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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の適格性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−301308(T2010−301308/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2317875号商標(以下「本件商標」という。)は、「Touch me」の文字を横書きしてなり、昭和63年7月7日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として平成3年6月28日に設定登録され、その後、平成13年2月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成13年2月28日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたが、このうち第20類及び第24類に属する商品についてのみ、平成23年1月25日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

なお、商標権の存続期間の更新登録の申請をしないときは、その商標権は存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされるから(商標法第20条第4項)、本件商標の指定商品の区分第22類及び第25類に属する商品については、第1回目の更新登録後の満了日である平成23年6月28日に消滅したものとみなされる。

一方、本件審判は平成22年12月10日に請求されているから、その請求時には上記第22類及び第25類に属する商品についても本件商標権は有効に存続していたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝間着き類,下着,水泳着,水泳帽」(審決注:「寝間着き類」は「寝巻き類」の誤記と認められるので、以下「寝巻き類」に訂正する。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

1 請求の理由

被請求人は、本件商標を日本国内において、その指定商品中の第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について継続して3年以上使用していない。また、本件商標については、専用使用権者若しくは通常使用権者の登録もなく、別に使用権者による使用も何ら存在しない(甲1)。さらに、本件商標については、不使用についての正当な理由も存在しない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、上記指定商品についての登録を取消すべきものである。

2 弁駁の理由

被請求人の提出に係る乙号証を精査するに、通常の商品取引における取引書類として、極めて不自然な内容であり、提出証拠のみにてその要否を判断するには不備・不足と認められ、その成立につき争わざるを得ないものである。以下、順次弁駁する。

(1)乙第2号証について

乙第2号証は、A3版の新聞折込用ちらし1枚であり、平成19年の年末に配布された様子である。その裏面には該当する商品と認められる「パジャマ」が囲み記事として掲載され、本件商標「Touch me」の記載が認められる。しかしながら、上記ちらしを精査するに、上記商品「パジャマ」の上部に商品「掛けふとんカバー」が同様の囲み記事としてあり、そこにも本件商標「Touch me」の記載が認められる。

商標は、本来商品標識であり、商品の自他識別標識として用いられるものなので、本来の商標の機能からするなら、商品が異なるものに同一の商標を付して使用することは、一般取引社会通念に徴してあり得ず、かかる使用態様は不自然といわざるを得ないものである。

また、両商品において関連が認められるのであれば、一連の関連商品に付される商標としては首肯し得るとしても、商品「パジャマ」と「掛けふとんカバー」との関連性は、社会通念上認められない。

よって、本件商標の使用を証する乙第2号証は、その成立が疑問であるといわざるを得ない。

(2)乙第3号証について

被請求人は、乙第3号証を平成20年に開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンの「はがきの案内状」と主張しているが、はがきの表裏の文言から不自然と認められる。

上記はがきの表書きには、「秋旬寝具特別火奉仕」及び「同時開催 秋のベッド大バーゲン」の文字が大きく顕著に記載され、その裏面には、上部に「秋の新作発売会」として「チョットお出かけ着」及び「紳士用チョットお出かけ着新登場(赤線で囲み)」の文字が大きく記載され、商品「ブラウス」と認められる商品の部分に本件商標が表示されている。

しかし、はがきの案内状の表記は「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンであり、同時に「秋のベッド大バーゲン」の案内状であるのに対して、その裏面の具体的な内容では、上部半分に表書きのキャンペーンや大バーゲンとは直接関係の認められない商品の紹介がなされている。

「寝具特別大奉仕」及び「ベッド大バーゲン」の案内にも拘らず、「秋の新作発売会」として、婦人用「ブラウス」、「ポシェット」、「パンツ」及び「バッグ」が掲載され、「ブラウス」の商品名の上にのみ本件商標の表記が認められるにすぎない。

キャンペーンやバーゲンのはがき案内において、案内文と異なる商品の紹介がなされているはがき案内は、寝具や衣料関係における取引業界を含め一般取引においては通常考えられないものである。かかる態様におけるキャンペーンやバーゲンの案内について合理的な理由はなく、「不自然」といわざるを得ない。

