Trademark Appeal Case
称呼の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900140(T2011−900140/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5385770号商標(以下「本件商標」という。)は、「RANJI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年6月23日に登録出願され、第32類「茶入り又は茶風味の清涼飲料,その他のアルコール分を含まない飲料,飲料製造用エッセンス,飲料製造用調製品」を指定商品とするほか、第30類及び第33類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同23年1月4日に登録査定、同年1月21日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5034702号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年5月8日に登録出願され、第32類「ミネラルウォーター・炭酸水及びアルコールを含有しないその他の飲料,果実飲料及び果汁飲料,シロップその他の飲料製造用調製品,ビール風味でアルコール分1%未満の清涼飲料,清涼飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同19年3月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要点)
本件商標からは、欧文字「N」が「ン」と発音されることが多く、「ランジ」の称呼が生じ、また、欧文字「NJI」が、欧文字「J」をいわゆる無声音として、「ニ」と発音される傾向があり、「ラニ」の称呼も生じることが認められる。
引用商標からは、上述したとおり、欧文字「N」が「ン」と発音されることが多く、「ランイ」の称呼が生じ、また、欧文字「N」と欧文字「I」とを一体として「ニ」と発音される傾向があり、「ラニ」の称呼も生じることが認められる。
そして、本件商標から生じる称呼「ランジ」と引用商標から生じる称呼「ランイ」とを比較すると、両者は、共に同数音であり、第一音及び第二音は全く同一であり、第三音のみが異なる。しかして、第三音「ジ」と「イ」は母音を共通としている。
そうすると、本件商標から生じる称呼「ランジ」と引用商標から生じる称呼「ランイ」とは、ともに同数音の称呼からなり、相違する1音が母音を共通にする。
してみれば、本件商標から生じる称呼「ランジ」と引用商標から生じる称呼「ランイ」とは類似するものである。
次に、本件商標から生じる称呼「ラニ」と引用商標から生じる称呼「ラニ」とを比較すると、両者は同一である。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは称呼において同一又は類似するものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違背してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「RANJI」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該語は、我が国において既成語として知られているものではないから、その構成文字に相応して「ランジ」の称呼を生じ、観念は生じないものである。
引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、青色の四角形の中に、白抜きで上部に書されたアラビア文字と思しき部分は、一般に文字としての意味合いを理解することができないものであるから、図形的なものとして認識されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成中の白抜きの「RANI」の文字部分が着目され、該文字をもって、取引に資されることも決して少なくないものというべきである。
そして、該「RANI」文字は、我が国において既成語として知られているものではなく、その構成中「NI」の文字部分は、一般的には、母音と子音の組合せとされる読みから、「ニ」の1音として認識されるものと解されるが、「N」を「ン」の音として、「I」を「イ」の音として別々の2音として認識される場合もあることから、「ラニ」及び「ランイ」の称呼を生じ、観念は生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、両者は、色彩及び構成、アラビア文字の有無など、その態様に顕著な差異を有するものであるから、外観上相紛れるおそれはない。
次に、本件商標の称呼「ランジ」と引用商標の称呼「ラニ」とを比較すると、両者は、構成音が3音と2音であっていずれも短く、「ラ」の音を共通にしているが、その他の「ンジ」と「ニ」の音が異なっているから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が異なったものとなり、互いに十分聴別することができる。
また、本件商標の称呼「ランジ」と引用商標の称呼「ランイ」とを比較すると、両者は、語頭の「ラン」の音を共通にするものの、語尾において「ジ」と「イ」の音の差異を有するものである。しかして、「ジ」と「イ」の音は、ともに弱音の「ン」に続いて明瞭に発音され、しかも、濁音と清音の差異があって、音感が相違することから、いずれも3音と短い音構成にあっては、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が異なったものとなり、互いに十分聴別することができる。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、ともに観念を生じないものであるから、比較することができない。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標ということはできないものである。
なお、申立人は、本件商標は、その構成中の欧文字「NJI」の部分が、欧文字「J」をいわゆる無声音とし「ニ」と発音される傾向があるとして、「ラニ」の称呼をも生じる旨の主張をしている。
しかしながら、本件商標の構成中における「NJI」の文字部分について、我が国において、「J」の文字をいわゆる無声音とし、「ニ」と発音される傾向があるとの事実は認められないから、申立人の主張は、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る第32類の全指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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