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Trademark Appeal Case

「元祖」の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−27120(T2010−27120/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「元祖ハイボール」の文字を標準文字で表してなり、第33類「しょうちゅうを炭酸水で割ったアルコール飲料,ウイスキーを炭酸水で割ったアルコール飲料,ジンを炭酸水で割ったアルコール飲料」を指定商品として、平成21年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『元祖ハイボール』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の『元祖』の文字は『ある物事を初めてしだした人。創始者。』の語義を有し、他の文字と結合され、品質が優れたことを表わすための誇称表示として取引上普通に用いられている語であり、『ハイボール』の文字は、『ウィスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料。』を意味する品質表示にすぎないものである。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、『ハイボールカクテルの創始者の作ったもの』の意味合いや、あるいは『元祖と銘打たれた伝統的な味わいのハイボールカクテル』であることを誇示したものと理解するにとどまるから、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

※参考情報

1)「元祖プレミア焼酎」との記載。(お酒の通販「買王」ウェブサイトより)

(http://kaioo.jp/?pid=20149549)

2)「麦焼酎 - 400年の伝統、麦焼酎発祥の地、元祖・壱岐焼酎を!」との記載。(「ワインショップ京晴」ウェブサイトより)

(http://www.kyobare.co.jp/mugi.php)

3)「清酒蔵の元祖本格焼酎!【大分むぎっ娘】」との記載。(「八鹿ON-LINE倶楽部」ウェブサイトより)

(http://www.yatsushika-club.com/SHOP/YA042.html)

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「元祖ハイボール」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成中の「元祖」の文字は、「ある物事を初めてしだした人。創始者。」を意味し、飲食料品を取り扱う業界においては、創始者が作ったものや、提供される商品の品質が優れたこと等を表す語として、広く使用されており、また、「ハイボール」の文字は、「ウイスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の意味を有するものとして、一般に知られているから、本願商標は、「元祖」と「ハイボール」の2語からなるものと容易に認識されるものである。

そして、別掲1によれば、「カクテル」の分野において、「元祖」の文字を付加したカクテルが多数存在し、別掲2によれば、「ハイボール」についても、「元祖ハイボール」と称して取引に資される例が多数認められるところであり、また、カクテルを始めとする酒類は嗜好性が強い商品であることから、飲食店で提供される商品と市場で取引される商品の需要者は一致する傾向がある。

そうとすれば、「元祖ハイボール」の文字に接する需要者は、「創始者のオリジナル商品に近い品質のハイボール」程の意味合いを容易に理解するとみるのが相当であるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、上記のごとく、商品の品質を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張

請求人は、「元祖」の文字は、特定商品の品質表示とはいえず、したがって、「元祖ハイボール」の文字についても、具体的品質が特定できず、また、原審における証左はいずれも、「元祖ハイボール」の文字が品質表示として使用されている根拠になりえない旨主張する。

しかしながら、前記のとおり、「元祖」の文字は、ハイボールを始めとするカクテルの分野において、広く使用されている実情が認められるとともに、「元祖ハイボール」の文字についても、複数の使用例が認められることからすれば、具体的な創始者や特定の原材料まで正確に認識できないとしても、「元祖ハイボール」の文字に接した需要者は、前記の如く「創始者のオリジナル商品に近い品質のハイボール」として認識するとみるのが自然であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有するものということができない。

(3)まとめ

以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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