sokuhyo

Trademark Appeal Case

指定商品の類似判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900029(T2011−900029/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5363842号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5363842号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成19年9月14日に登録出願、第6類「鋳物用の非鉄金属及びその合金,キャスター,金庫,安全錠,金属製バルブ(機械部品を除く。),金属製足場,金属製の可搬式温室,金属製ケーブル(電気用のものを除く。),鉄鉱石」のほか、第1類、第2類、第7類、第11類、第17類、第37類、第39類、第40類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年9月8日に登録をすべき旨の審決がされ、同年10月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第417868号商標(以下「引用商標」という。)は、「Thermax」、「テルマツクス」及び「てるまつくす」の文字を上中下三段に横書きしてなり、昭和27年2月21日に登録出願、第6類に属する「他類に属しない金属及びその半加工品」を指定商品として、昭和27年11月6日に設定登録、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成15年4月16日に第6類「銑鉄,鍛鉄,鋼,条鉄,ブリキ板,軌条,鉄板,鉄線」を指定商品とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)理由の要点

本件商標は、下記のア及びイにより、指定商品及び指定役務中、第6類に属する全指定商品について、その登録は取り消されるべきものである。

ア 本件商標は、「T」字様図形の下に欧文字「THERMAX」を配した構成よりなり、引用商標は、「Thermax」、「テルマックス」及び「てるまつくす」を三段に併記した構成よりなり、ともに「テルマックス」の称呼を生ずる。

本件商標と引用商標は、観念上、ともに特定の意味合いを有しない造語で、比較することはできないが、「テルマックス」の称呼を共通にし、また、第2字以降の大文字と小文字の相違はあるものの、7字全ての欧文字部分の綴りを共通にするため、外観上の印象も極めて近似しており、明らかに類似する。

そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、生産部門、販売部門、原材料、品質、用途及び需要者の範囲が一部において一致し、また、完成品と部品との関係を有する場合もあり、総合的に見れば互いに類似する商品と認められる。

したがって、本件商標は、引用商標との関係で、商標法第4条第1項第11号に該当する。

イ 仮に本件商標と引用商標の指定商品とが非類似と判断されたとしても、引用商標が現実に使用されている商品と、本件商標の指定商品とは極めて関連性が高く、本件商標が申立に係る指定商品に使用された場合、申立人自身又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所につき混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、引用商標との関係で、同法第4条第1項第15号にも該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

申立人は、本件商標の第6類に属する指定商品中には、引用商標の指定商品との間で、生産部門が一致するもの、販売部門が一致するもの、原材料及び品質が一致するもの、用途が一致するもの、需要者の範囲が一致するもの、完成品と部品との関係にあるもの、の例を挙げて、一致する点があることを理由として、それらが類似する商品と判断されるべきである旨主張している。

しかしながら、本件商標の第6類の指定商品「鋳物用の非鉄金属及びその合金,キャスター,金庫,安全錠,金属製バルブ(機械部品を除く。),金属製足場,金属製の可搬式温室,金属製ケーブル(電気用のものを除く。),鉄鉱石」と、引用商標の指定商品「銑鉄,鍛鉄,鋼,条鉄,ブリキ板,軌条,鉄板,鉄線」をみると、例えば、本件商標の指定商品である「鋳物用の非鉄金属及びその合金」の範疇に属する商品である「ダイカスト用アルミ合金地金や鋳物用アルミ合金地金」と引用商標の指定商品である「銑鉄」の他「鉄板」の範疇に属する「厚板」や「熱延鋼板」及び「冷延鋼板」等が、一部の金属専門の同一商社で商品として販売されている場合(甲第19、21ないし23号証)が見受けられる一方で、その生産部門、原材料及び品質の他、用途が異なるところである。

そのほか、本件商標の指定商品中の「鋳物用非鉄金属及びその合金」と引用商標の指定商品中の「銑鉄」は、鋳物製造メーカは様々な方法(甲第43号証)により鋳造するが、使用する材質を選ばない場合もあるので、需要者の範囲が一部で一致する場合も見受けられる(甲第44ないし49号証)が、原材料が異なることで、鋳物の用途、品質も異なるものである。

また、申立人は、本件商標の指定商品中の「金属製ケーブル(電気用のものを除く)」と、引用商標の指定商品中の「鉄線」、「銑鉄」、「条鉄」及び「軌条」等は、同一鉄鋼メーカーで生産されている(甲第4ないし14号証)として生産部門が一致するとしているが、金属製ケーブル(電気用のものを除く)は、線材(棒線)の用途や素材として記載されてはいるものの、上記鉄鋼メーカーで商品として生産されている事が認め難く、他にこれを認める証拠も見いだせない。

さらに、申立人は、本件商標の指定商品中の「キャスター、金庫、安全錠、金属製バルブ(機械部品を除く。)、金属製足場、金属製の可搬式温室、金属製ケーブル(電気用のものを除く)」並びに「鉄鉱石」は、引用商標の指定商品中の「銑鉄、鋼、鉄板、鉄線等」とそれぞれ完成品及び部品の関係にあるとしているが、完成品の一部にそれ専用の部材ではない汎用性のある部材が使用されているものであり、完成品とその部品の関係とは認めることができない。

してみれば、販売部門や需要者の範囲において、一部が一致する場合もみいだせる一方で、他方では著しく異なる点(例えば、生産部門、原材料及び品質、用途、完成品と部品の一致性)を有するものであって、多くの一致する点を有するのが一般的であるとは認められないから、本件商標の第6類の指定商品は、いずれも、引用商標の指定商品に類似する商品と判断することはできないものである。

したがって、仮令、本件商標と引用商標とが近似する構成文字を有しており、類似するものであるとしても、両商標は指定商品において相抵触するものではないから、本件商標は、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものと認めることはできないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人提出の証拠によれば、引用商標が耐熱鋼に使用されていることを窺い知ることができる。しかしながら、全証拠によっても、本件商標の出願時において、引用商標が申立人に係る商品を表示する商標として、需要者の間で広く認識されるに至っていたとまで認めることはできないものである。

しかして、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品との間には若干の関連性が認め得るものではあるが、上記のとおり非類似の商品であり、商標の構成上に近似性があるとしても、かかる関係の商品間において、周知性が認められない引用商標が直ちに想起されるとまでいうことはできないというのが相当というべきである。

してみれば、本件商標を出願時及び査定時において、第6類の指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認めることはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。