Trademark Appeal Case
桜の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900127(T2011−900127/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5383014号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年12月10日に登録出願、第30類「桜の葉を混ぜ込んだ餡を使用した菓子及びパン」を指定商品として、同22年12月2日に登録審決、同23年1月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人の引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のアないしウのとおりの商標であり(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用各商標」という。)、これらの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
ア 登録第1335994号商標は、「サクラ」の文字を横書きしてなり、昭和50年5月13日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同53年7月21日に設定登録され、その後、平成20年12月17日に、指定商品を第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。
イ 登録第4420412号商標は、「さくら」と「サクラ」の文字を二段に横書きしてなり、平成6年8月8日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年9月29日に設定登録されたものである。
ウ 登録第4498849号商標は、「さくら」と「桜」の文字を二段に横書きしてなり、平成10年11月27日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年8月17日に設定登録されたものである。
(2)本件商標は、その構成中の「桜」、「博多」及び「ひよ子」の各文字は、視覚上分離して看取され、観念的な一体性もないことから、これらを常に一体のものとみるべき特段の理由は存しない。また、本件商標中の「桜」の文字は、他の文字に比べ大きく表されているばかりでなく、他の文字と異なる色彩で表され、かつ、文字の内部に桜の花びらを描いてなるものであるから、他の文字より目立つものであり、普通に用いられる方法で原材料を表示したものではなく、これより「サクラ」の称呼及び「バラ科サクラ属の落葉高木または低木の一部の総称」の観念を生ずるものである。
他方、引用各商標からも、「サクラ」の称呼及び観念を生ずることは明らかである。
したがって、本件商標と引用各商標は、称呼及び観念を同じくする類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似の商品である。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用各商標の類否
本件商標は、別掲のとおり、桜の花びらを散らしたように薄紅色で描いた「桜」の文字を大きく表し、その右上に黒塗りの長方形内に白抜きで「博多」の文字を縦書きし、右下に「ひよ子」の文字を黒色で縦書きにしてなるものである。
そして、本件商標中の「桜」の文字部分は、申立人主張のとおり、大きく表され、かつ、色彩及び桜の模様が施されているものであるから、視覚的には看者の注意を引くものといえる。
しかしながら、「桜」は、菓子及びパンを取り扱う業界においては、その葉や花びらが商品の原材料として普通に使用され、また、商品の原材料、形状及び色彩等を表示するものとして普通に使用されている実情がある。
そうすると、本件商標をその指定商品である「桜の葉を混ぜ込んだ餡を使用した菓子及びパン」について使用した場合、これに接する需要者はその構成中の「桜」の文字部分を商品の原材料等を強調して表したものと認識するものと判断するのが相当であるから、該文字部分は自他商品識別標識としての機能を有しないか弱いものというべきである。
してみると、本件商標は、たとえその構成中「桜」の文字が視覚的に看者の注意を引く態様で表されているとしても、該文字部分から出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものといわなければならない。
よって、本件商標から「桜」の文字部分を分離、抽出し、その上で、本件商標と引用各商標とが類似の商標であるとする申立人の主張は、その前提において失当であり、採用することができない。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、外観においては両者のそれぞれの構成から明らかに区別でき、また、称呼においては、それぞれから生じる「ハカタサクラヒヨコ」「サクラヒヨコ」「ヒヨコ」と「サクラ」の称呼が相違すること明らかであり、観念においては、前者が特定の観念を生じないものであるから比較することができないから、両者は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
他に、本件商標と引用各商標とが類似するとみるべき理由は見いだせない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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