Trademark Appeal Case
称呼の微差と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−5159(T2011−5159/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ウイルス スナイプ」の片仮名と「VIRUS SNIPE」の欧文字を二段に書してなり、第1類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年12月8日に登録出願され、その後、指定商品については平成22年7月20日付け手続補正書により、第1類「工業用除菌剤,工業用消臭剤,防かび剤,その他の化学品」及び第5類「除菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く。),消臭剤(工業用及び身体用のものを除く。),殺菌剤」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用する登録第5324007号商標(以下「引用商標」という。)は、「Virusnipe」の欧文字と「ウィルスナイプ」の片仮名を二段に書してなり、平成21年11月17日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の香料類」及び第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,電球類及び照明用器具,家庭用電気式芳香器,家庭用電池式芳香器,家庭用電気式消臭器,家庭用電池式消臭器,その他の家庭用電熱用品類,家庭用浄水器,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便座用いす,化学物質を充てんした保温保冷具」を指定商品として、平成22年5月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「ウイルス スナイプ」片仮名と「VIRUS SNIPE」の欧文字を二段に書してなり、これより「ウイルススナイプ」の称呼を生じるものである。また、構成中の「ウイルス」「VIRUS」の文字は、「遺伝情報を荷う核酸とそれを囲む蛋白殻から成る微粒子」(広辞苑第6版)であって、「ウイルス」と普通に使用されているものであり、「スナイプ」「SNIPE」の文字は、「狙撃する」(株式会社研究社発行 新英和中辞典第6版)を意味する語であり、特にこれより派生した「スナイパー(sniper)」(狙撃手)の語は、普通に使用され知られているものであるから、本願商標よりは「ウイルスを狙撃する」ほどの意味合いを理解させるものである。
一方、引用商標は、「Virusnipe」の文字と「ウィルスナイプ」の文字を書してなるものであり、これよりは「ウィルスナイプ」の称呼を生じ、また、「Virusnipe」(ウィルスナイプ)は、全体として、特定の意味を有する成語ではない。
そこで、本願商標と引用商標の類否についてみるに、まず、外観については、本願商標及び引用商標はいずれも欧文字とその読みを表す片仮名よりなるものである。そして、前者の片仮名と後者の片仮名は、前者が中間に空白部分を有し2つの語を結合してなるものと認識させるものであるのに対し引用商標は空白部分を有していないこと、及び前者が「ス」の文字が2つあるのに対し引用商標は「ス」の文字が一つである差異を有するが、両者の片仮名部分は、前者の8文字中、上記「ス」の文字を除く7文字を共通にするものであり、近似した印象を与えるものである。また、前者の欧文字と後者の欧文字は、大文字と小文字の差異があるほか、前者が中間に空白部分を有し2つの語を結合してなるものと認識させるものであるのに対し引用商標は空白部分を有していないこと、及び前者が「s」の文字が2つあるのに対し引用商標は「s」の文字が一つである差異を有するが、両者の欧文字部分は、前者の10文字中、上記「s」の文字を除く9文字において、そのつづりを共通にするものであり、近似した印象を与えるものである。
また、称呼についてみると、本顔商標は、「ウイルススナイプ」の称呼を生じ、引用商標は「ウイルスナイプ」の称呼を生ずるものであるが、両者は、8音若しくは7音とやや冗長な音構成にあって、前者の中間部における「ス」の音の有無があるほかは、残りの7音を共通にするものであり、連続する「ス」の音は両者が互いに吸収され聴取されやすいものであるから、称呼上相紛れるおそれがあるものといわなければならない。
請求人は、本願商標は、「VIRUS」「ウイルス」の文字と「SNIPE」「スナイプ」からなる造語であり、一連に称呼される場合でも第4音「ス」と第5音「ス」との間にやや間隔を空けて発音され、このため、第5音の「ス」はアクセントがついてはっきり聴取されると主張しているが、一般に英語において単語一つ一つを区切って発音するものではなく、また、「SNIPE」は、「ナ」の音にアクセントを有する語であることから、本願商標の第5音目の「ス」について、常に間隔を空け強く発音されるとはいうことはできない。したがって、請求人の上記主張は採用できない。
また、観念については、本願商標からは、「ウイルスを狙撃する」の観念を生ずるのに対し、引用商標は、明確な観念を生じるものではなく、観念上比較することができないものの、「VIRUS」(ウイルス)及び「SNIPE」(スナイプ)がそれぞれ「ウイルス」及び「狙撃する」の意味合いで知られていることからすると、引用商標は、その称呼の前半部や後半部の音から上記「ウイルス」及び「スナイプ」(狙撃)を連想、想起する場合もあるといえるから、全く異なる観念を理解させる場合のように明瞭に区別されるというようなものではない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼上、類似する商標であり、外観において近似した印象を与えるものであり、また、観念において引用商標は造語であって比較すべき程のものではないものの、明瞭に区別できるものとして認識されるものではないものであり、これらを総合的に考察するならば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
また、本願指定商品中、第1類「工業用除菌剤,工業用消臭剤,防かび剤,その他の化学品」と引用商標の指定商品中、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤」は、その生産部門、販売部門等を共通にするものであり、さらに、本願指定商品には、工業用の帯電防止剤などの引用商標の指定商品とは、その用途において異なるにすぎない商品を含むものであるから、両者は、類似の商品と認められる。
以上のとおり、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
よって、結論のとおり審決する
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