Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900328(T2011−900328/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5416972号商標(以下「本件商標」という。)は、「イネファイター」の片仮名を標準文字で書してなり、平成23年1月21日に登録出願、第1類「植物成長調整剤類,水耕栽培用植物調整剤,土壌安定剤,植物用培土,農業などで肥料の代替物として使用する植物育成用培土,播種・初期育苗用培土」及び第44類「雑草の防除,雑草の除去・防除及びこれらに関するコンサルティング・情報の提供,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。)に関する情報の提供,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。)の媒介又は取次ぎ,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,庭園・花壇・植木等の植栽に関する助言・情報の提供,肥料の散布,肥料の散布及びこれに関するコンサルティング・情報の提供,植物の育成及びこれに関するコンサルティング・情報の提供,植物の栽培管理,動物の飼育,植木の貸与,植木の貸与に関する情報の提供,植木の貸与の媒介又は取次ぎ,農作業用機械器具の貸与,農作業用機械器具の貸与に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同年5月23日に登録査定、同年6月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5122977号商標(以下「引用商標」という。)は、「ファイター」の片仮名と「FIGHTER」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年10月31日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同20年3月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 本件登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成中に「イネ科の一年草」を意味する「稲」(甲第3号証及び甲第4号証)を直観させる「イネ」の文字を有すること明らかであるから、これを「イネ」の文字に照応する商品、例えば「稲用植物成長調整剤類」以外の商品に使用するときは、該商品があたかも「稲用植物成長調整剤類」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。また、これを「イネ」の文字に照応する役務、例えば「稲の防除、稲の防除に関するコンサルティング、稲の防除に関する情報の提供」以外の役務について使用するときは、該役務があたかも、「稲の防除、稲の防除に関するコンサルティング、稲の防除に関する情報の提供」であるかの如く役務の質について役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり、「稲」を直ちに理解させる「イネ」の文字と「戦う人、戦士、闘士」等を意味する語として親しまれている「ファイター」の文字から、これに接する取引者・需要者は、「イネ」の文字部分を漢字の「稲」と理解し、これを例えば、「植物成長調整剤類」に使用するときは、当該商品が稲用の商品であるかの如く捉えられ、単に商品の用途を表示するものと認識するものである。
してみると、本件商標は、その構成中の「ファイター」の文字部分に自他商品の識別標識としての機能を有するものとして理解・認識されるものであるから、その全体より生ずる「イネファイター」の称呼のほかに「ファイター」の文字部分より「ファイター」の称呼及び「戦う人、戦士、闘士」の観念が生ずる。
一方、引用商標は、「ファイター」の片仮名と「FIGHTER」の欧文字より「ファイター」の称呼及び「戦う人、戦士、闘士」の観念が生ずること明らかである。
したがって、本件商標と引用商標は、「ファイター」の称呼及び「戦う人、戦士、闘士」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、本件商標は、商標第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「イネファイター」の片仮名を同書、同大、等間隔にまとまりよく一体に表されてなるものであって、これより生ずると認められる「イネファイター」の称呼も格別冗長にわたるものではなく、一連に無理なく称呼し得るものである。
そして、申立人の主張のごとく、本件商標の構成中の「イネ」が「稲」の意味を認識させることがあるとしても、前記のとおり「イネファイター」の文字を一体に表してなる本件商標にあっては、その構成全体が一体のものとして認識されるとみるのが自然であり、これを殊更「イネ」の文字部分と「ファイター」の文字部分とに分離し、「ファイター」の文字部分のみを抽出し称呼、観念すべきものとはいえない。
そうとすれば、本件商標より「ファイター」の称呼及び「戦う人、戦士、闘士」の観念をも生ずるとし、そのうえで本件商標と引用商標とが称呼及び観念上類似であるとする申立人の主張は、採用することはできない。
また、他に本件商標と引用商標とが類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
上記(1)のとおり、本件商標は、前半の「イネ」と「ファイター」の各語に分離して把握すべき理由はなく、一体不可分のものとして把握すべきものであるから、これをいずれの商品及び役務に使用しても、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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