さらに、商品「ブラウス」のみに商標を付して表示する態様については、当該商品の特殊性等から商標と一体に認められる特殊な商品と認められるのであれば、かかる使用態様も当該商品を特定する意図から首肯し得るが、本件商標が被請求人の商品「ブラウス」について使用する商標として取引者需要者間に周知著名である等の取引事情は全く認められていない。

しかも、当該はがきの記載では、婦人用「チョットお出かけ着」としての「ブラウス」を記載しているにも拘らず、赤線で囲み注視を促す「紳士用チョットお出かけ着新登場」の記載との関係が意味不明といわざるを得ない。

よって、本件商標の使用を証する乙第3号証は、その成立が疑問であるといわざるを得ない。

(3)乙第4号証について

乙第4号証は、A3版の新聞折込用ちらし1枚であり、平成20年の年末に配布された様子である。

その裏面には、該当する商品と認められる「パジャマ」が囲み記事として掲載され、本件商標「Touch me」の記載が認められる。

しかしながら、目を転ずるに、上記商品「パジャマ」の上部に商品「掛けふとんカバー」が同様の囲み記事としてあり、そこにも本件商標「Touch me」の記載が認められる。

上記乙第2号証について述べたとおり、商標は本来商品標識であり、商品の識別標識として用いられるものである本来の機能からするならば、商品が異なるものに同一の商標を付して使用することはあり得ず、不自然といわざるを得ないものである。

また、両商品において関連が認められるのであれば、一連の関連商品に付される商標としては首肯し得るも、商品「パジャマ」と「掛けふとんカバー」との関連性は、社会通念上認められない。

よって、本件商標の使用を証する乙第4号証は、その成立が疑問であるといわざるを得ない。

(4)そこで、請求人は、改めて本件商標が商品「セーター類等」に過去3年使用事実がない点につき弁駁を行う。

ア 敢えて詳論するまでもないが、商標は商品識別標識としての機能を有し、使用される商品との関係で取引者需要者に認識看取され取引に供されるものであり、商品が異なれば商標を別異にするのが通常の取引形態である。ただし、関連商品であればいわゆるハウスマークとして統一的商標が使用されることは、よく見聞する使用態様である。

被請求人のハウスマークは、「西川ボタンマーク」であり、本件商標ではない。

敢えて重複するが、乙各号証によれば、本件商標を商品「パジャマ」及び「掛けふとんカバー」(乙2)に使用し、時を置いて商品「ブラウス」(乙3)に使用し、さらに商品「婦人パジャマ」及び「掛けふとんカバー」(乙4)に使用しているとしている。

本件商標をそれ程時を置かずに別の商品に夫々使用されていると観るには、使用事実を捻出させる作為意図が読み取れ、極めて杜撰な使用資料と判断される。

イ バーゲンやキャンペーンのはがきによる案内状は、取引者や顧客を対象として配布される案内状と認められるが、表裏異なる文面では全くその意図が不明であり、案内の受領者を混乱させ結果として信用を毀損させる点明らかで、通常ありえない案内文と認められる。

ウ 商品「パジャマ」及び「ブラウス」に本件商標を使用しているならば、通常は、その商品のタグ及び下げ札、或いは当該商品に関する取引書類としての商品納品書、商品納入書、物品領収書等の提出が為されるべきであるが、そのような証拠は、被請求人からは何等提出されていない。

エ 本件商標は、商品「ブラウス」、「パジャマ」及び「掛けふとんカバー」にそれぞれ使用され、しかも、はがき(乙3)とちらし(乙4)は、平成20年の秋と年末と近時した時点にて配布したものと認められ、商標を以って商品を識別すれば取引者・顧客はその商品を彼此混同する点明らかであり、何ら商標を使用する意味合いがなく、はがきやちらしを配布した効果も認められない事態が生ずる点明らかとなる。

オ 被請求人の提出に係る乙各号証からは、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品について、本件商標と同一と認められる態様で使用している事実はなく、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当し、上記指定商品につき取り消されて然るべきである。

