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Trademark Appeal Case

記述語結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900102(T2011−900102/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5376452号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5376452号商標(以下「本件商標」という。)は,「NEXT WARM」の欧文字を横書きしてなり,平成22年7月23日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年11月4日に登録査定,同年12月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2272314号商標(以下「引用商標1」という。)は,「NEXT」の欧文字を横書きしてなり,昭和60年2月27日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成2年10月31日に設定登録,その後,同12年10月10日及び同22年5月25日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,また,指定商品については,同14年2月13日に指定商品の書換登録があった結果,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とするものである。

(2)登録第2272315号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ネクスト」の片仮名を横書きしてなり,昭和60年2月27日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成2年10月31日に設定登録,その後,同12年10月10日及び同22年5月25日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,また,指定商品については,同14年4月17日に指定商品の書換登録があった結果,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とするものである。

(3)登録第4238772号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ネキスト」の片仮名と「NEXT」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり,平成9年3月21日に登録出願,第25類『靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)』を指定商品として,同11年2月12日に設定登録,その後,同21年2月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

(4)登録第4845247号商標(以下「引用商標4」という。)は,「NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年3月26日に登録出願,第25類「履物」を指定商品として,同17年3月11日に設定登録されたものである。

以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は,登録異議申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。

(1)本件商標は,「NEXT」と「WARM」の文字より構成され,「WARM」は,「暖かい,常温の,温かい」という意味を有する親しまれた英語(甲第7号証)であって,被服業界においては,「保温機能を有する商品」であることを普通に表す語にすぎないから,本件商標からは,要部である「NEXT」の文字に照応する「ネクスト」の称呼をも生じ,「次の,隣の」の観念を生ずる(甲第6号証)。

他方,引用商標1及び4は,「NEXT」の文字よりなり,引用商標2は,「ネクスト」の文字よりなり,引用商標3は,「ネキスト」及び「NEXT」の文字よりなるものであるから,引用商標からは,同様に「ネクスト」又は「ネキスト」の称呼を生じ,「次の,隣の」の観念を生ずる。

してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼,観念及び外観上同一の類似する商標である。

また,本件商標の指定商品中「被服」は,引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似し,本件商標の指定商品中「履物」は,引用商標3及び4の指定商品と同一又は類似する。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)申立人及びそのグループ会社は,衣料等の製造販売を業とするイギリス法人であり,1982年に「Next」ブランドの婦人服の販売を開始し,その後,紳士服,子供服,小物,靴,アクセサリー及びインテリア等とその取扱いを広げ,現在では,イギリス及びアイルランドに500以上の店舗並びに日本を含む外国においても180以上の店舗を有している(甲第10号証)。

なお,申立人の関連会社であるネクスト ピー エル シーは,ロンドン証券取引所の上場企業である(甲第11号証)が,甲第10号証及び甲第11号証に示すとおり,同社を含むグループ全体の2010年度の総収入は,約4,462億円であり,税引前の利益は,約662億円にも及んでいる。 日本においては,ゼビオ株式会社が「1997年,イギリス最大の製造小売業ブランドであるNEXT社と提携・・・」(甲第12号証)し,この提携先のゼビオ株式会社によって「next」の名称で20店舗が運営され(甲第13号証),加えて,「next Japan」のホームページにおいて「next」ブランドの婦人服を販売するオンラインショップが運営(甲第14号証)されている。

「NEXT」商標は,申立人及びその関連会社を含むネクストグループのハウスマークであり,日本において現在に至るまでの10年余りにわたり,商品「被服」,「靴類」,「かばん類」及び「身飾品」について使用されている。

すなわち,本件商標の出願日以前から現在まで我が国において積極的に使用されてきた事実が存在する(甲第15号証ないし甲第21号証)。

加えて,「next Japan」のホームページによると「next」商品が女性向けファッション誌や子供向け雑誌等に多数紹介されている旨の記載がある(甲第22号証)。それらの雑誌の一例を挙げると,「GINGER」,「Mart」,「美STORY」,「たまごくらぶ」及び「小学3・4年生」等である。これらは,2010年8月号から2011年3月号発行の雑誌であるが,その短い期間に「next」商品が紹介された雑誌数を合計すると延べ50誌にも達する。このように「next」商品が大々的に雑誌で取り上げられている事実をかんがみると,申立人の関連会社ネクスト・グループ・ピー エル シーが所有する「NEXT」商標が需要者間に周知であるといえる。

