Trademark Appeal Case
EM・1の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−8957(T2011−8957/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「EM・1」の文字を標準文字で表してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品として平成22年1月29日に登録出願され、指定商品については、平成22年8月23日付け手続補正書により、第1類「有用微生物複合醗酵由来物を含む化学剤,有用微生物複合醗酵由来物を含む抗酸化剤,有用微生物複合醗酵由来物を使用した水質浄化剤,有用微生物複合醗酵由来物を使用した土壌改良剤,有用微生物複合醗酵由来物を含む化学品,有用微生物複合醗酵由来物を含むのり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),有用微生物複合醗酵由来物を使用した植物成長調整剤類,有用微生物複合醗酵由来物を含む肥料,有用微生物複合醗酵由来物を含む人工甘味料,有用微生物複合醗酵由来物を含む工業用粉類」及び第31類「有用微生物複合醗酵由来物を含む餌で飼育した食用魚介類(生きているものに限る。),有用微生物複合醗酵由来物で栽培した海藻類,有用微生物複合醗酵由来物で栽培された野菜,有用微生物複合醗酵由来物で栽培された糖料作物,有用微生物複合醗酵由来物で栽培された果実,有用微生物複合醗酵由来物を含んでいる飼料」に補正されているものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、「EM・1」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、構成中「EM」の文字部分は、「有用微生物群(Effective Microorganisms)」の略語として普通に使用されているところ、これは単一ではなく様々な微生物を組み合わせた資材であり、農業用の製品をはじめとして、今日では水質浄化製品、健康・美容ケア製品等の各種製品に応用されている実情にあり、これと商品の記号・符号・品番として普通に使用される数字の一類型である「1」と「・(中黒)」よりなる本願商標は、全体として、「EM(有用微生物群)を配合してなる品番1の商品」の如き意味合いのものとして理解されるに止まり、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する商品、例えば、「EM(有用微生物群)を配合してなる商品」に使用しても、単に商品の品質・機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、中黒「・」をはさんだ「EM・1」の文字よりなるものであるから、容易に「EM」と「1」を組み合わせてなるものと理解される。
ところで、「EM」は、「有用微生物群」を意味する語として、広く使用されているものであり、有用微生物群(EM)は、農業、畜産、水産、環境浄化、化粧・美容用品、食品類など様々な分野に利用されているものである。そして、本願指定商品もEMを含むものまたは使用した商品である。
また、数字は、商品の商品の種別、規格又は品番等を表示するための記号、符号として広く一般に採択使用されているものであり、本願商標の構成にあっては、「1」の部分は、上記記号、符号等に使用される数字の一類型のごとく認識されるにすぎない。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は上記「1」の部分が、数字の「1」である以上に特段の意味合いを認識するものではなく、本願商標は、構成全体としても「有用微生物群(EM)」の意味合いを認識させるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。
したがって、本願商標は、その指定商品に使用するときは、商品の原材料、品質を表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人は、「1」は、「はじめ。最初。もっともすぐれていること。」(株式会社学研教育出版発行 レインボー小学国語辞典 ほか)を意味するものである。本願商標「EM・1」は、「いろいろ有る有用微生物群を利用した農業資材の中で最も優れていること、最上のもの、一等である、一番である」の意味合い、あるいは「EM製品の中で最初に開発し売り出した製品である」という意味合いを持たせたいものであり、本願商標を一体として捕らえたとらえた場合には、充分に商標としての識別力を有すると主張している。
しかしながら、請求人の商標採択の意図がその主張のとおりであったとしても、需要者がその意図のとおりに認識するものではない。そして、「1」は、いずれの辞書においても、最初の数「1」を意味する旨記載されているものであり、用法によっては請求人の主張する意味合いで使用される場合があるが、通常は、単に数字の「1」として認識するというべきであり、さらに、前記のとおり、本願指定商品を含め広く数字が前記符号等として使用されていること、「EM」の語と数字「1」を結合することによって、格別の意味合いをもって親しまれているものではないことから、本願商標は、「EM」と「1」とを単に(中黒で)結合したものと理解、認識されるというべきである。したがって、本願商標を一体的に捕らえられ、自他商品の識別力を有するとする請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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