カ 付言するに、今日科学技術の進歩は目覚しく印刷技術及び複写技術にあっても一見その真偽を見間違う事象をよく見聞する。

請求人は、叙上のとおり被請求人の提出に係る証拠につき少なからず疑念を抱いており、その釈明等を求めると同時に、商標の使用に伴って通常取引で生ずるであろう書類等(商品のタグ及び下げ札、或いは当該商品に関する取引書類としての商品納品書、商品納入書、物品領収書等)の提出方を希望する。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。

1 本件商標の使用者について

平成19年以降、被請求人西川産業株式会社及びその傘下の西川グループに属する法人である株式会社西川(以下「(株)西川」という。)が、衣料及び寝装品に本件商標を付して販売を行っている。

被請求人は、東京都中央区日本橋富沢町8番8号に本社を有し、その傘下の西川リビング株式会社、株式会社京都西川、(株)西川、株式会社心斎橋西川、昭和西川株式会社等の13社と共に西川グループを構成している(乙第1号証)。

そして、被請求人の製品が西川グループに属する(株)西川によって販売され、商標も使用されているのである。

2 催事の開催について

被請求人の傘下の(株)西川は、「秋の新作発表会」及び「大蔵ばらい」と称して新作発表展示販売を行っている。

上記販売の日程及び品目は、下記の新聞折込ちらし又は開催日案内通知(はがき)等(乙2ないし乙4)により明らかである。

・平成19年12月7日(金)〜29日(土) 大蔵ばらい(ちらし)

・平成20年8月29日(金)〜9月23日(火) 秋旬寝具特別大奉仕(はがき)

・平成20年12月12日(金)〜29日(土) 大蔵ばらい(ちらし)

上記ちらし及びはがきには年度の記載がないが、乙第5号証及び乙第6号証として提出するカレンダーにより年度は明らかにされる。

そして、上記はがき及び新聞折込ちらしには、被請求人のメイン商標でもあり西川グループが使用している、いわゆる「西川ボタンマーク」の登録第514950号及び登録第519592号商標(乙7及び乙8)並びに本件商標が記載されている。

なお、上記乙第7号証及び乙第8号証の登録商標は、被請求人と(株)西川との共有の権利ではあるが、本件商標は被請求人の承諾の上で(株)西川が使用しているものであり、上記新聞折込ちらし(乙2及び乙4)に記載された製品は、「西川産業(株)寝具寝装品」として被請求人による寝具寝装品であることも明記されている。

3 乙各号証の詳細について

(1)乙第2号証について

乙第2号証は、A3判の大きさ1枚の新聞折込用のちらしであって、その表面中央に「大蔵ばらい」と大きく縦書きされ、その右肩上部に「会期12月7日(金)〜12月29日(土)」との表示がある。この会期は、曜日と日時の関係から平成19年(2007年)であることは乙第5号証により明らかである。なお、福袋の特別企画を、平成20年1月2日より開催することについての添書をみても、前記「大蔵ばらい」の期日は平成19年であることが明らかである。

そして、上記ちらしの裏面上部には、横一列に表面よりは若干小さな文字で「大蔵ばらい」と記載し、その横には、「西川ボタンマーク」の図形商標が表示され、上記裏面の「大蔵ばらい」と記載された下部には「西川産業(株)寝具寝装品」の文字が若干小さく記載され、ちらし掲載の商品が被請求人の製品であることをアピールしている。

裏面下部には、毛布、かいまき、掛け布団カバーなどの各個商品を説明する囲み記事があり、その1つで婦人用と紳士用のパジャマ(類似群17A02)を紹介しており、囲みの中に本件商標「Touch me」が記載されている。これは、とりもなおさず、ちらしに掲載された商品が「西川産業(株)寝具寝装品」であるとの上記記載と共に、被請求人の製品であることを明らかにしており、その行為は商標の使用に相当する。

