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Trademark Appeal Case

周知商標の混同可能性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900244(T2011−900244/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5403293号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5403293号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHIQUITA」の欧文字を標準文字で表してなり、2010年1月15日フランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成22年7月8日に登録出願、第18類「皮革及び模造皮革,ハンドバッグ,旅行かばん,リュックサック,通学用かばん,ビーチバッグ,買物袋,旅行用衣服かばん,スポーツバッグ,乳幼児用おむつ入れかばん,車付き買い物袋,革製包装用袋,札入れ,財布,カード入れ,アタッシェケース,ブリーフケース,皮革製キーケース,トランク,スーツケース,化粧品収納用ポーチ,携帯用化粧道具入れ,革製小袋,ウェストバッグ」を指定商品として、同23年3月10日に登録査定、同年4月1日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、標準文字で「CHIQUITA」と書してなる構成から「チキータ」の称呼が生じる。

これに対して、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「CHIQUITA」(甲2)及び「チキータ」という周知著名商標(以下、まとめて「使用商標」という。)を有し、使用商標からは「チキータ」の称呼が生じる。

本件商標は、周知著名な使用商標と同一又は類似し、以下のとおり、その指定商品への使用により混同の生ずるおそれがある。

(1)使用商標の周知著名性

申立人は、1870年からバナナの取引を開始し、1944年に世界で初めてバナナに「Chiquita」のブランドを付し、申立人を表示する商標として、使用商標をバナナ、パイナップル等に使用している(甲3)。

日本では、申立人の商品を販売する株式会社ユニフルーティージャパンの前身である極東フルーツ株式会社が1962年に創業して以来、使用商標は、申立人及びその商品を表示する商標として約50年にわたって使用されてきた(甲4)。そして、使用商標は、遅くとも本件商標の出願日である平成22年7月8日までに、申立人の取り扱う商品を表示するものとして周知著名になっていた。

ア バナナ等の売上

申立人に係る商品の日本における総売上は、2006年は約160億円、2007年は約175億円であり、このうち使用商標が使用された商品の売り上げは、全体の94%ほどと非常に高い割合を占めており、使用商標が使用されたバナナ及びパイナップルの売上は、2008年及び2009年にはそれぞれ約200億円、2010年は約160億円となっている。

イ 日本における宣伝広告活動

申立人の取り扱う商品に関しては各種宣伝広告が行われており、その宣伝広告費は、過去5年間で毎年約1億円から4億円である。バナナ及びパイナップルに使用商標が用いられていたことは上記のとおりであり、ポスターやステッカー等にも使用商標を使用した結果、かかる宣伝広告によって、使用商標が需要者に広く認知されたものであることを推認し得るものである(甲5ないし甲18)。

また、2010年10月1日から11月10日及び2011年2月9日から4月10日にかけて行ったプレゼントキャンペーンの際に、申立人の商品が販売されている店舗の陳列棚において、使用商標を表示したポスター等を展示し、インターネット上でのキャンペーン紹介サイトなどにも使用商標を表示した(甲19ないし甲27)。

さらに、申立人の商品であるバナナのラベルに貼付されているバーコードを集めて専用応募はがきで応募すると、オリジナルTシャツやトートバッグが抽選で当たるキャンペーンも、2011年4月19日から5月31日にかけて行われ、店頭では使用商標を表示したポスターを展示していた(甲28、甲29)。

加えて、株式会社ユニフルーティージャパンのウェブサイト(甲30)において視聴できる、使用商標を表示した申立人の商品であるバナナのテレビCMを、2010年9月16日から10月13日にかけて、テレビの視聴率が最も高い時間帯とされる午後7時から午後11時に放送した。

以上より、使用商標は、日本国内で周知著名であることは明らかである。

(2)申立人の商品との混同を生ずるおそれ

上記のとおり、使用商標は、日本全国で広く使用され、周知となっている。また、申立人は、第三者との共同キャンペーンなどの形で販売促進活動を行うことがある。

したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合、かかる商品が申立人の商品であるか、あるいは申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業の営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

2 商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、引用商標が周知著名となった後に出願されたものであり、また、申立人の周知著名商標をそっくりそのまま表記したものである。

