Trademark Appeal Case
宝石岩盤マットの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−10227(T2010−10227/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「宝石岩盤マット」の文字を標準文字で表してなり、第10類「天然鉱石を使用した遠赤外線治療器,医療用機械器具」を指定商品として、平成21年3月25日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『宝石岩盤マット』の文字を標準文字で表示してなるところ、指定商品との関係において、岩盤浴を謳い文句にした製品を取り扱う業界においては、遠赤外線等を放出する鉱石を用いてなるマット等が販売されている実情があり、また、宝石入りの遠赤外線マットに『宝石岩盤マット』の文字が用いられていることから、本願商標は、全体として『宝石入りの岩盤浴マット』あるいは『宝石と遠赤外線を放出する鉱石とを用いてなるマット』等の意味合いを容易に想起させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中、該文字に照応する商品(例えば『天然鉱石を使用した遠赤外線治療器』等)に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が上記の意味合いを表示したものと理解するにすぎないというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質(内容)を表したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲記載の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、それを請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知に記載のウェブサイトの情報は、「宝石が遠赤外線を放出すること」、「遠赤外線を応用する岩盤マット及び岩盤浴用マットが存在すること」及び「宝石が有する効果等を応用する岩盤浴用マット又はマットが存在すること」を示すにすぎず、本願商標「宝石岩盤マット」が指定商品「天然鉱石を使用した遠赤外線治療器、医療用機械器具」についての品質を表すか否かとは無関係の情報であり、該ウェブサイトの情報が直接的に商品(天然鉱石を使用した遠赤外線治療器、医療用機械器具)の品質を表すものであるということの判断基準に該当するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「宝石岩盤マット」の文字を標準文字で表してなるところ、これを本願の指定商品、特に「天然鉱石を使用した遠赤外線治療器」との関係においてみた場合、前記3の証拠調べ通知において示したとおり、宝石が有する効果(遠赤外線の放出等)を応用するマット状の商品が一般に広く製造、販売されており、また、そのような商品(例えば、マットに埋め込まれた宝石から放出する遠赤外線により家庭内で岩盤浴と同様の効果を得ることを目的とする物)であることを表す際に「岩盤マット」又は「岩盤浴マット」の語を用いることが少なからずあることからすれば、「宝石岩盤マット」の文字からは、看者をして、容易に「(天然鉱石の一つである)宝石から放出される遠赤外線により岩盤浴と同様の効果を得るためのマット」程の意味合いを想起するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中の「天然鉱石を使用した遠赤外線治療器」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「(天然鉱石の一つである)宝石から放出される遠赤外線により岩盤浴と同様の効果を得るためのマット」であること、すなわち、商品の品質、形状を表示したものとして看取、把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないというべきである。
また、本願商標をその指定商品中の「天然鉱石を使用した遠赤外線治療器」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「証拠調べ通知に記載のウェブサイトの情報は、『宝石が遠赤外線を放出すること』、『遠赤外線を応用する岩盤マット及び岩盤浴用マットが存在すること』及び『宝石が有する効果等を応用する岩盤浴用マット又はマットが存在すること』を示すにすぎず、本願商標『宝石岩盤マット』が指定商品『天然鉱石を使用した遠赤外線治療器、医療用機械器具』についての品質を表すか否かとは無関係の情報であり、該ウェブサイトの情報が直接的に商品(天然鉱石を使用した遠赤外線治療器、医療用機械器具)の品質を表すものであるということの判断基準に該当するものではない。」旨主張する。
しかしながら、ある商標が商標法第3条第1項第3号の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される(東京高裁平成12年9月4日判決(平成12年(行ケ)第76号)参照)ところ、本願商標「宝石岩盤マット」は、前記(1)のとおり、取引者、需要者をして商品の品質等を表示したものとして認識するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないものである。
イ 請求人は、過去の判決例、審決例及び登録例を挙げて、それらを考慮すると、本願商標は、登録されるべきである旨主張するが、該判決例、審決例及び登録例は、商標の構成及び指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様と指定商品との関係に基づいて、個別具体的に判断されるべきものである。
ウ したがって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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