(2)乙第3号証について

乙第3号証は、平成20年8月29日(金)〜9月23日(火)まで開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーンの2つ折りはがきの案内伏であって、2つ折りにしたはがき裏面には「チョットお出かけ着」として、コーデュロイパンツを穿き、ブラウスを着用しポシェットを下げた立姿を画き、これら一連の商品に「Touch me」の商標を付した図柄が示されている。これは、正に本件商標の使用であり、被請求人が傘下グループの(株)西川に、その商標の使用を認めていたから当該商標を使用出来たのである。

(3)乙第4号証について

乙第4号証は、A3判の大きさの1枚の新聞折込用のちらしであって、その表面中央に「大蔵ばらい」と横書きに大書され、その下部に「会期12月12日(金)〜12月29日(月)まで」との表示がある。この会期は、曜日と日時の関係から乙第6号証により平成20年(2008年)であることが明らかである。

そして、裏面上部には、表面より若干小さな文字で横一列に「大蔵ばらい」と記載され、その横には、「西川の図形ボタンマーク」(乙7及び乙8)が示され、上記「大蔵ばらい」の下部には、「西川産業(株)寝具寝装品」と若干小さな文字で記載され、ちらしに掲載された商品が被請求人の製品であることを明記している。

裏面には、掛けふとんカバー、毛布、かいまきなどの説明があり、その中に婦人パジャマが掲載され、当該婦人パジャマには「Touch me」の商標が付されている。

(4)以上、乙第2号証及び乙第4号証をみると、被請求人の製品として紹介された商品に「Touch me」の表示がなされており、これは正しく被請求人が所有する本件商標の使用であるといえる。

また、グループ内の一社が所有する商標につき、使用権の設定登録を行わずグループ内の他社が使用するケースは多く、使用権の設定登録がないからといって、当該商標の使用がなかったということはできない。

4 結び

以上詳述した如く、本件商標をその指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳帽」について継続して3年以上使用していないという事実はないので、本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用について

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(ア)乙第2号証は、新聞折込用のちらしと認められるところ、その表面には、中央に「大蔵ばらい」の文字が大きく縦書きで表示され、その右側上部に「会期◆十二月七日(金)〜十二月二十九日(土)」及び「日本橋西川歳末感謝」の文字がやや小さく縦書きで併記されているほか、上記「大蔵ばらい」の文字の左側上方には、「予告」として、「お正月特別企画」、「夢いっぱい」、「福袋・福市」等の文字と共に、「平成20年1月2日(水)より1月6日(日)まで」の文字が横書きで表示され、さらに、上記「大蔵ばらい」の文字の右側下方には、「お正月特別企画」、「抽選券プレゼント」として、「『大蔵ばらい』開催期間中お買い上げ金額3,000円ごとに1枚差し上げます。」及び「抽選大会は平成20年お正月2日(水)より6日(日)まで、日本橋店特設会場にて開催。」の文字等が横書きで表示されている。

また、これら表示の下部には、案内地図が掲載され、「西川」の文字を図案化した標章と「日本橋西川」の文字が住所(東京都中央区日本橋1−5−3)、電話番号等と共に表示されている。

その裏面には、上部に、大書された「大蔵ばらい」の文字、「西川」の文字を図案化した標章と「日本橋西川」の文字及び「西川産業(株)寝具寝装品」の文字が表示され、その下方に、各種商品の写真が掲載され、それぞれの説明が付されている。そのうち、紳士用及び婦人用のパジャマの写真が掲載された欄には、上部に「寒い季節にうれしい、あったか仕様のパジャマ。ウエスト調節可能ゴム使用。」と記載され、下方にはパジャマの写真の一部に重なるように「Touch me」、「●ニット丸首婦人パジャマ・・・・3,990円」、「●ニットキルトテーラー婦人パジャマ3,990円」、「●ニットヘンリーネック紳士パジャマ5,040円」等の文字が表示されている。

なお、「Touch me」の文字は、掛けふとんカバーの写真が掲載された欄にも表示されている。

(イ)乙第3号証は、郵便はがきの一種で、郵送する場合には2つ折りに圧着して用いられるはがき(圧着はがき)と認められるところ、その表面下半部には「秋旬寝具特別大奉仕」の文字が大きく表され、その下にやや小さな「無料引き取り買い換えクーポン券付きキャンペーン」、「8月29日(金)〜9月23日(火)」、「同時開催秋のベッド大バーゲン」、「粗品プレゼント」等の各文字が順次記載されている。

