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Trademark Appeal Case

外観・称呼の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−15007(T2010−15007/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ユニヴァーサル法律事務所」の文字を標準文字で表してなり、第45類「訴訟事件その他に関する法律事務」を指定役務として、平成20年6月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第3122326号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」を指定役務として、平成8年2月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)外観について

ア 本願商標

本願商標は、「ユニヴァーサル法律事務所」の文字を標準文字で表してなるものである。

イ 引用商標

引用商標は、別掲のとおり、図形及び文字から構成されている。同商標は、上方には円が表記され、下方には帯様の図形が表記され、帯様図形の中央には、「Universal」の欧文字が筆記体で記載され、これらの組み合わせからなる商標である。

上方の円は、中心点を通り、直交する縦横の直線が、縦方向には、最上端と最下端において、それぞれ1点に収束する8本の曲線が、横方向には、上側半円部では、中央から左右に向かって、互いに交わることなく、なだらかに上昇する4本の曲線が、下側半円部では、中央から左右に向かって、互いに交わることなく、なだらかに下降する4本の曲線が、描かれている。球体(立体)を模写したように描かれているが、上側半円部は、立体を上方から下方に目視したような斜視図的な表現がされているのに対して、下側半円部は、立体を下方から上方に目視したような斜視図的な表現がされており、特異な描かれ方がされている。手毬、地球、惑星等の星、天体、児童公園の遊戯具(回転ジャングルジム)、ユニバーサルスタジオのユニグローブを模したような図形など、何を対象として描いたかを一義的に特定することはできない図柄であるといえる。

下方の帯様図形は、中央から左右に、曲線を描きながら延伸し、中途において、なだらかに中央に向けて、奧方向かつ中央方向に屈曲し、さらに左右両翼に延伸するように描かれ、最端部は、中央がくびれた、くさび形状を呈している。帯様図形は、上方の円と比較して、横の長さは、約2倍に表記され、また、上方の円の最下端部を覆い被せるように、重ねて描かれている。帯様図形は、立体を上方から下方に目視したような斜視図的な表現がされているのに対して、上方の円の下側半円部が、球(立体)を下方から上方に目視したような斜視図的な表現がされていることと対比すると、看者の視点が定まらない点において、特異な描かれ方がされているといえる。

帯様図形の中央には、「Universal」の欧文字が、やや右に傾けた、必ずしも、読みやすいとはいえない筆記書体で、横一直線に表記されている。帯様図形が、看者に対して遠近感を抱かせる手法で、風になびいているように描かれている点と対比すると、横一直線に表記された文字と帯様図形とは、調和しないため、文字が帯様図形の上に描かれているように見ることができず、この点でも、特異な描かれ方がされているとの印象を与える。

以上のとおりであり、本願商標は、「ユニヴァーサル法律事務所」との文字からなるのに対して、引用商標は、上記のような図形からなり、外観において著しく異なる。

(2)観念、称呼について

ア 本願商標

本願商標は、「ユニヴァーサル」の片仮名文字と「法律事務所」の漢字により構成されているところ、標準文字からなる「ユニヴァーサル法律事務所」の各文字は、同一の大きさで、等間隔にまとまりよく配列されていること、片仮名部分と漢字部分との間に切れ目がないこと、本願商標中の「ユニヴァーサル」は、「普遍的な,全世界の」等の意味を有する一般的な語であって、格別に強い印象を与える名称とはいえないこと、また、本願商標中の「法律事務所」は、弁護士の事務所を称するものと規定され(弁護士法20条)、日本弁護士連合会の法律事務所等の名称等に関する規程3条において、弁護士はその法律事務所に名称を付するときは事務所名称中に「法律事務所」の文字を用いなければならないとされていること、したがって、「ユニヴァーサル」のみの表記によって、弁護士としての業務を行うことは、通常は想定されないこと等に照らすならば、需要者、取引者において、本願商標中の「ユニヴァーサル」との部分のみによって、指定役務の出所が識別されることは、通常はないものと解するのが相当である。

したがって、本願商標は、「ユニヴァーサルホウリツジムショ」の称呼のみが生じ、また、「全世界の、普遍的な」等の意味を有する「ユニヴァーサル」という語を名称の一部として有する法律事務所との観念を生じると認められる。

イ 引用商標

引用商標は、その上方の円図形からは、手毬、地球、星、天体、球などの観念、下方の帯様図形からは、帯、リボンなとの観念、文字部分からは、「全世界の、普遍的な」などの観念を生じ得る余地があるが、必ずしも、一義的に確定できるものではない。また、同商標から、法律事務所であるとの観念は生じない。引用商標の図形からは、看る者によって、上記各観念に対応する称呼を生じる余地があり、また、文字部分から「ユニバーサル」の称呼を生じる余地があるが、必ずしも、一義的に確定できるものではない。

したがって、本願商標と引用商標とは、称呼において一部共通にするものの、類似するとまではいえず、観念において相違する。

(3)本願商標と引用商標との類否について

以上によれば、本願商標と引用商標とは、外観において著しく異なり、観念において相違し、称呼において一部共通するものの、取引の実情を考慮するならば、類似するとはいえない。

したがって、本願商標と引用商標とは、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、具体的な取引状況に基づいて全体的に考察すると、本願商標と引用商標が、役務における出所の誤認混同を生じるおそれはなく、両商標は、類似するということはできない。

(4)むすび

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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