sokuhyo

Trademark Appeal Case

VとWの文字類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900138(T2011−900138/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5384646号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5384646号商標(以下「本件商標」という。)は、「TVitter」の文字を標準文字で表してなり、平成22年7月1日に登録出願され、第9類「電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」及び第38類「データを暗号化して行うデータ通信,コンピュータ通信ネットワークを通じて行う音声・データ・映像の伝送交換,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,ファクシミリによる通信,総合デジタル通信,無線呼出し,人工衛星による通信,人工衛星によるテレビジョン放送,地上波によるテレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリ・メッセージ送信装置・その他の通信機器の貸与,携帯型パーソナルコンピュータその他の電子計算機によるメッセージ・音声及び画像・映像の伝送交換,電子メール通信」を指定商品及び指定役務として、同年12月8日に登録査定、同23年1月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)とおりである。なお、これらを一括して、以下「引用商標」ということがある。

(1)登録第5188811号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:TWITTER(標準文字)

登録出願日:平成19年10月26日(優先権主張:アメリカ合衆国、2007年4月26日)

設定登録日:平成20年12月12日

指定役務 :第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(2)登録第5327291号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:TWEET(標準文字)

登録出願日:平成21年6月11日(優先権主張:アメリカ合衆国、2009年4月16日)

設定登録日:平成22年6月4日

指定役務 :第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(3)登録第5332541号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:ツイート(標準文字)

登録出願日:平成21年7月16日

設定登録日:平成22年6月25日

指定役務 :第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(4)登録第5278420号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:ついったー(標準文字)

登録出願日:平成21年6月9日

設定登録日:平成21年11月6日

指定役務 :第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標「TVitter」と引用商標1「TWITTER」との相違は、2番目の文字である「V」と「W」だけであり、その他の文字は大文字と小文字の相違のみであって,実質的に同一であるから、本件商標と引用商標1とは、外観上「酷似」しており、極めて紛らわしいものである。

また、引用商標1の称呼は、「ツイッター」、「トゥイッター」であるのに対し、本件商標のそれは、「ツビッター」、「トゥビッター」であり、称呼上も極めて紛らわしいものである。

さらに、本件商標は、外観の酷似性、称呼の紛らわしさから、申立人の引用商標1「TWITTER」の観念を容易に想起させるものであり、商標の有する意味、観念の点からも極めて紛らわしいものである。

よって、本件商標は、外観、称呼、観念のいずれの点においても引用商標1と紛らわしい酷似の商標である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標1「TWITTER」は、ミニブログ、コミュニティサイトの提供、SNSといった申立人の業務を表象するものとして日本国内で広く知られており、引用商標2ないし4の各登録商標「TWEET」、「ツイート」、「ついったー」も、上記「TWITTER」と極めて密接に関連する申立人の業務を表象するものとして広く知られている。

よって、本件商標「TVitter」がその商品、役務に使用された場合、申立人の提供する役務と出所の混同を生じるおそれがある。

(3)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)引用商標の著名性

(ア)「Twitter(ツイッター)」について

申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、平成18年(2006年)3月からインターネット上で「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスをウェブサイト「Twitter」を介して提供していること(甲第6号証:以下、甲各号証を「甲6」のように表記する。)、上記サービスは、140文字以内の短いメッセージの投稿、閲覧、返答が可能なもので、ブログと電子メールの中間的な位置付けがされるユニークなものであること(甲7)、我が国では、上記サービスが平成18年7月16日に開始されて以来、上記ウェブサイトの登録ユーザー数は増加の一途をたどり、平成22年1月には500万人を超えたこと(甲8,10)、平成22年1月頃には、上記ウェブサイトは、一般人のみならず、総理大臣、芸能人、政治家、評論家等に幅広く利用され、新聞、雑誌等のマスコミでも注目されるようになり、その認知度は70.2%に達し、上記ウェブサイト及び上記サービスは、「Twitter」又は「ツイッター」の表記でインターネットや雑誌等のメディアに紹介されていること(甲9,10)、その後も「Twitter(ツイッター)」に関し、雑誌、テレビ番組等の特集、関連書籍の出版等がされていること(甲11〜22)が認められる。

以上によれば、申立人の上記ウェブサイト及び上記サービスは、その開始以来短期間で急速に需要者間に浸透し、それと共に「Twitter(ツイッター)」は、申立人の業務に係る役務を表示する商標として、本件商標の登録出願時には既に取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。