その裏面には、上半部に「秋の新作発売会」の表題下の囲み内に各種商品の写真が見出しと共に掲載されているほか、その下部に「数量限定!!超お買得価格!!」の表題と共に各種商品の価格等が掲載され、さらにその下部に、「西川」の文字を図案化した標章と「日本橋西川」の文字が住所(東京都中央区日本橋1−5−3)、電話等と共に掲載されている。

上記囲み内を詳細に見ると、左側には、「お散歩や小旅行をおしゃれに!!」及び「チョットお出かけ着」として婦人用ブラウス(以下「本件ブラウス」という。)を着用しコーデュロイパンツを穿き、ポシェットを下げた立ち姿の写真が掲載され、その着衣等の位置に対応するように、「ブラウス」、「ポシェット」及び「コーデュロイパンツ」の文字と価格が表示されている。そして、「ブラウス」の文字の直ぐ上に「Touch me」の文字が表示されている。右側には、商品の写真と共にそれに対応する「丸手手下げバッグ」、「リュックショルダーバッグ」及び「ショルダーバッグ」の文字及び価格が表示されている。また、最下部には「紳士用チョットお出かけ着新登場!!」の文字が赤線囲み内に表示されている。

さらに、上記「数量限定!!超お買得価格!!」の商品のうちには、「●チョットお出かけ着ブラウス(綿100%)M・L・・・・・4,830円 50枚限り」等の表示も見られる。

(ウ)乙第4号証は、乙第2号証と同様の新聞折込用ちらしと認められるところ、その表面には、中央に「歳末感謝 大蔵ばらい」の文字が大きく横書きで表示され、その下に「会期12月12日(金)〜12月29日(月)まで」と表示されているほか、「予告」として「お正月特別企画」、「夢いっぱい」、「福袋・福市」、「平成21年1月2日(金)より1月6日(火)まで」の文字等が表示され、「抽選券プレゼント」として、「『大蔵ばらい』開催期間中お買い上げ金額3,000円ごとに1枚差し上げます。」及び「抽選大会は平成21年1月2日(金)より6日(火)まで、日本橋店特設会場にて開催。」の文字等が表示されている。また、これら表示の下部には、案内地図が掲載され、「西川」の文字を図案化した標章と「日本橋西川」の文字が住所(東京都中央区日本橋1−5−3)、電話番号等と共に表示されている。

その裏面には、左側上部に、大書された「大蔵ばらい」の文字、「西川」の文字を図案化した標章と「日本橋西川」の文字及び「西川産業(株)寝具寝装品」の文字が表示され、その下方及び右側に、各種商品の写真が掲載され、それぞれの説明が付されている。そのうち、婦人用のパジャマの写真が掲載された欄には、上部円内に「寒い季節に/うれしい/あったかパジャマ」と記載され、下方にはパジャマの写真の一部に重なるように「Touch me」の文字が表示されると共に、「婦人パジャマ(ウエスト調節ゴム付き)」「パープル・クリーム M・L 3,990円」等の文字が表示されている。

なお、「Touch me」の文字は、掛けふとんカバーの写真が掲載された欄にも表示されている。

(2)乙第5号証及び乙第6号証(2007年及び2008年のカレンダー・暦)によれば、曜日の関係から、乙第3号証のはがきに記載された「8月29日(金)〜9月23日(火)」は、2008年(平成20年)であること、乙第2号証のちらしに記載された「十二月七日(金)〜十二月二十九日(土)」は、2007年(平成19年)であること、乙第4号証にのちらしに記載された「12月12日(金)〜12月29日(月)」は、2008年(平成20年)であることを、それぞれ示すものといえる。このことは、上記ちらしに「予告」として記載された「福袋・福市」の期間「平成20年1月2日(水)より1月6日(日)まで」又は「平成21年1月2日(金)より1月6日(火)まで」からも明らかである。

