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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−3842(T2011−3842/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「和幸弁当」の漢字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年3月5日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同年9月29日及び当審における同23年2月21日付け手続補正書をもって、最終的に第30類「とんかつを使用したべんとう」と補正されたものである。

2 引用商標

(1)登録1645106商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和53年7月25日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同58年12月26日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、指定商品については、平成18年10月4日に第5類「乳幼児の離乳育児用加工食品および飲料,食餌療法用食品および飲料」、第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと」、第31類「海藻類,野菜,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」を指定商品とする書換登録がなされたものである。

(2)登録2707939商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成3年2月13日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同7年6月30日に設定登録され、その後、同17年7月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、指定商品については、同18年7月12日に第30類「サンドイッチ,すし,べんとう」を指定商品とする書換登録がなされたものである。

3 当審の判断

(1)商標の類否判断について

本願商標は、漢字で記載された「和幸」と「弁当」とから構成されている、いわゆる結合商標であるところ、原査定において、本願商標からその構成部分の一部である「和幸」の文字部分を抽出し、当該抽出部分だけを引用商標と比較して、各商標の類否を判断したものであることは、査定の理由から明らかである。

もとより、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断しなければならない(最高裁昭和39年(行ツ)第110号 同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。

しかるところ、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されない。他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである(最高裁昭和37年(オ)第953号 同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号 同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号 同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。

そこで、以上の観点を踏まえ、本願商標と引用商標とが類似しているかについて検討する。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、「和幸弁当」の文字を横書きしてなるところ、各文字の大きさ及び書体は同一であって、その全体が等間隔に一行でまとまりよく表されているものではあるが、「和幸」の文字部分と「弁当」の文字部分とをその構成部分とするものであることは、視覚上、容易に認識することができるものである。

請求人は、本願商標は、「和幸」の語と、「弁当」の文字を、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表していることから、全体として「とんかつの名店『和幸』の弁当」との統一的な意味合いを容易に想起し得るものであり、これより生ずる「ワコーベントウ」の称呼も冗長でなく、よどみなく一連に称呼できるものであるから、たとえ構成中の「弁当」の文字が指定商品の普通名称を表すとしても、このような構成にあっては、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるというのが自然であり、ほかに構成中の「和幸」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせないとして、本願商標は、「和幸」の部分と「弁当」の部分とを全体として、これを考察すべきであると述べている。

しかしながら、本願商標からは、「ワコウベントウ」という一連の称呼が生じ、また、「和幸」という名前の「弁当」といった観念が生じることは否定し得ないが、本願商標の称呼ないし観念が「和幸弁当」以外に生じる余地がないということはできない。

すなわち、本願商標の「弁当」の文字部分は、「外出先で食事するため、器物に入れて携える食品。」あるいは「外出先や会合などでとる食事。」を意味する語(「広辞苑第六版」:株式会社岩波書店)であるばかりでなく、本願商標の指定商品の商品の普通名称そのものを指す語であるから、本願商標中の「弁当」の部分からは、「和幸」の部分と一体となって、上記の称呼ないし観念が生じ得るとしても、それ自体で独立した、出所識別標識としての称呼及び観念までは生じないというべきであるからである。

そうすると、本願商標からは、「和幸弁当」という当該商標の全体に対応した称呼及び観念とは別に、「和幸」の部分に対応した「ワコウ」の称呼も生じるといわざるを得ない。

他方、引用商標2についてみると、同商標は、太線で表された四角形内に「とん」と「かつ」の文字を二段に併記し、その下に太線ゴシック体で「和幸」の文字を縦書きして成るものであり、「とんかつ」の部分は、上記のとおりの視覚上の特徴がみられるものの、「とんかつ」の部分と「和幸」の文字部分とをその構成部分とするものであることは、視覚上、容易に認識することができるものであるところ、「とんかつ」の部分は、同商標の指定商品の品質、原材料そのものを表す語から成るものであるから、引用商標2の「とんかつ」の部分からは、それ自体で独立した、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものといわなければならない。

そうすると、引用商標2からは、「とんかつ和幸」という当該商標の全体に対応した称呼及び観念とは別に、「和幸」の部分に対応した「ワコウ」の称呼も生じるといわざるを得ない。

してみれば、本願商標と引用商標2とは、称呼において共通するものであり、両商標の外観の相違は、出所識別標識としての称呼及び観念が生じない「弁当」及び「とんかつ」部分が異なる程度にとどまるものであるから、そのような外観の相違を考慮してもなお、本願商標と引用商標2とが同一又は類似の商品に使用された場合には、当該商品の出所について混同が生じるおそれがあるというべきであって、本願商標は、引用商標2と類似するものと認めるのが相当である。

また、本願商標の指定商品である「とんかつを使用した弁当」は、引用商標2の指定商品である「べんとう」に含まれるものある。

したがって、本願商標は、他の引用商標について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)むすび

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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