なお、引用商標1は、その綴りを全て大文字により表してなるが、「Twitter」商標と同様に申立人の上記サービスを認識させるものとみて差し支えないものといえる。

(イ)引用商標2ないし4について

引用商標2「TWEET」及び引用商標3「ツイート」については、申立人の提出に係る証拠を精査しても、前出雑誌(甲10)の41頁に「ツイッター用語集」を見出しとする表に「【Tweet(ツイート=つぶやき)】 ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。字数は140字以内に制限されている。」との記載のほかは、本件商標の登録出願前に使用されている事実は見当たらない。

そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標2及び3が、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものということはできない。

その他、本件商標の登録出願時において、引用商標2及び3が、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていことを認めるに足る証拠はない。

そして、引用商標2及び3と「Twitter(ツイッター)」とは、構成文字が相違し、互いに別異のものとして認識し理解されるものというべきであるから、「Twitter(ツイッター)」が取引者・需要者の間に広く認識されているとしても、そのことのみで、引用商標2及び3も取引者・需要者の間に広く認識されているということはできない。

また、引用商標4「ついったー」については、前出ウェブページ(甲6,7)に記載があるのみであり、取引者・需要者の間に広く認識されていると認められるに足る事実を見いだすことはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

(ア)本件商標は、前記1のとおり、「TVitter」の文字を標準文字で表してなるところ、冒頭の「TV」の2文字が大文字であり、これが「television」の略語と一般人に理解され、「ティーブイ」と読まれる場合があるほかに、殊更、この文字部分のみを分離・抽出しなければならないような格別の理由はなく、むしろ、これに続く「itter」の文字と視覚上一体のものとして看取し得るものであるから、本件商標は、「TV」と「itter」又は「T」と「Vitter」をそれぞれ結合した全体として親しまれた既成の観念を有しない一種の造語からなるものと認識し把握されるというのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「ティーブイイッター」又は「ティービッター」の称呼が生じるといえる。

(イ)一方、引用商標1は、前記2のとおり、「TWITTER」の文字を標準文字で表してなるところ、前記(1)(ア)で認定したとおり、申立人の業務に係る役務を表示する商標「Twitter(ツイッター)」と、その綴りを同じくするものであり、また「<小鳥などが>(チ,チ,チと)さえずる,しゃべりまくる」の意味を有する英単語でもあり、その構成文字に相応して「ツイッター」の称呼を生じるものというのが相当である。

(ウ)そこで、本件商標と引用商標1との類否について検討するに、本件商標は、上記のとおり、「ティーブイイッター」又は「ティービッター」の称呼を生ずるものといえるのに対し、引用商標1は、「ツイッター」の称呼を生ずるものである。

しかして、本件商標から生ずる「ティーブイイッター」又は「ティービッター」の称呼と、引用商標1から生ずる「ツイッター」の称呼とは、構成音数が相違するばかりでなく、構成各音の相違により、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感・音調が著しく異なり、互いに紛れることなく容易に区別することができるものである。

そして、本件商標と引用商標1とは、共に欧文字7字からなる構成であるものの、2字目において「V」と「W」との違いがあり、それに続く3字目からの構成文字が大文字と小文字との違いがあるから、本件商標と引用商標1は、外観上判然と区別し得るものである。また、本件商標は、上記のとおり、観念を有しないものであるから、引用商標1と紛れるおそれはない。

その他、本件商標と引用商標1とを類似とすべき事由は見いだせない。

してみれば、本件商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、たとえ、その指定商品及び指定役務中に引用商標1の指定役務と抵触するものが含まれているとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

(ア)前記(1)(ア)のとおり、「Twitter(ツイッター)」がインターネット上での「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスにおいて使用されている商標であって、本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る当該サービス(役務)を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標「TVitter」と、上記「Twitter」商標とは、2字目において、大文字の「V」と小文字の「w」の差異があり、前記(2)において本件商標と引用商標1との類否について認定、判断したと同様に、両者は、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、その他に両者が紛れ得るとする点は見いだせないから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに当該インターネット上でのメッセージサービスに使用される「Twitter(ツイッター)」商標を連想・想起し、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

(イ)また、引用商標2ないし4が、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたということができないことは、前記(1)(イ)の認定のとおりである。

さらに、引用商標2ないし4と、本件商標とは、その構成文字が著しく相違し、互いに別異のものとして認識し理解されるものというべきである。

そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標2ないし4を連想・想起させるものとは認められず、その商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはない。

(ウ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。