また、乙第1号証(被請求人会社の経歴書)並びに乙第7号証及び乙第8号証(商標登録第514950号及び第519592号の登録情報)によれば、(株)西川は、被請求人の傘下の西川グループの一員であり、中央区日本橋1丁目5番3号に住所を有し、「西川」の文字を図案化した商標(登録第514950号及び第519592号)を被請求人と共有していることが認められる。

(3)以上を総合すると、(株)西川は、被請求人のグループ企業と認められるから、商標権者より許諾を受けた通常使用権者ということができる。

そして、上記乙第2号証及び乙第4号証のちらしは、平成19年12月7日から同月29日まで又は平成20年12月12日から同月29日まで、通常使用権者である(株)西川によって開催された「大蔵ばらい」の広告用ちらしとみるのが自然であり、これらちらしには、婦人用又は紳士用のパジャマが掲載され、「Touch me」の文字が表示されていることが認められる。そして、上記「Touch me」の文字は、その表示の位置及び態様に照らし、婦人用又は紳士用のパジャマに使用する商標として認識されるというべきであり、かつ、本件商標と社会通念上同一といえるものである。 なお、上記婦人用又は紳士用のパジャマは、本件請求に係る指定商品中の「寝巻き類」の範疇に属する商品と認められる。

また、上記乙第3号証のはがきは、平成20年8月29日から9月23日まで、(株)西川によって開催された「秋旬寝具特別大奉仕」キャンペーン及び「秋のベッド大バーゲン」の案内用はがきとみるのが自然であり、該はがきには、「チョットお出かけ着」として婦人用ブラウスが紹介されていることが認められる。そして、該はがきに記載された「Touch me」の文字は、その表示の位置及び態様に照らし、上記婦人用ブラウスについて使用する商標として認識されるというべきであり、かつ、本件商標と社会通念上同一といえるものである。

なお、上記婦人用ブラウスは、本件請求に係る指定商品中の「ワイシャツ類」の範疇に属する商品と認められる。

加えて、上記乙第3号証のはがき又は乙第4号証の折込用ちらしにいう「平成20年8月29日から9月23日まで」又は「平成20年12月12日から同月29日まで」の期間が、本件審判の請求の登録(平成23年1月4日)前3年以内の期間に含まれることは明らかである。

上記の通常使用権者の行為は、商標法第2条第3項第8号でいう「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布」する行為に該当するものと認めることができる。

したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、通常使用権者である(株)西川によって、本件請求に係る指定商品について使用されていたものというべきである。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、乙第2号証及び乙第4号証のちらしには、「パジャマ」と「掛けふとんカバー」とに本件商標が表示されており、異なる商品に同一の商標を付して使用することは一般取引の社会通念に徴してあり得ず不自然であること、乙第3号証のはがきには、案内文と異なる商品の紹介がされており、一般取引では通常考え難く不自然であることから、乙第2ないし第4号証は、いずれも成立が疑問である旨主張している。

(2)しかしながら、「パジャマ」と「掛けふとんカバー」とは、いずれも寝具といえるものであって、関連性のある商品であるばかりでなく、各種商品に同一の商標を使用することも一般に見られるところであるから、「パジャマ」と「掛けふとんカバー」とに同一の商標を使用することが不自然であるとはいえないし、乙第2号証及び乙第4号証のちらしは、その掲載内容に照らし、それ自体が本件商標の使用を立証するために作為的に作成されたものということもできない。

また、特定の商品の販売キャンペーンやバーゲンの案内用はがきに当該商品とは別の商品を併せて紹介することは、一般にあり得ないことではなく、不自然とまではいえないから、乙第3号証のはがきも、その掲載内容に照らし、それ自体が本件商標の使用を立証するために作為的に作成されたものということはできない。

そうすると、乙第2号証ないし乙第4号証は、本件商標の使用に関する真正な証拠というべきであり、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

3 むすび

以上のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定商品中に含まれる商品「パジャマ、ブラウス」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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