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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−301305(T2010−301305/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4357703号商標(以下「本件商標」という。)は、「サプリ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成10年12月22日に登録出願、第1類「肥料」を指定商品として、同12年1月28日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品「肥料」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)前提事実について

「サプリ」は、本件商標の指定商品である「肥料」において、本件商標の登録後ないし現在の間で広く一般的に使用されている。

この事実は、「肥料 "サプリ"」を検索キーとする検索結果(甲第3号証)をみても明らかである。さらに、特許庁の審査において、「植物サプリ」(登録第4992384号商標)、「土サプリ」(登録第5246298号商標)、「植物のサプリ」(登録第5122580号商標)、「草花サプリ」(登録第5283721号商標)、「芝サプリ」(登録第5283722号商標)、「大地のサプリ」(登録第5342528号商標)及び「切り花サプリ」(登録第5399427号商標)のように「サプリ」の語を含んだ登録商標が多数存在することからも明らかである。

以上の事実を踏まえた上で、乙第1号証ないし乙第3号証を以下に検討する。

(2)使用標章について

本件商標は、片仮名「サプリ」を標準文字で書してなる商標である。一方、被請求人が使用の事実として主張する標章は、「野菜用サプリ」、「いろいろな植物用サプリ」、「バラや果樹用サプリ」及び「植物のサプリ」(以下「○○サプリ」ともいう。)など、若しくは、標準文字とかけ離れた態様(以下「飾り文字」ともいう。)をした「サプリ」であって、被請求人が使用している標章は「サプリ」としての使用ではない、若しくは標準文字としての「サプリ」の使用ではない。

ア 「○○サプリ」について

本件商標の登録後ないし現在の間で「サプリ」の語は、上記の登録商標の例からみてとれるように「植物」、「土」、「草花」及び「芝」などの語句が付加されて登録されており、本件商標の指定商品においては、上記などの語句はそれだけでは識別力があるとは思えず、同様に識別力のない「サプリ」と一体に認識されるものとして、はじめて登録商標となっていると思料される。

よって、被請求人が本件商標の使用であると主張している「野菜用サプリ」、「いろいろな植物用サプリ」及び「バラや果樹用サプリ」などの語句が付加又は併記されている標章は、上記登録例と同様に「野菜用」、「いろいろな植物用」及び「バラや果樹用」などの語句が付加され、「サプリ」と一体となった標章の使用であって、本件商標の使用にあたるものではない。

また、被請求人は、商品群を「サプリシリーズ」、「NEWサプリ」などと命名しているようであるが、上記と同様の理由で本件商標の使用にあたるものではない。

イ 飾り文字の「サプリ」について

乙第1号証及び乙第2号証に提示されている商品パッケージなどをみるに、飾り文字の「サプリ」は、背景をブルーとし、その中に相当の幅をもった白色の太い飾り文字をもって表し、さらに、白色飾り文字の内側の下半分が種々の色でグラデーション様をした態様となっている。つまり、被請求人が使用の事実と主張する標章「サプリ」は、上記のとおり飾り文字としての使用であって、書体のみに変更を加えた同一の文字範囲を明らかに超えた変更がなされているため、本件商標である標準文字「サプリ」の使用にあたるものではない。

(3)結論

以上のとおりであるから、被請求人が使用の事実と主張する標章は、商標法第50条第1項括弧書き「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」に該当せず、被請求人の主張は失当である。

よって、被請求人は、本件商標をその指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用しているとはいえず、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

被請求人(商標権者)は、本件商標をその指定商品「肥料」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用している(乙第1号証ないし乙第3号証)。

