Trademark Appeal Case
称呼類似と外観非類似の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900231(T2011−900231/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5402122号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成22年3月31日に登録出願、第9類「プロジェクター用レーザーポインター」を指定商品として、同23年2月24日に登録査定、同年4月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)本件商標は、別掲1に示したとおり、「TATA」の欧文字と、円を組み合わせた図形から成るものである。
これに対して、引用標章は、甲第3号証ないし甲第5号証(別掲2)に示されるとおり、「TATA」の欧文字を図案化したものと図形の組み合わせから成るものである。
本件商標と引用標章を称呼において比較してみると、本件商標は、その構成中の「TATA」の英文字に相応して「タタ」の称呼を生じるものであり、引用標章は、その構成中の「TATA」の英文字を図案化したものに相応して「夕夕」の称呼を生じるものである。
したがって、本件商標と引用標章は、その称呼において同一のものであり、類似する商標であるから、この称呼の同一による商標の類似により、本件登録商標は、引用標章と出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
(2)申立人は、インドで最大の複合企業体であるタタ・グループに属する企業である。
引用標章は、タタ・グループの商標として、世界中で使用されてきているものであり、そのグループに属する申立人及び申立人の一部門としてスタートしたIT企業である、タタコンサルタンシーサービシズ(以下「TCS」という。)の商標としても使用されてきているものである。
TCSは、申立人の一部門として1968年に設立以来、売上、規模共に、インド国内でトップであり、全世界55力国に事業所を展開しており、世界中の企業や政府組織など、700社以上にサービスを提供しているものであり、現在では、ワールドワイドのITコンサルティング企業の中で、売上高トップ12位にランクされているものである。
我が国においても、タタコンサルタンシーサービシズジャパン株式会社(以下「TCSジャパン」という。)により、事業を展開しているものである。
TCSジャパンは、IT関係に関するコンサルティング、コンピューターソフトウェアの企画、開発、販売等の事業を行っているものであり、それらの役務に引用標章を使用しているものである。
そして、これらの役務は、本件商標の指定商品と近接する分野のものであるから、本件商標をその指定商品に使用すると、引用標章と出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用標章の類否について
本件商標は、別掲1のとおり、青色の円図形の中央に白抜きで「TATA」の欧文字を表し、該図形の右上方に青色と重なる部分を白抜きにし、その他を草色で小さな円を配した構成よりなるものであり、その構成中の「TATA」の欧文字に相応して、「ティーエイティーエイ」若しくは「タタ」の称呼を生じ、特定の語義を有しない造語であって、特定の観念は生じないものである。
一方、引用標章は、別掲2のとおり、水色の楕円中に白抜きで下方から2本の鉤状図形が左右に分かれて描かれた図形と、図案化されてはいるものの、水色で「TATA」の欧文字を表したものと認識できる部分とにより構成されているところ、これより、「ティーエイティーエイ」若しくは「タタ」の称呼を生じ、特定の語義を有しない造語であって、特定の観念は生じないものである。
そこで、本件商標と引用標章とを対比してみるに、本件商標と引用標章とは、いずれも「ティーエイティーエイ」若しくは「タタ」の称呼を共通にするとはいえ、特定の意味合いを生ずることのない造語であることから 、互いに特定の観念は生じないものであり、また、外観においては、その構成前記したとおりであることから、両者の外観は著しく相違するものである。
そうとすれば、本件商標と引用標章とは、称呼において共通にするところがあるとしても、観念において比較することができないものであり、外観においては全く非類似のものというのが相当である。
したがって、これらを総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用標章とは、称呼の共通性を凌駕するほどに外観上著しく相違するものであって、両者は互いに十分に区別して把握・認識し得る全く別異のものということができる。
(2)出所の混同のおそれについて
上記(1)のとおり、本件商標と引用標章は、全く別異のものであるばかりでなく、申立人の提出にかかる甲各号証によれば、申立人は、インド最大の企業であるタタ・グループに属し、さらに、申立人の一部門としてスタートしたIT企業のTCSの商標として使用され、我が国においては、TCSの日本法人であるTCSジャパンにより、IT関係の事業を展開していることが窺い知ることができる(甲第3号証)ものの、申立人らが、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国においてIT関係に引用標章を使用している個別具体的な証拠は見あたらず、また、広告費や売上高を裏付ける証拠等の提出もないから、その使用の実績等を把握することができず、「TATA」を含む商標が申立人に係る役務を表示するものとして需要者の間で広く認識されるに至っていたとは認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品「プロジェクター用レーザーポインター」に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用標章を想起、連想するものとは認められず、当該商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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