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Trademark Appeal Case

役務の質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900128(T2011−900128/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5383128号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5383128号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年7月7日に登録出願、第45類「区民葬儀による葬儀の執行,区民葬儀による祭壇の貸与」を指定役務として、同22年11月25日に審決、同23年1月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第6号について

本件商標は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示するものであって著名な標章「区民葬儀」(以下「引用標章」という。)と類似する商標と認められる。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、東京都特別区が「葬儀の執行」について使用する標章として広く知られている引用標章「区民葬儀」と類似するものと認められる。

よって、本件商標は、指定役務「区民葬儀による葬儀の執行」につき、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

東京都特別区の業務に係る「区民葬儀」に使用されている引用標章「区民葬儀」は、東京都特別区の使用する標章として広く知られているから、本件商標がその指定役務「区民葬儀による祭壇の貸与」に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがあると認められる。

よって、本件商標は、指定役務「区民葬儀による祭壇の貸与」につき、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第6号、同第10号及び同第15号に該当し、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第6号について

本件商標は、別掲のとおり、その構成中に、「区民葬儀」の文字を有するものである。

ところで、東京都特別区では、葬祭費用の負担軽減などの区民要望に応えるため、東京都特別区と葬祭組合とによる「特別区区民葬儀運営協議会」(以下「協議会」という。)において、標準的葬儀が定められた「特別区区民葬儀実施要領」の内容に従って、協議会の加盟葬祭業者によって行う、葬祭、霊柩搬送、火葬を含む葬儀を「区民葬儀」と称していることから、「区民葬儀」は、協議会の「特別区区民葬儀実施要領」に従って行われる葬儀の名称といえるものである。

しかしながら、一般に国や地方公共団体等が行う制度・施策の名称といえるものであるとしても、その名称が内容そのものを表す場合(例えば「介護保険」など)は、その名称は、その制度、内容を表すために広く一般に使用されるものであり、需要者もその名称から制度(内容を)を理解するにすぎないから、そのような、制度内容を表す名称は、一種の普通名詞の如く認識されるものである。

そうとすると、本件商標中の「区民葬儀」の文字からは、上記区民葬儀を想起するとしても、その制度、内容を表すものとして、広く一般に使用されるものであり、需要者もそのように理解するにすぎないものであって、すなわち、需要者をして、役務の質(内容を)を表したものと認識されるにとどまるものというべきである。

加えて、商標法第4条第1項第6号の立法趣旨が、「同号に掲げる標章を一私人に独占させることは同号に掲げるものの権威を尊重することや国際信義上好ましくないという点にある」ことからすると、上記のように役務の質(内容を)を表す一般的な語として認識されるにすぎない「区民葬儀」の文字を有する本件商標を登録することが、上記立法趣旨に反するにものということはできない。

してみれば、本件商標は、その構成中に、「区民葬儀」の文字を有するとしても、商標法第4条第1項第6号にいう「公益に関する事業であって営利を目的にしないものを表示する標章」には当たらないものというべきである。

以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

前記(1)のとおり、本件商標は、その構成中の「区民葬儀」の文字部分が、役務の質(内容)を表すものとして認識されるにすぎないから、「区民葬儀」の文字が、自他役務識別標識としての機能を果たし得ることを前提として、本件商標と、引用標章とは類似するということはできないし、また、本件商標を本件指定役務について使用された場合には、東京都特別区の業務に係る役務と出所の混同を生じさせるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第6号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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