1 本件商標の使用について

(1)商品パンフレット又はカタログでの使用について

被請求人は、標章「サプリ」を付した商品「肥料」の写真を同人作成に係る2008年ないし2010年の商品パンフレット又はカタログに掲載し配布した(乙第1号証の1ないし3)。そして、当該パンフレット又はカタログのそれぞれの裏表紙の「08.12」、「このカタログは、2009年3月現在のものです。」及び「このカタログは、2010年3月現在のものです。」との記載は、これらのパンフレット又はカタログが、遅くとも2008年12月頃、2009年3月頃及び2010年3月頃までに、それぞれ作成されたことを示している。

(2)雑誌、書籍などでの使用について

被請求人は、2009年3月16日ないし2010年12月1日にかけて、雑誌、書籍などにおいて、その発行者及び発売者を介して、標章「サプリ」を付した商品「肥料」の宣伝広告を掲載し、その頒布を行った(乙第2号証の1ないし26)。

(3)売上伝票及び納品書での使用について

被請求人は、売上伝票及び納品書(乙第3号証の1ないし32)が示すように、2009年1月29日ないし2010年12月22日にかけて、標章「サプリ」を付した商品「肥料」の販売を行った。

なお、上記売上伝票などには、売上に係る商品の名称(肥料)が明記されてないが、上記カタログや雑誌などにおいて、標章「サプリ」が本件商標の指定商品「肥料」に係る標章であること、及び上記パンフレット中の「商品概要(価格・コード)」におけるコードが上記売上伝票などにおいて標章「サプリ」に係る商品に付された商品コードと一致している事実を併せて勘案すると、取引された標章「サプリ」に係る商品が本件商標の指定商品「肥料」であることは明らかである。

2 標章「サプリ」と本件商標の同一性について

標章「サプリ」は、片仮名「サプリ」を白抜きボールド体又は通常のゴシック体で書してなる標章であり、本件商標は、片仮名「サプリ」を標準文字で書してなる商標である。よって、両商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標にあたり、社会通念上同一と認められる商標であるといえる(商標法第50条第1項括弧書き)。

なお、標章「サプリ」には、「野菜用」、「いろいろな植物用」、「バラや果樹用」などの語句が付加又は併記されているが、これらは商品の用途を示すのみで自他商品識別力を有しないため、自他商品識別標識として機能するのは「サプリ」の文字である。

3 まとめ

以上のとおりであるから、被請求人がカタログなどを配布し雑誌などにおいて広告を行う上記行為及び商品「肥料」を販売する上記行為は、要証期間内において、本件商標の指定商品「肥料」に関する広告に本件商標を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)及びその指定商品「肥料」又はその包装に本件商標を付したものを譲渡する行為(同項第2号)にあたる。

したがって、本件商標は、被請求人により、本件審判の請求の登録前3年以内にその指定商品「肥料」について使用されていたものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 乙各号証について

(1)乙第1号証の1は、「ハイポネックス/2009年 新製品のご案内」を表題とする商品パンフレットであり、表紙には、別掲の商品(以下「本件商品」という。)の写真が掲載されており、その上部に「いろいろな植物用」、青地に白抜きで片仮名「サプリ」(以下「使用商標」という。)が表示されており、(「リ」の右下に小さく、○の中にRの記号が表示されている。以下「(R)」で示す。)、その下に「肥料」、右下に「700g」の記載があり、各種の野菜や花の絵などが表示されている、また、該写真の下に「2009年2月新発売」の記載がある。

また、表紙の裏の頁の左中央に別掲の本件商品の写真が掲載され、その下に「商品概要(価格・コード)」と題する表がある。その表の商品名欄に「ハイポネックス(R)いろいろな植物用サプリ(R)」、容量欄に「700g」、<希望>/小売価格/円欄に「788/(本体価格/750)」、JANコード欄に「49 77517 17600 8」等の記載がある。

そして、最終頁の下段には「株式会社ハイポネックス ジャパン」「08.12」の記載がある。

(2)乙第2号証の1は、雑誌「季刊 花ぐらし」の2009年春号(平成21年3月16日 家の光協会発行)の抜粋(写し)であり、3枚目の右上に「[NEWサプリ(R)シリーズ]/新登場!」、「価格:各700g/788円」、「問い合わせ:(株)ハイポネックスジャパン」の記載があり、その下に、別掲の本件商品の写真が掲載されている。

