Trademark Appeal Case
造語称呼の認定と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900203(T2011−900203/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5395110号商標(以下「本件商標」という。)は、「CEVO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年9月10日に登録出願、第9類「テレビジョン受信機,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同23年2月15日に登録査定、同年3月4日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第4341597号商標(以下「引用商標」という。)は、「Seavo」の欧文字と「シーボ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成10年5月28日に登録出願、第11類「電気冷凍庫,電気冷蔵庫,冷凍用又は冷蔵用ショーケース,その他の冷凍機械器具」を指定商品として、同11年12月3日に設定登録されたものであり、その商標権は、存続期間の更新登録がされて現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は「シーボ」の称呼が、引用商標は「シーボ」の称呼が生じる。
してみると、両商標は、称呼上「シーボ」の称呼を同じくする類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標の指定商品も互いに抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「CEVO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、一般の辞書等に記載が無いものであるから、一種の造語として認識されるものである。
そして、一般的に造語にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、我が国で親しまれた英単語である「cell」、「cent」、「center」及び「central」を、各々「セル」、「セント」、「センター」及び「セントラル」と発音し、「voice」を「ボイス」と、あるいは「bravo」を「ブラボー」と発音する例に倣い、本件商標は、全体として「セボ」又は「セボー」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「Seavo」と「シーボ」の文字からなるところ、その構成文字どおりに「シーボ」の称呼が生じるものであって、特定の観念を生じさせることのない造語というのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標から生ずる「セボ」又は「セボー」の称呼と、引用商標から生ずる「シーボ」の称呼とは、称呼の識別上重要である語頭において「セ」と「シ」の音の差異を有するものであり、両者とも2音ないし3音という短い音構成よりなるものであることからすれば、この差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さなものとはいえない。
そうすると、本件商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調において相違し、称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。
次に、両商標は、それぞれ上記のとおりの構成よりなることから、外観においては明らかに区別し得るものである。
さらに、両商標は、特定の観念を生じ得ないものであるから、観念において比較をすることはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないものであるから、両商標の指定商品の類否を検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
なお、申立人は、英和辞典(甲第7号証)の記載及び、カタログ等(甲第4号証ないし甲第6号証)の記載を挙げ、本件商標は「シーボ」の称呼が生じる旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる辞書のページには、「ce」が「シ」と発音される用例が認められるものではあるが、それらの語句は、さほど知られた語といえるものではなく、造語を称呼するに当たって、自然に称呼される用例であるとは、考え難いものである。
また、カタログは、本件商標の権利者の商品カタログであり、ネットの記載には「東芝CEVOエンジンの名前の秘密」との標題で、文中には「セボではなく、シーボとよむそうだが、完全な造語である。」等の記載が見られることよりすれば、本件商標から自然に生ずる称呼が「シーボ」ということは首肯し難いものである。
したがって、これら申立人が提出した証拠によれば、本件商標の権利者においては「CEVO」をあえて「シーボ」と称呼させようとする意図が看取されるとしても、「シーボ」の称呼が、取引者及び需要者等に周知されているとは認め難いものである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとの理由は見当たらない。
したがって、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとは認められない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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