Trademark Appeal Case
称呼・観念類似と役務関連性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900223(T2011−900223/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5399482号商標(以下「本件商標」という。)は、「チェザリ」の片仮名及び「Cesari」の欧文字を上下二段に表してなり、平成22年10月8日に登録出願、第30類「ピザ,茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同23年2月10日に登録査定され、同年3月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)引用商標
登録第4324299号商標(以下「引用商標」という。)は、「CESARI」の欧文字を表してなり、平成10年10月8日に登録出願、第33類「イタリア産のワイン」を指定商品として、同11年10月15日に設定登録され、その後、同21年7月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として広く一般に知られている引用商標に類似し、第43類の指定役務「飲食物の提供」は、引用商標の第33類の指定商品「イタリア産ワイン」と密接に関連するものであるから、本件商標がその指定役務に使用された場合、商標の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)具体的理由
ア 本件商標と引用商標との対比
本件商標からは、片仮名の文字部分及び欧文字の文字部分に相応して「チェザリ」の称呼が生じる。
一方、引用商標からも、「チェザリ」の称呼が生じ、本件商標は、称呼が引用商標の称呼と同一である。
また、本件商標は、片仮名と欧文字の文字部分とを上下二段に配してなり、外観上、それぞれの文字部分に着目して本件商標を把握される場合があるから、本件商標の欧文字部分のみに着目した場合、本件商標と外観上類似する。
さらに、「Cesari」は、イタリア人の姓であり、申立人の名称の一部である。そうすると、本件商標の観念は、引用商標の観念と共通し、本件商標は、観念についても引用商標と相紛らわしいものである。
以上のように、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念のいずれに関しても、相紛れるおそれのある類似の商標である。
イ 出所混同のおそれ
引用商標は、イタリア人の姓であって申立人の名称の一部であり、申立人はイタリア産ワイン及びアルコール飲料を、我が国をはじめアジア各国に輸出しており、その結果として、引用商標は、申立人の業務に係る「イタリア産ワイン」を表示する商標として広く知られるに至ったものである。
そして、本件商標の指定商品及び指定役務のうち、第43類「飲食物の提供」は、店内で食品及び飲料を顧客に提供する行為であり、提供される食品及び飲料と密接な関連を有するものである。「飲食物の提供」は、飲食店におけるワインの提供を当然に含むものであり、「イタリア産ワイン」を表示する商標と類似の商標が「飲食物の提供」に使用された場合、需要者は、その飲食店では申立人の業務に係るイタリア産ワインを提供する店であるかのごとく、その出所について誤認する可能性の極めて大きいものである。
このように、本件商標の第43類の指定役務「飲食物の提供」は、申立人の業務に係る商品であり引用商標の指定商品である第33類「イタリア産ワイン」と深く密接に関連するものであり、類似の商標が使用された場合には、容易に出所混同を招来し得るものである。
よって、これが本件商標の指定商品/指定役務に使用された場合、商標権者が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者であるとの誤認を生じるおそれがあることから、需要者が商品又は役務の出所について混同を生じるおそれは極めて大きいといわざるを得ない。
ウ 結論
したがって、申立人の業務に係る商品である「イタリア産ワイン」を表示する引用商標と類似する本件商標が、「イタリア産ワイン」と関連の非常に大きい役務「飲食物の提供」に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)むすび
上述のように、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであり、同法第43条の2第1項第1号により、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「チェザリ」の片仮名及び「Cesari」の欧文字を上下二段に表してなるから、「チェザリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というべきである。
一方、引用商標は、「CESARI」の欧文字を表してなるから、「チェザリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というべきである。
そして、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において、大文字と小文字の違いはあるものの、本件商標の欧文字部分「Cesari」と引用商標「CESARI」のスペルを共通にし、また、称呼において「チェザリ」の称呼を共通にすることから、類似する商標ということができる。
しかしながら、以下の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(2)引用商標の周知、著名性について
申立人は、「引用商標は、イタリア人の姓であって申立人の名称の一部であり、申立人はイタリア産ワイン及びアルコール飲料を、我が国をはじめアジア各国に輸出しており、その結果として、引用商標は、申立人の業務に係る『イタリア産ワイン』を表示する商標として広く知られるに至ったものである。」旨の主張をしているので、この点について検討する。
甲第1号証及び甲第2号証は、それぞれ本件商標及び引用商標について、特許電子図書館を検索した結果「商標出願・登録情報検索(詳細表示)」にすぎず、これのみでは、引用商標の周知・著名性を認めることが到底できないものであり、他に、引用商標の周知・著名性を量的に判断できる証拠の提出はない。
また、職権において調査しても、引用商標が、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る「イタリア産ワイン」を表示する商標として需要者の間に広く知られるに至っていたものとも認められない。
以上の事実を総合すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、著名であったとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る第43類「飲食物の提供」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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