標(以下「引用商標3」という。)は、「NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年3月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年3月11日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標構成中の「Cool」の語は、「ほどよく[やや]冷たい、涼しい;(見た目に)涼しそうな、さわやかな、暑さを感じさせない」を意味する語であり、「涼感機能を有する商品」であることを表わしているにすぎないから、本件商標の要部は「Next」の文字部分にあり、該文字に相応して「ネクスト」の称呼及び「次の;隣の」という観念が生じる。

他方、上記(1)のとおりの構成からなる引用各商標からは、「ネクスト」の称呼及び「次の;隣の」という観念が生ずる。

そうすると、大文字と小文字からなる本件商標に対し、引用商標1及び3は大文字のみからなるという相違点があり、また両商標は文字の太さをやや異にするものの、その綴り字を共通にし、かつ、その称呼及び観念を共通にするものであるから、両者は、実質上同一のものというのが相当である。

同じく、本件商標と引用商標2とは、その称呼及び観念を共通にする類似のものである。

そして、本件商標と引用各商標の指定商品とは、互いに同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、衣料等の製造販売を業とするイギリス法人であり、1982年にイギリスで婦人服の販売を開始し、現在ではイギリス及びアイルランドに500以上の店舗並びに日本を含む外国においても180以上の店舗を有している(甲第10号証)。日本においては、提携先のゼビオ株式会社によって「next」の名称で20店舗が運営され(甲第13号証)、加えて、「next Japan」のホームページにおいて「next」ブランドの婦人服を販売するオンラインショップが運営(甲第14号証)されている。

そして、商標「NEXT」を申立人が提供する商品「被服」等について市場において積極的に使用した結果、「NEXT」商標は、本件商標の出願時には既に周知・著名なものとなっていたものである(甲第10号証ないし甲第23号証)。

してみれば、周知商標「NEXT」を明瞭に含む本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人及びその関連会社を含むグループ会社の業務に係る商品との間で出所の混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、同書・同大・等間隔に一体的に表されており、これより生ずる「クールネクスト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、構成中の「Cool」の文字部分が「ほどよく[やや]冷たい、涼しい」等の意味を有する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「Next」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見いだせない。

そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「クールネクスト」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ネクスト」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から「Next」の文字部分も独立して認識されることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見いだせない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用各商標(使用に係る「NEXT」「next」の商標を含む。以下この項において同じ。)を「被服」等の商品について使用して著名になっている旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠は、申立人会社やゼビオ株式会社等のホームページ、カタログ、チラシ等であり、それらの配布部数や配布地域も明らかではなく、また、我が国における商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用各商標の著名性を具体的に裏付ける証拠も何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

なお、申立人は、「nextJapan」のホームページによれば、「next」商品が女性向けファッション誌や子供向け雑誌等の雑誌数を合計すると延べ50誌に紹介されている旨の記載があるとして、甲第22号証を提出しているが、実際にこれを裏づける雑誌の写し等具体的に裏付ける証拠を提出していないことから、これをもって、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認める証拠としては採用し得ない。

しかも、前記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、加えて、「Next」の語は、我が国においても、「次の」等の意味を有する平易な英語として広く一般に認識されている成語であって、申立人による創造標章とはいえないものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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