さらに,2001年12月発行の「ファッション販売」というファッション業界向けの専門雑誌(甲第23号証)には,『英国のSPA(製造小売業)チェーンであるネクストは,「1980年代のわずか8年間で約20億円だった年商が2000億円に急成長したと聞いて,英国に出掛けて同社を研究。・・・」と柳井社長が打ち明けるほど,その後のユニクロの経営に大きな影響を与えた大先輩企業だ。』との記事が掲載されている。この記事からみると,申立人及びその関連会社を含むネクストグループは,我が国において被服を取り扱う業界において著名であることがうかがえ,もって,申立人の関連会社ネクスト・グループ・ピー エル シーが所有する「NEXT」商標は,取引者及び需要者間に広く認識され周知,著名性を獲得するに至っていたものということができる。

これらを総合すると,申立人の関連会社ネクスト・グループ・ピー エル シーが所有する周知商標「NEXT」をそっくり含む本件商標が第25類の全指定商品について使用される場合には,申立人及びその関連会社を含むグループ会社の業務に係る商品との間で出所の混同を生じるおそれがある。

(3)結び

以上述べたように,本件商標は,その指定商品中,「被服」及び「履物」について商標法第4条第1項第11号に該当し,また,その全ての指定商品について同第15号に該当するため,商標法第43条の3第2項の規定により登録を取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は,前記1のとおり,「NEXT WARM」の文字からなるところ,構成各文字は,同じ書体,同じ大きさをもって一体的にまとまりよく表されており,外観上「NEXT」の文字部分のみが独立して着目されるものではない。

そして,「WARM」の文字部分は,「暖かい,温暖な」等を意味する英語(甲第7号証)であるとしても,「NEXT WARM」と表した本件商標に係る構成においては,特定の商品の品質等を具体的に表示したものと直ちに理解させるものともいい難いところであるから,むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

また,本件商標は,その構成文字から生ずる「ネクストウォーム」の称呼も冗長なものでなく,他に,「NEXT」の文字部分のみが分離・抽出され,取引に供されるとみるべき格別の理由は見いだせない。

そうとすれば,本件商標は,その構成全体をもって一体のものと理解,把握されるものであり,構成文字全体に相応して「ネクストウォーム」の称呼のみを生じ,特定の観念は生じないものである。

してみれば,本件商標は,「NEXT」の文字部分が要部であることを前提にして,そのうえで,本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は,採用することができない。

その他,本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人は,『「NEXT」商標は,申立人及びその関連会社を含むネクストグループのハウスマークであり,日本において現在に至るまでの10年余りにわたり,商品「被服」,「靴類」,「かばん類」及び「身飾品」について使用されている。』と証拠を挙げて主張するが,申立人の提出に係る証拠によれば,申立人は,英国において衣料品等を製造販売するチェーン店を営む事業者であり(甲第10号証),我が国においては,ゼビオ株式会社と提携して販売するほか,インターネット等においても販売しているものであり(甲第12号証ないし甲第21号証),これらによれば,申立人の業務に係る商品(被服等)について「NEXT」の文字からなる商標が使用されていることをうかがい知ることができる。

しかしながら,提出に係る証拠は,ゼビオ株式会社のホームページやショップリスト,申立人が我が国に向けたインターネット販売に関するページ,カタログ,チラシ等であり,カタログ等の配布部数や配布地域が明らかではなく,また,我が国における商品の販売数量,売上高,広告宣伝の状況等,引用商標の著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていないものであるから,申立人の提出に係る証拠のみによっては,本件商標の登録出願時及び査定時において,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として,我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

さらに,前記したとおり,本件商標と引用商標とは,十分に区別し得る別異の商標というべきであって,また,「NEXT」の語は,「次の,今度の」等の意味を表す英語として広く一般に理解・認識されている成語であって,ことさら申立人による創造標章とはいえないものである。

そうとすれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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