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Trademark Appeal Case

結合商標の要部と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900236(T2011−900236/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5402261号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5402261号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年9月2日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・CD−ROM・DVD−ROM及びその他の記録媒体,電子計算機用プログラム,録音済みのコンパクトディスク」を指定商品として、同23年2月21日に登録査定、同年4月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のアないしエのとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第4492797号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CLONECD」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年7月21日に登録出願、第9類「電線及びケーブル,映画機械器具,電話機械器具,音声周波電送機械器具,その他の搬送機械器具,音声周波機械器具,映像周波機械器具,電気通信機械器具の部品,その他の電気通信機械器具,レコード,プリンター,電子応用感熱式複写機,電子応用静電複写機,未記録のフロッピーディスク及びその他の記録媒体,電子計算機用データ・プログラム入りのフロッピーディスク及びその他の記録媒体,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路,磁気ディスク,磁気テープその他の周辺機器を含む),電子応用機械器具の部品,その他の電子応用機械器具」を指定商品として、同13年7月19日に設定登録されたものである。

イ 登録第4713716号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CloneDrive」の欧文字を書してなり、2002年(平成14年)11月13日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年4月9日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年9月26日に設定登録されたものである。

ウ 登録第4725101号商標(以下「引用商標3」という。)は、「elby CloneDVD」の欧文字を書してなり、2002年(平成14年)8月29日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年2月24日に登録出願、第9類「DVDプレーヤー,コンピュータプログラムを記憶させたDVD,DVDドライブを搭載したコンピュータ,DVDドライブ,録画済みDVD」を指定商品として、同年11月7日に設定登録されたものである。

エ 登録第4899815号商標(以下「引用商標4」という。)は、「CloneTV」の欧文字を書してなり、2003年(平成15年)12月9日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成16年5月7日に登録出願、第9類「テレビプログラムをデータファイルとしてDVDなどの記録媒体に録画・保存・書込するためのコンピュータソフトウェア,テレビプログラムのデータフ ァイルを携帯電話・ラップトップ型コンピュータ・その他モバイルコンピュータに転送するためのコンピュータソフトウェア」を指定商品として、同17年10月7日に設定登録されたものである。

なお、以下、これらのアないしエをまとめていうときは、「引用商標」という。

(2)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、欧文字で「DVDCLONE」と書してなり、その構成中の「DVD」の3文字は、その指定商品との関係において「デジタル多目的(ビデオ)ディスク。」を意味する普通に用いられる文字列である(甲第6号証)。したがって、本件商標をその指定商品中、DVD以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の構成中「DVD」は、指定商品との関係において「デジタル多目的(ビデオ)ディスク。」を意味する普通に用いられる文字列であるところ、この「DVD」を除く「CLONE」の文字列が、本件商標の自他商品の識別力を発揮する要部である(甲第6号証)。

そうすると、本件商標からは、「ディーブイディークローン」の他、「クローン」の称呼及び観念をも生ずる(甲第1号証)。

これに対し、引用商標1は、欧文字「CLONECD」よりなり、その構成中「CD」は、指定商品との関係において「コンパクトディスク。」を意味する普通に用いられる文字列であるので、これに照応した「クローンシーディー」の他、「クローン」の称呼及び観念が生ずる(甲第2号証)。

引用商標2は、欧文字「CloneDrive」よりなり、その構成中「Drive」は、指定商品との関係において「補助記憶用ディスクの駆動装置。」を意味する普通に用いられる文字列であるので、これに照応した「クローンドライブ」の他、「クローン」の称呼及び観念が生ずる(甲第3号証)。

引用商標3は、欧文字「e1by CloneDVD」よりなり、「e1by」と「CloneDVD」との間には字間があり、「DVD」は、指定商品との関係において「デジタル多目的(ビデオ)ディスク。」を意味する普通に用いられる文字列であるから、「CloneDVD」に照応した「クローンディーブイディー」の他、「クローン」の称呼が生ずる(甲第4号証)。そして、本件商標と引用商標3から生ずるこれらの称呼は、全ての音が共通する。したがって、それぞれの各称呼を比較すると、「ディーブイディークローン」と「クローンディーブイディー」とでは、「ディーブイディー」と「クローン」の単純な倒置であり、「クローン」と「クローン」とでは、完全な一致である。また、双方とも「デジタル多目的(ビデオ)ディスク。」を意味する「DVD」と「一つの細胞または個体から、受精の過程を経ず、細胞分裂を繰り返すことによって生ずる細胞群または個体。」を意味する「CLONE」との組み合わせで、単に前後で入れ替わっているに過ぎないから、全体としては「クローンのデジタル多目的ディスク。」という同一の観念が生ずる。

引用商標4は、欧文字「CloneTV」よりなり、その構成中「TV」は、指定商品との関係において「テレビ。」を意味する普通に用いられる文字列であるので、これに照応した「クローンテレビ」の他、「クローン」の称呼及び観念が生ずる(甲第5号証)。

そして、本件商標と引用商標は、その指定商品が同一又は類似である。

したがって、本件商標は、引用商標と称呼及び観念において明らかに類似の商標であり、その指定商品は需要者・取引者が共通する以上、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずることが明らかである。

(4)むすび

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、ややデザイン化された「DVDCLONE」の欧文字を横書きしてなるところ、各構成文字は、同じ書体、同じ大きさでそれぞれ外観上まとまりよく一体的に表されたものと認識されるものであり、かかる構成文字から生ずる「ディーブイディークローン」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、その構成文字中、前半の「DVD」の語が「digital versatile (video) disc」の略語であるとしても、後半の「CLONE」の語も、指定商品のとの関係において、「既存の有機体の一部から作られた同一の複製.コンピュータの分野では,より知名度の高い高価なマシンと同一のマイクロプロセッサを内蔵し,これと同一のプログラムを実行すると,似た動作をするコンピュータをいう.(日外アソシエーツ株式会社発行 英和コンピュータ用語大辞典 第3版)」の意味を有するものであって、いずれの語も、決して強い識別力を有する語とはいい難いものである。

しかしながら、これらが結合した本件商標は、全体として、特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標からは「ディーブイディークローン」の称呼のみが生ずるというべきである。また、他に、構成中の「CLONE」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。

そうとすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ディーブイディークローン」の称呼のみを生ずるものというべきであるから、本件商標から単に「クローン」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。その他、本件商標と引用商標とが外観及び観念において相紛れるおそれがあるとすべき点は、見いだせない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第16号について

上記したとおり、本件商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語と認められるものであるから、本件商標は、これをその指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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