したがって、本件商標は、引用商標の顧客吸引力を利用するものであり、又は顧客吸引力を希釈化させる等、不正な目的で使用するものといわざるを得ず、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号について

(1)使用商標の著名性

申立人が提出した甲第3号証ないし甲第30号証によれば、申立人の商品を取り扱う株式会社ユニフルーティージャパンが1962年から使用商標をバナナ及びパイナップルに使用していることが認められる。

しかし、上記証拠には、使用商標が使用されたバナナ及びパイナップルに関する売上高、宣伝報告費、テレビコマーシャルの放送頻度等を具体的に裏付ける証拠はなく、また、使用商標を使用したキャンペーンにしても、本件商標が登録出願された平成22年7月8日後に行われたものと推認し得るものである。

そうすると、使用商標は、本件商標の出願時及び査定時においては、相当程度に多数の需要者・取引者に知られていたということができるが、著名性が著しく高いものであったとはいえない。

(2)本件商標と使用商標との類似性

本件商標は、前記1のとおり、「CHIQUITA」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字は、「チキータ(女性名)」(「研究社新英和大辞典第6版」株式会社研究社発行)を意味する英語ないし「かわいい」等(「小学館西和中辞典」株式会社小学館発行)を意味するスペイン語であり、「チキータ」と発音されるものである。

したがって、本件商標は、「チキータ」の称呼を生じ、「チキータという女性の名、かわいい」の観念を生ずる余地があるといえる。

一方、使用商標のうち、「CHIQUITA」の欧文字からなる商標(以下「使用商標1」という。)も、上記で認定、判断した場合と同様に、「チキータ」の称呼を生じ、「チキータという女性の名、かわいい」の観念を生ずる余地があるといえる。また、使用商標のうち、「チキータ」の文字からなる商標(以下「使用商標2」という。)も、「チキータ」の称呼を生じるものである。

以上によれば、本件商標と使用商標1とは、「チキータ」の称呼及び「チキータという女性の名、かわいい」の観念を共通にし、また、つづりを同じくするものであるから、外観も類似するものであり、また、本件商標と使用商標2とは、「チキータ」の称呼を共通にするものである。

したがって、本件商標と使用商標1及び2とは、類似する。

(3)使用商標の独創性の程度

使用商標1は、上記(2)のとおり、「チキータ(女性名)」を意味する英語ないし「かわいい」等を意味するスペイン語であるから、その独創性は低いものであり、使用商標2も「CHIQUITA」の欧文字から生じる読みを片仮名で表したものといえるから、その独創性の程度は低いといわざるを得ない。

(4)本件商標の指定商品と使用商標の使用に係る商品との関連性

本件商標の指定商品は、前記1のとおり、「皮革及び模造皮革,ハンドバッグ,旅行かばん,リュックサック,通学用かばん,ビーチバッグ,買物袋,旅行用衣服かばん,スポーツバッグ,乳幼児用おむつ入れかばん,車付き買い物袋,革製包装用袋,札入れ,財布,カード入れ,アタッシェケース,ブリーフケース,皮革製キーケース,トランク,スーツケース,化粧品収納用ポーチ,携帯用化粧道具入れ,革製小袋,ウェストバッグ」とするものであって、主に「かばん」のたぐいといえるものである。

一方、使用商標の使用に係る商品は、「バナナ,パイナップル」(甲5、甲6等)である。

してみると、本件商標の指定商品は、中に物を入れて持ち運ぶものであり、ファッションに関連するものをも含むのに対し、使用商標の使用に係る商品は、食用に供するものであるから、両者は、日常的に購入される商品といえる場合があるとしても、その用途を異にするものであり、おのずと需要者も異にするといえるから、密接な関連性を有するといえないものである。

(5)商品の出所の混同を生ずるおそれ

上記(1)ないし(4)を総合して考察すれば、本件商標と使用商標とは、類似性が高いとしても、使用商標の独創性が低く、また、本件商標の指定商品と使用商標の使用に係る商品について関連性を有するとはいえないのであるから、本件商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人の提出に係る証拠によって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用をするものであることを認めることができず、ほかに「不正の目的」をもって使用をするものに該当すると認めるに足りる特段の事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定のその他の要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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