Trademark Appeal Case
機能・品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900225(T2011−900225/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5399972号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLICK SWITCH REFRESH」の文字を書してなり、平成22年9月13日に登録出願、第34類「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,喫煙用具,マッチ」を指定商品として、平成23年2月3日に登録査定され、同年3月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、いずれも平易かつ一般消費者にも普及し親しまれた3つの英単語を並列させ普通に用いられる方法で表示する標章である。
すなわち、「CLICK(クリック)」は、機械、電子機器などの「かちっという音」やコンピュータのマウスボタンを押す操作(クリックする)、「SWITCH(スイッチ)」は、電気のスイッチや「変える、切り替える(スイッチする)」、また、「REFRESH(リフレッシュ)」は、娯楽・休息などによって「気分をさわやかにする、活気づける、元気を回復する(リフレッシュする)」の意味合いで一般に普及した外来語であり、英語発音のまま名詞、動詞化(クリック、クリックする)され、日常生活でも頻繁に用いられている。(甲2ないし甲4)
したがって、本件商標は、全体として「クリック、スイッチ、リフレッシュ」(名詞)、または、「クリックして、スイッチして、リフレッシュする」(動詞)といった意味合いを容易に認識させるものである。
この「CLICK(クリック)」の語は、特定のたばこ、すなわち喫煙者がフィルターをかちっと押して(フィルター内の)カプセルに封入されたフレーバーを味わうことができる機能(構造)(以下「カプセルシステム」という。)のたばこを表示するものとして一般に使用されている。カプセルシステムを取り入れたたばこは、本件商標の権利者であるブリティッシュ・アメリカン・タバコ(ブランズ)リミテッド(以下「BAT社」という。)を始め各社から販売されている。
こういった状況において、BAT社が本件商標「CLICK SWITCH REFRESH」をそのカプセルシステムのたばこに使用しても、これに接する需要者(成人喫煙者)・取引者は、商品がカプセルを「(かちっと)クリック」して味を「スイッチ」し、「リフレッシュ」するという特定の機能(構造)または使用方法、効能を有すること、すなわち、商品の品質等を表示したものと認識するにとどまる。
ゆえに、本件商標は、その指定商品中カプセルシステムの「紙巻たばこ、たばこ、たばこ製品」について、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない(あるいは、取引における表示として如何なる者にも使用されるべきもの)といわざるを得ず、かつ、上記以外の商品に使用するときは、品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に反してなされたものである。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標に接する需要者(成人喫煙者)・取引者が、仮に、カプセルシステムのたばこの機能(構造)を知らない、あるいは、関連づけなかった場合は、そこから看取される意味合いは極めて漠然としたものとなり、単に3つの語「クリック、スイッチ、リフレッシュ」を並列的に、あるいは、「(かちっと)クリックして、(何かを)スイッチして、リフレッシュする」という商品の使用方法や効能を記述的に表示したものとしか認識、把握することができない。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者(成人喫煙者)・取引者は、これを商品の内容を端的に表現した宣伝文句(キャッチフレーズ)として理解するにとどまり、何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号に反してなされたものである。
(3)むすび
以上述べたとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号若しくは第3条第1項第6号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号について
本件商標は、「CLICK SWITCH REFRESH」の文字を書してなるところ、その構成中、「CLICK」の文字は、「かちっという音、歯止めの爪」等の意味を有し、「SWITCH」の文字は、「(電気の)スイッチ、(鉄道)転轍器、ポイント、切り替え、交換」等の意味を有し、「REFRESH」の文字は、「の気分をさわやかにする、を(再び)元気にする、生き返った気分にする、を新鮮にする」等の意味を有する(いずれも、「新グローバル英和辞典」より。株式会社三省堂)ものである。
そして、これらの語は、一般に知られている平易な英語ではあるが、記述的でなく、単に並列的に羅列されているものであるから、全体として特定の意味合いを有する言葉としては、理解されないものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、「CLICK」「SWITCH」「REFRESH」の語を連ねた一種の造語と理解されるものである。
また、仮に、申立人のいうように、「クリック、スイッチ、リフレッシュ」(名詞)、または、「クリックして、スイッチして、リフレッシュする」(動詞)といった意味合いを認識させる場合があるとしても、その指定商品との関係において、直ちに、特定の意味合いを有する言葉として理解されないものであるから、商品の特定の機能(構造)、使用方法、効能を表示したもの、すなわち、商品の品質等を表示したものということはできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中、例えば、「カプセルシステムを取り入れたたばこ」について使用しても、品質等を表示するものと認識されることなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものといわなければならない。
(2)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、前記(1)に記載したとおり、全体として特定の意味合いを有する言葉としては、理解されないものであるから、これが商品の特徴等を具体的に表示し、特定の意味合いを有するキャッチフレーズとして理解、認識されるとはいい難いものである。
また、当審において職権をもって調査したが、該文字が本件商標の指定商品を取り扱う業界において、標語(キャッチフレーズ)として取引上、一般に使用されているという事実を見いだすことはできなかった。
そうとすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号、同法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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