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Trademark Appeal Case

「DIRECTV」と商標の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−685017(T2010−685017/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1020920号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1020920号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,2009年(平成21年)10月15日に国際商標登録出願,第41類「Providing newsletters via e−mail and online in the fields of news,science,engineering,technology,manufacturing,components,instruments,equipment,materials,management,and information technology,namely,acoustics and audio technology,alternative power,building and construction,chemical engineering,coatings and surface engineering,data acquisition,design and analysis software,display technologies,drives,electrical components,electronic components,electronic product design,electronic test equipment,engineering management,engineering student news,environmental technology,fastening,joining and assembly,glass and ceramics,HVAC,hydraulics,industrial automation,industrial computing,industrial MRO (maintenance,repair and operations),industrial processing equipment,international news,lab equipment,light and laser,machine tools and metal working,material handling,mechanical components,medical equipment design,MEMS technology,metal working,metals and alloys,motion control components,motors,nano technology,networking and communications,packaging and labeling,plant engineering,plastics and resins,plastics fabrication,pneumatics,power generation,power transmission,pump technology,quality control,robotics systems,scientific instruments,semiconductor fabrication,sensors and switches,shock,vibration and noise,supply chain management,test and measurement,textile manufacturing and technology,valve technology,wire and cable technology,and wireless technology,all excluding satellite and other non−terrestrial television services and technology,satellite and other non−terrestrial television receivers,recorders and dishes.」を指定役務として,平成22年5月20日に登録査定,同年9月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。

(1)登録4153348号商標は,「DIRECTV」(「TV」の文字部分は太字で表されている)の欧文字を書してなり,平成8年8月1日に商標登録出願,第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,同10年6月5日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録4470996号商標は,「DIRECTV」の欧文字を標準文字で表してなり,平成12年3月6日に商標登録出願,第25類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成13年4月27日に設定登録されたものである。そして,同18年11月10日に指定商品及び指定役務中の第25類「被服」について,放棄による一部抹消の登録がなされ,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

以下,上記登録商標をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第3条第1項柱書に違反し,第4条第1項第10号,同第15号及び同第11号に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

<申立ての理由>

(1)商標法第3条柱書について

申立人が,Googleで検索しても,本件商標の使用状況の確認ができない(甲第1号証)。また,本件指定役務は広範にわたっており,本件商標が,当該指定役務に使用される可能性がないことは明らかである。

よって,本件商標は,商標法第3条第1項柱書に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第10号,同第15号について

申立人は,世界的に著名な衛星放送会社であり,著名商標「DIRECTV」のもとで衛星放送により,ニュースや放送番組を米国での加盟世帯は1808万世帯に上る。日本でも1997年12月1日に放送を開始し,人気を呼んだ(甲第2号証)。

本件商標「DirectU2」と本件著名商標「DIRECTV」を比較すると,看者に強い印象を与える前半部分「DIRECT」の部分が同一で,そのあとの「V」と「U」の外観が類似している。

よって,本件商標は,本件著名商標と類似することは明らかであり,ニュースや放送番組を提供する点で,役務も同一又は類似することは明らかである。

また,本件商標が指定役務に使用された場合には,本件著名商標との関係で,役務の出所について混同が生ずる可能性があることは明らかである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第15号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標とを比較すると,看者に強い印象を与える前半部分「DIRECT」の部分が同一で,そのあとの「V」と「U」の外観が類似している。よって,本件商標は,本件著名商標と類似することは明らかである。

また,本件商標の指定役務と,引用商標の指定役務も同一又は類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書について

本件指定役務は,前記1のとおりであるところ,その具体的役務の内容は,「Providing newsletters via e−mail and online(ニューズレターの電子メール及びオンラインによる提供)」であって,「in the fields of」以下の表示によってニュズレターで提供する分野を指定しているものであり,その分野が多岐にわたるものであるとしても,指定役務の範囲としては,上記した役務の範ちゅうに止まるものであるから,その指定役務の表示をもって広範にわたるものということはできない。

また,申立人が述べるように,仮に,現在,本件商標の使用が確認できないとしても,商標法第3条第1項柱書にいう「自己の業務に係る役務について使用する」とは,現に使用している場合に限らず,将来使用する意思を有する場合も含むと解するのが相当であり,商標権者が,将来,本件指定役務に本件商標を使用する意思がないとみることはできず,また,これを認めるに足りる証拠の提出もない。

したがって,本件は,その指定役務について,商標の使用又は使用の意思があることについての疑義があるとはいえないものであるから,商標法第3条第1項柱書きの要件を具備するものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,別掲のとおり,横長長方形のなかに,「DirectU2」の欧文字を書してなるところ,その構成は,全体としてまとまりよく一体的に表わされているものであり,構成文字全体より生ずる「ダイレクトユウツー」の称呼も一連に淀みなく称呼できるものである。

そして,本件商標の構成中,「Direct」の文字部分は「まっすぐにされた,導かれた」の意味を有する英語(ジーニアス英和辞典 大修館書店)であるとしても,「DirectU2」と表した構成文字よりは,全体をもって一体不可分の造語と理解し,把握されるとみるのが自然である。

他方,引用商標は,「DIRECTV」の文字を書してなるものであるから,構成文字に相応して「ダイレクティービー」の称呼を生ずるものであり,特定の語義を有しない造語と認められるものであるから,観念は,生じないものである。

そこで,本件商標と引用商標とを比較するに,本件商標から生ずる「ダイレクトユウツー」の称呼と,引用商標から生ずる「ダイレクティービー」の称呼とは,語尾における「トユウツー」の音と,「ティービー」の音の明確な差異により,それぞれを一連に称呼したときは,語調,語感が異なり,互いに相紛れるおそれはないものである。

そして,本件商標と引用商標とは,外観構成において顕著な相違があることから,外観上,相紛れるおそれはなく,観念については,それぞれ造語であることから比較することができない。

してみれば,本件商標は,称呼,外観及び観念のいずれの点からみても,引用商標と非類似の商標と判断するのが相当である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は,「世界的に著名な衛星放送会社であり,著名商標『DIRECTV』のもとで衛星放送により,ニュースや放送番組を米国での加盟世帯は1808万世帯に上る,日本でも1997年12月1日に放送を開始し人気を呼んだ」旨主張している。

しかしながら,提出に係る周知性に関する証拠は,乙第2号証による「ディレクTV」との表題の「Wikipedia」の情報のみであるところ,その記載によれば,「ディレクTV」は、主に北中南米地域においてサービスを行っている衛星放送サービスで,日本においては,多くの社の出資により「株式会社ディレク・ティービー」が設立され,1997年12月1日に本放送を開始したが,加入者数の伸び悩み及びその他の要因もあって,2000年9月30日をもってサービスが終了しているものである。

また,日本における広報活動として,1997年秋から1999年末にかけて,テレビCMが地上波民放テレビ局などで大量にオンエアされていた、との記述があるものの,他に,実際に使用している商標並びに役務,営業の規模,広告宣伝の方法,回数及び内容等を証する書面の提出はない。

そうとすれば,提出に係る証拠によっては,我が国において,引用商標が,請求人の業務に係る役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

また,本件商標と引用商標とは,前記(2)のとおり十分に区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても,申立人の引用商標を想起,連想させるものではないというのが相当であり,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項柱書,同法第4条第1項第10号,同第15号及び同第11号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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