(3)乙第3号証の1は、売上伝票の写しであり、右上に「出荷日 2009/01/29」、左上に「株式会社ニチリウ永瀬 関西営業所(直J)御中」、その下の表には、商品コード欄に「017600」、品名欄に「いろいろな植物用サプリ 700g」、数量欄に「60」の記載があり、左下に「株式会社ハイポネックス ジャパン」の記載がある。

(4)乙第3号証の2は、納品書の写しであり、右上に「出荷日 2009/01/29」、左上に「株式会社ニチリウ永瀬 関西営業所(直J)御中」、その下の表には、商品コード欄に「017600」、品名欄に「いろいろな植物用サプリ 700g」、数量欄に「60」の記載があり、左下に「株式会社ハイポネックスジャパン」の記載がある。

2 以上によれば、次の事実を認めることができる。

(1)被請求人(株式会社ハイポネックスジャパン)は、2008年(平成20年)12月頃に商品パンフレット「ハイポネックス/2009年新製品のご案内」(乙第1号証の1)を発行し、また、平成21年3月16日発行の雑誌「季刊 花ぐらし」(乙第2号証の1)において、使用商標を表示して紹介し、広告した(上記1(1)及び(2))。

(2)また、「売上伝票」及び「納品書」の商品コード欄の「017600」、品名欄の「いろいろな植物用サプリ 700g」の記載と、2009年新製品のご案内とするパンフレット(乙第1号証の1)の商品名欄の「ハイポネックス(R)いろいろな植物用サプリ(R)」、容量欄の「700g」、JANコード欄の「49 77517 17600 8」中の商品アイテムコード「17600」の記載とが一致することから、被請求人は、2009年(平成21年)1月29日に、使用商標を表示した本件商品を株式会社ニチリウ永瀬に譲渡した(上記1(3)及び(4))。

(3)そして、上記(1)及び(2)の日付は、いずれも本件審判の請求の登録(平成23年1月4日)前3年以内であり、また、本件商品は、その(パッケージの)「いろいろな植物用」「肥料」の記載やパンフレット及び広告の記載内容から「肥料」と認められる(この点について、請求人は争っていない。)。

3 使用商標について

本件商標は、上記第1のとおり、「サプリ」の片仮名を標準文字で表してなり、使用商標は、別掲の本件商品に表示された青地に白抜きで「サプリ」の片仮名を表してなるものである。

そして、本件商標と使用商標は、その色彩、書体などが異なるものの、共に「サプリ」の文字からなるものといえるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。

この点について、請求人は、使用商標の態様は本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字範囲を明らかに超えた変更がなされているため、本件商標の使用にあたるものではない旨主張している。

しかしながら、使用商標は、明らかに「サプリ」の文字からなるものと認識できるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と判断するのが相当である。

さらに、請求人は、「野菜用サプリ」「いろいろな植物用サプリ」及び「バラや果樹用サプリ」など語句が付加又は併記されている標章は、「サプリ」と一体となった標章の使用であって、本件商標の使用にあたるものではない旨主張している。

しかしながら、商品パッケージに色々な語句を付加して商標を使用することはむしろ一般的であり、また、使用商標は、別掲のとおり青地に白抜きで「サプリ」の文字を大きく表してなり、「サプリ」の文字が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たしており、かつ、上述のとおり使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。

4 小活

以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)は、本件審判についての要証期間内に本件商品(肥料)の広告に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ)を付して頒布し(商標法第2条第3項第8号)、また、本件商品(又はその包装)に本件商標を付したものを譲渡した(商標法第2条第3項第2号)ものと認めることができる。

5 まとめ

以上のとおり、被請求人(商標権者)は、同人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品「肥料」について本件商標を使用していることを証明したものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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