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Trademark Appeal Case

ロット番号と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900292(T2011−900292/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5412522号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5412522号商標(以下「本件商標」という。)は、「A2H」の文字を横書きしてなり、平成22年2月1日に登録出願、第3類、第29類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年3月25日に登録査定、同年5月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、欧文字及び数字で「A2H」と横書きしてなるものである。

しかるに、本件商標とその指定商品との関連を鑑みるに、化粧品等の指定商品を管理するため、一定数量ごとに付けられた管理番号、すなわち「ロット番号」が薬事法の規定により製品に記載することが義務付けられている。「ロット番号」は、簡単な数字、欧文字を数文字適宜組み合わせて作成されるのが一般的であり、本件商標のような単に欧文字2字及び数字を組み合わせた標章が商品に付記されていた場合、「ロット番号」のように単に商品の記号、符号を表すものと認識されるにすぎないものである。

すなわち、本件商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標にすぎないものであることから、商標法第3条第1項第5号に該当するものである。

以上の理由により、本件商標は、その指定商品中「化粧品」については、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、上記1のとおり「A2H」の文字を横書きしてなるものである。

そして、本件商標は、欧文字2字と数字からなるものであるとしても、欧文字、数字及び欧文字の組合せからなる構成にあっては、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章であるということはできない。

登録異議申立人は、本件商標は、ロット番号のように単に商品の記号、符号を表すものとして認識されるにすぎないと主張し、甲第1号証ないし甲第8号証を提出しているが、提出された証拠によれば、本件商標と同様の欧文字、数字及び欧文字の組合せがロット番号に使用されていることが認められる。

ところで、化粧品には、薬事法の規定により、ロット番号などの「製造番号又は製造記号」を記載することが義務付けられている。このロット番号は、一般に、製造業において、まとめて同種の製品を生産する場合の生産単位ごとに付与される番号であり、製造業者により品質管理等の目的で使用されるものであるが、事件や事故などが発生したときにこの番号が参照される場合もあるものである。

そして、このようなロット番号は、上記目的のために付与されるものであり、商品の品質、等級等を表すものではないから、商品カタログや商品の説明などの通常の商品取引上の指標として用いられるものではなく、また、容器の底面など、目立たない場所に記載されているのが一般的であるから、ロット番号が商品に表示されているとしても、化粧品を購入する需要者が、通常、このようなロット番号に着目するものではない。

しかも、ロット番号は、製造場所や時期を特定するために製造業者が任意で付与するものであるから、欧文字や数字又はこれらを様々に組み合わせて使用されるものであり、本件商標と同様の欧文字、数字及び欧文字の組合せが多く用いられているというものではない。

そうとすれば、たとえ本件商標と同様の欧文字、数字及び欧文字の組合せが化粧品に付与されるロット番号として使用されていることがあるとしても、本件商標に接する需要者が、本件商標を上記ロット番号の一類型であると認識するとはいえず、上記組合せからなる本件商標が極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ということはできないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用しても、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標とはいえないものであり、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものではない。

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第5号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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