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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900205(T2011−900205/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5395571号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5395571号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年9月8日に登録出願され、第9類「コンピュータネットワークを通じてダウンロード可能なコンピュータソフトウエアー,その他の電子応用機械器具,電気通信機械器具」及び第42類「インターネットを利用したコンピュータソフトウエアの提供,コンピューターソフトウェアのバージョンアップ」を指定商品及び指定役務として、同23年2月16日に登録査定、同年3月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5188811号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:TWITTER (標準文字)

登録出願日:平成19年10月26日(優先権主張:アメリカ合衆国、2007年4月26日)

設定登録日:平成20年12月12日

指定役務 :第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(2)登録第5327291号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:TWEET (標準文字)

登録出願日:平成21年6月11日(優先権主張:アメリカ合衆国、2009年4月16日)

設定登録日:平成22年6月4日

指定役務 :第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(3)登録第5332541号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:ツイート (標準文字)

登録出願日:平成21年7月16日

設定登録日:平成22年6月25日

指定役務 :第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(4)登録第5278420号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:ついったー (標準文字)

登録出願日:平成21年6月9日

設定登録日:平成21年11月6日

指定役務 :第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

以下、これらを一括して「引用商標」ということがある。

3 登録異議申立ての理由の要点

申立人は、本件商標の登録の取消を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「Tweet」及び「Runners」の欧文字を、オレンジ色の横長長方形の中に白抜きで表したものであって、その構成中の「Runners」の部分は「走る人」の意味として親しまれている英語であり、識別力が弱いものであるから、要部となる「Tweet」の部分より「ツイート」の称呼を生ずる。

一方、引用商標2及び引用商標3からは、「ツイート」の称呼が生ずる。

よって、本件商標は、引用商標2及び引用商標3と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られた引用商標並びに申立人の業務を表象する著名な商標「Tweet」及び「ツイート」を含むものであり、「Runners」という英語は「走る人」を表すものとして日本人に慣れ親しまれている言葉である。

したがって、本件商標に接する需要者は、本件商標中の「Runners」の部分には特段注意を払うことがなく、「Tweet」の部分に注目することになるから、本件商標は、申立人の業務と何らかの関連性があるものと誤認、混同される可能性が極めて大きいものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断

(1)引用商標等の著名性について

申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、平成18年(2006年)3月からインターネット上で「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスをウェブサイト「Twitter」を介して提供していること(甲第6号証)、上記サービスは、ブログと電子メールの中間的な位置付けのコミュニケーション・ツールであって、140文字以内の短文のみに対応する点が特徴の一つであること(甲第7号証)、我が国では、上記サービスが平成18年7月16日に開始されて以来、上記ウェブサイトの登録ユーザー数は増加の一途をたどり、平成22年1月には500万人を超えたこと(甲第8号証及び甲第10号証)、平成22年1月頃には、上記ウェブサイトは、一般人のみならず、総理大臣、芸能人、政治家、評論家等に幅広く利用され、新聞、雑誌等のマスコミでも注目されるようになり、その認知度は70.2%に達し、上記ウェブサイト及び上記サービスは、「Twitter」又は「ツイッター」の表記でインターネットや雑誌等のメディアに紹介されていること(甲第9号証及び甲第10号証)、その後も「Twitter(ツイッター)」に関し、雑誌、テレビ番組等の特集、関連書籍の出版等がされていること(甲第11号証ないし甲第22号証)が認められる。

以上によれば、申立人の上記ウェブサイト及び上記サービスは、その開始以来短期間で急速に需要者間に浸透し、それと共に「Twitter(ツイッター)」は、申立人の業務に係る役務を表示する商標(以下「申立人使用商標」という。)として、本件商標の登録出願時には既に取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。

なお、引用商標1は、その綴りを全て大文字により表してなるが「Twitter」商標と同様に申立人の上記サービスを認識させるものとみて差し支えないものといえる。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、オレンジ色の横長長方形内に「Tweet Runners」の欧文字を、白抜き文字で表したものであるところ、該文字は、冗長というほどのものではなく、同一の書体で構成全体が外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、いずれかの文字部分のみが独立して認識される態様のものではない。

また、本件商標を構成する文字のうち、「Tweet」は、「(小鳥が)チッチッと鳴く.さえずり(声).」(株式会社研究社発行 新英和中辞典第6版)を意味するものであり、「Runners」は、「走る人」(同)を意味するものであるが、指定商品あるいは役務との関係において、両文字が出所識別標識としての機能に差異があるとはいえないものである。

そうとすると、本件商標は、その構成中から「Tweet」の文字部分が独立して認識されるというべき特段の事情は見いだせない。

よって、本件商標は、文字全体が一体のものとして把握されると理解するのが自然であり、「ツイートランナーズ」の一連の称呼のみを生じ、格別の観念を生じないものと認められる。

イ 引用商標について

引用商標1及び4は、「TWITTER」又は「ついったー」の文字からなるものであり、いずれの商標からもその構成より「ツイッター」の称呼を生じ、格別の観念を生じない。

また、引用商標2及び3は、「TWEET」又は「ツイート」の文字からなるものであり、いずれの商標からもその構成より、「ツイート」の称呼を生じ、「小鳥がチッチッと鳴く声、小鳥のさえずり」程の意味があるとしても、特によく知られた語とはいえないものであるから、格別の観念を生じない。

ウ 本件商標と引用商標との対比

本件商標と引用商標1(TWITTER)、引用商標2(TWEET)、引用商標3(ツイート)及び引用商標4(ついったー)とは、その構成文字を明らかに異にするものであるから、外観において類似しない。

また、称呼については、本件商標より生ずる「ツイートランナーズ」の称呼と引用商標1及び4よりそれぞれ生ずる「ツイッター」の称呼又は引用商標2及び3よりそれぞれ生ずる「ツイート」の称呼とは、その音数、音構成を明らかに異にするものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼において類似しない。

さらに、本件商標は、格別の観念を生じないから、引用商標とは、観念において比較できない。

エ そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において類似しないものと認められる。

オ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

ア 申立人使用商標は、インターネット上での「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスにおいて使用されている商標であって、本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る当該役務を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標は、上記(2)アで認定したとおり、一体不可分の構成よりなるものであり、引用商標と外観及び称呼が異なる非類似のものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに当該インターネット上でのメッセージサービスに使用される申立人使用商標又は引用商標1を連想・想起し、申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

イ 引用商標2(TWEET)及び引用商標3(ツイート)は、本件役務において、本件役務への投稿、若しくは投稿することを表す、一種の機能的動作等を表す語として使用されているものであり、また、その動作を示す場合に「つぶやく」のように使用されることがあることからすると、引用商標2及び引用商標3が、本件商標の出願時において、申立人の業務に係る本件役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。

ウ 引用商標4(ついったー)は、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたということができないことは、上記(1)の認定のとおりであり、さらに、引用商標4と本件商標とは、その構成文字(綴り)が著しく相違し、互いに別異のものとして認識し理解されるものというべきである。

エ そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、申立人使用商標及び引用商標を連想・想起させるものとは認められず、その商品又は役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれはない。

オ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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