Trademark Appeal Case
商標補正の同一性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 補正2011−500003(T2011−500003/J5) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、平成22年3月16日に登録出願されたものである。
その後、本願商標について、別掲2のとおりの構成よりなる商標に補正する手続補正書が、同年10月20日付けで提出されたものである。
2 原決定の理由の要点
原審において、「平成22年10月20日付けで提出された手続補正書により補正された商標は、願書に記載された商標とその構成態様を異にする。したがって、この補正は、本願について、その要旨を変更するものである。」旨認定し、商標法第16条の2第1項の規定に基づき、同23年5月6日付けで補正の却下の決定をしたものである。
3 当審の判断
願書に記載した商標登録を受けようとする商標についてした補正が、その商標の要旨を変更する補正に当たるかどうかは、当該補正が、出願された商標につき商標としての同一性を実質的に損ない、競願者等の第三者に不測の不利益を及ぼすおそれがあるものと認められるかどうかによって決せられるべきものであり、その判断は、当該補正前の商標と補正後の商標との外観、称呼、観念等を総合的に比較検討して、全体的な考察の下になされることを要するものというべきである。
これを本件についてみると、本願商標(以下「補正前の商標」という。)は、別掲1のとおり、「Gaudi」(「i」は、その文字上部の黒点の代わりにアクセント記号「 ́」が付されている。以下、該文字を「i(『 ́』付)」という。)及び「ガウディ」の文字を2段に横書きした構成よりなるところ、本件手続補正に係る商標(以下「補正後の商標」という。)は、補正前の商標中の「i(『 ́』付)」の文字を、アクセント記号「 ́」を用いない「i」の文字に置き換えたものであり、それ以外の文字については、文字列、大きさ、書体及び字の間隔が同一であり、全体の構成についても同一であると認められるものである。
そうすると、補正前の商標と補正後の商標とは、外観においては、「i」の文字上部におけるアクセント記号「 ́」と黒点「・」の違いがあるものの、それぞれの商標の構成全体からすると微差にすぎないものであり、それ以外の文字及び構成態様を共通にするものであるから、外観上極めて近似した印象を与えるものである。
そして、補正前の商標及び補正後の商標の構成中の「ガウディ」の文字は、「スペイン、カタルニアの建築家。」(「広辞苑」第六版、岩波書店、2008年)として、我が国においても一般に広く知られている「アントニオ ガウディ」の著名な略称であり、その欧文字による表記は、出身地における使用言語であるスペイン語によれば、「Gaudi(『 ́』付)」である(「西和中辞典」小学館、初版第5刷、1992年)。
しかしながら、該「ガウディ」を欧文字で表記する場合、我が国においては、例えば「大辞泉」(小学館、第1版第2刷、1998年)や、「コンサイスカタカナ語辞典」(三省堂、第4版第1刷、2010年)等に記載されているとおり、アクセント記号「 ́」を用いない「i」の文字を使用して「Gaudi」と表すことも少なからずあり、我が国におけるスペイン語の普及度を考慮すると、「Gaudi(『 ́』付)」又は「Gaudi」に接する取引者、需要者が、アクセント記号「 ́」と黒点「・」の違いの有無により、これらの語の有する意味合いが相違すると認識するものとはいい難い。
そうすると、補正前の商標及び補正後の商標からは、共に「ガウディ」の称呼及び「アントニオ ガウディ」の観念が生ずるものといえる。
してみれば、補正前の商標と補正後の商標とは、「ガウディ」の称呼及び「アントニオ ガウディ」の観念を共通にし、また、外観上も酷似した印象を与えるものであるから、補正前の商標を補正後の商標に変更することは、その外観、称呼及び観念等を総合して全体的に考察した場合において、両者の同一性を実質的に損なうものとはいえず、第三者に不測の不利益を及ぼすおそれがあるものということはできない。
したがって、本願商標について、平成22年10月20日付け手続補正書による商標の補正は、本願商標の要旨を変更するものではないから、これを商標法第16条の2第1項の規定により却下した原決定は、妥当なものでなく取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
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