Trademark Appeal Case
称呼の類似性:濁音清音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−685020(T2009−685020/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第934438号商標(以下「本件商標」という。)は,「LITL」の欧文字からなり,2007年3月21日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年8月24日に国際商標登録出願,第9類「Computers;mobile computers;notebook computers;laptop computers.」を指定商品として,平成20年5月12日に登録査定,同21年8月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4564139号商標(以下「引用商標」という。)は,「LIDL」の欧文字を標準文字で表してなり,2000年2月8日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成12年8月4日に登録出願,別掲記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同14年4月26日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,登録異議の申立ての理由(要旨)を次のように述べ,甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)本件商標は,引用商標と商標について類似し,その指定商品も同一又は類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標は,申立人が使用しヨーロッパにおいて需要者の間に広く認識されている引用商標及び図案化した「LIDL」の文字と図形からなる商標と極めて類似するものであるから,不正の目的をもって使用するものと推認され,商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 取消理由通知
当審において,平成22年6月24日付けで,商標権者に対し通知した取消理由(要旨)は,次のとおりである。
(1)本件商標と引用商標との類否
本件商標は,「LITL」の欧文字からなるところ,その構成文字に相応して,「エルアイティエル」の称呼を生ずるものであり,特定の観念を生じさせない造語と認められる。
一方,引用商標は,「LIDL」の欧文字からなるところ,その構成文字に相応して,「エルアイディエル」の称呼を生ずるものであり,特定の観念を生じさせない造語と認められる。
そこで,本件商標から生ずる「エルアイティエル」の称呼と,引用商標から生ずる「エルアイディエル」の称呼とを比較すると,両称呼は,いずれも7音からなり,第5音目の「ディ」と「ティ」の音以外のすべての構成音を同じくしている。
しかして,当該差異音「ディ」と「ティ」は,濁音と清音の微差にすぎず,かつ,称呼の識別上明確さを欠く中間に位置していることから,両称呼を一連に称呼するときは全体の語調,語感が著しく近似し,互いに相紛れるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観において相違しており,また,観念についてはいずれも造語であって比較することができないとしても,称呼において相紛れるおそれのある類似する商標であるというのが相当である。
そして,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品中「データ処理装置その他の電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似する商品である。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
5 商標権者の意見及び上申並びに当庁における手続きの経緯等
商標権者は,平成22年9月28日付け意見書において,引用商標の商標権者と合意書を取り交わすべく交渉中であるから本件の審理期間について猶予を希望する旨主張,その後,同年12月8日付けの商標登録異議申立取下書を提出,さらに,同年12月17日付け上申書において,商標権者は,2010年12月2日付けで本件商標に関する国際登録の取消の記録の請求書を世界知的所有権機関に送付したので,当庁に国際登録の取消の通知があるまで審理期間について猶予を希望する旨主張した。
これに対し,商標登録異議申立取下書については,取消理由通知後の手続きであることを理由に平成23年2月18日付けで手続却下の決定がなされ,また,本件商標に関する国際登録の取消の申請については,2010年12月7日に「指定商品・指定役務の全部取消による抹消」(マドリッド協定及び同協定の議定書に基づく共通規則 第25規則)と国際登録簿に記録された。
6 当審の判断
本件商標は,前記5のとおり,設定登録後である2010年12月7日に国際登録が取り消されているところ,登録異議の申立は,「その取消決定が確定したときは,その商標権は,初めから存在しなかったものとみなす。」(商標法第43条の3第3項)とされ,その制度の趣旨を「登録に対する信頼性を高めることを目的とし,登録異議の申し立てがあった場合に特許庁が自ら,登録処分の適否を審理し,かし(瑕疵)ある処分の是正を図る」とするものであることから,設定登録後に権利が消滅したとしても処分の是正を図る必要性がなくなるのではなく決定を行う必要がある。また,前記のとおり,本件登録異議の申立は,取消理由が通知されているものであって,取下げることのできないものである。
そして,商標権者は,前記4の取消理由に対して,本件商標の登録を維持すべきとする具体的な意見を述べていない。また,商標法第4条第1項第11号に該当するとした前記4の取消理由は妥当なものであるから,本件商標の登録は,商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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