Trademark Appeal Case
結合商標の称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900209(T2011−900209/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5396668号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成22年11月4日に登録出願、第21類「シューツリー,靴べら」及び第25類「革靴,カジュアルシューズ,ブーツ」に属する商標登録原簿に記載の商品役務を指定商品として、平成23年1月28日に登録査定、同年3月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第893081号商標(以下「引用商標」という。)は、「MARC」の文字を書してなり、2005年12月16日にドイツ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006(平成18)年6月13日に国際登録出願され、第25類「Footwear.」を指定商品として、平成20年12月12日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、下記のアないしエにより、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第16号について
本件商標中「Boots」の文字は、その指定商品「ブーツ」を直接的に表すものであるから、「ブーツ」以外の商品に使用するときには、品質の誤認を生ぜしめる。
したがって、本件商標は本号に該当にする。
イ 商標法第4条第1項第11号について
本件商標中「Boots」の文字は、その指定商品「ブーツ」を直接的に表すにすぎないから、本件商標中「Mark」の文字部分が識別標識としての機能を発揮する。そして、当該文字部分に相応して生ずる称呼は、引用商標より生ずる称呼と完全に同一であり、外観においても類似する。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にある。
したがって、本件商標は本号に該当にする。
ウ 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として国内外において広く登録され、使用されるものであるところ、本件商標と引用商標とは、類似の程度の極めて高い商標であって、両商標の指定商品は、互いに同一又は類似の関係にある。また、引用商標は、申立人の社名に倣い、現に、「MARK Shoes」のように使用される場合が多く、本件商標のように、「Mark十履物の一般名称」という構成からなる商標が使用された場合、これに接する取引者又は需要者をして、申立人あるいは同人と資本関係ないしは業務提携関係にある会社の業務に係る商品と混同せしめるものである。
したがって、本件商標は本号に該当にする。
エ 商標法第4条第1項第19号について
アないしウに記した内容に加え、本件商標の「Mark十履物の一般名称」なる構成に係る商標の使用は、引用商標に化体した業務上の信用にフリーライドする意図を否定することをし得ず、また、引用商標の出所表示機能を希釈化するものである。
したがって、本件商標は本号に該当にする。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、別掲のとおり、「Mark」と「Boots」の文字を表してなるところ、両文字は、やや花文字がかった同じ筆記体で表され、語頭「M」からの下線が語尾「s」の下部に延びて、一連にまとまり良く構成された態様のものである。そして、その構成中の「Boots」の文字が、「長靴」の意を有する語であったとしても、「Mark」が「印」の意を有し、それ自体が強い自他商品の識別機能を果たすものとはいい難いこととも相俟って、両語が軽重の差なく一連にまとまり良く表された構成態様の本件商標にあっては、当該「Boots」の文字が商品の品質を表した部分として看取されるというよりも、「Mark」と結合して一連の造語を形成したものとして把握されるというのが相当である。
してみると、本件商標は、特定の商品の品質を認識させるものとはいい難いから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとは認められないものであり、商標法第4条第1項第16号には該当しないと判断されるものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記(1)のとおりの構成態様のものであるところ、構成中「Mark」の文字部分のみが自他商品の識別機能上で支配的印象を与えるものであるとすべき格別の理由はなく、構成文字全体をもって、一体的に構成された一連の造語として把握されるものというのが相当である。また、構成文字に相応した「マークブーツ」の称呼も一気に称呼し得るものである。
してみると、本件商標は、「マークブーツ」の称呼を生じるものであり、単に「マーク」の称呼は生じないというべきである。
一方、引用商標は、「MARC」の文字からなり、これに相応して「マーク」の称呼を生じるものである。
しかして、本件商標と引用商標との類否についてみるに、その称呼「マークブーツ」と「マーク」とを対比しても、構成音数が明らかに相違し、「ブ」「ー」「ツ」の音の有無の明らかな差異によって、彼此相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標の外観構成は明らかに相違し、外観上相紛れるおそれはないものである。
なお、本件商標の構成中「Mark」部分のみが外観上殊更に強く印象されるとはいえないこと前記(1)のとおりであるが、仮に、「Mark」部分と引用商標「MARC」とを対比しても、表示態様の差違及び末尾において字形の異なる「k」と「C」の文字の差違を有することから、明らかに異なる印象を与えるといわざるを得ないものである。
さらに、本件商標と引用商標とは観念について比較することができないものであるから、観念上相紛れる余地はない。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできないものである。
したがって、本件商標は、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によっては、引用商標についての使用実績を全く把握し得ないものであるから、引用商標が需要者の間で広く認識された商標であると認ることはできない。そして、本件商標が引用商標に類似するものとは認められないこと前記のとおりであり、更に本件商標を引用商標と関連付けてみるべき理由はみいだせないから、結局、両商標は、別異の出所を表すものとして看取されるといわざるを得ないものである。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する者が引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難いから、商品の出所について混同するおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
引用商標が需要者の間で広く認識された商標であるとは認められないこと、本件商標が引用商標に類似するものとは認められないこと、上記のとおりであるから、不正の目的等本号に係る他の要件事実に論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとは認められないものである。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第16号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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