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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900321(T2011−900321/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5416103号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5416103号商標(以下「本件商標」という。)は,「浸透シナジー」の文字を標準文字により表してなり,平成20年8月8日に登録出願,第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,平成23年2月15日に登録審決,同年6月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも,現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2465167号商標(以下「引用商標1」という。)

「シナジー」の文字からなり,平成2年3月2日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成4年10月30日に設定登録され,その後,平成15年7月23日に,指定商品を第1類,第2類,第3類,第4類,第5類,第8類,第9類,第10類,第16類,第19類,第21類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。

(2)登録第5130560号商標(以下「引用商標2」という。)

「シナジーエックス」,「シナジーX」及び「SYNERGY-X」の各文字の三段書きからなり,平成19年9月26日に登録出願,第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成20年4月18日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由の要点

本件商標は,「浸透」の文字部分と「シナジー」の文字部分の文字種が異なるために各構成文字が商標全体に埋没することなく認識されるので,全体観察の他,各構成文字についての部分観察も行われるべきである。

そして,「浸透」は,指定商品「薬剤」について「薬剤中に含まれる成分が患部等にしみこむ」ことを意味する語であって,商品の品質等を表示する語として普通に使用されているため,自他商品識別力が無いか,極めて弱いと考えられるため,本件商標の要部とはいえない。これに対して「シナジー」は,「共働作用。相乗効果」を意味する語であるので,造語ではないものの指定商品との関係で商品の品質等の表示に当たらず,本件商標の要部と考えられる。

したがって,本件商標からは,商標全体から生じる「シントウシナジー」の称呼の他,「シナジー」の称呼も生じる。

一方,引用商標1は,その構成文字から「シナジー」の称呼と上記の観念を生じる。また,引用商標2は,その構成から「シナジーエックス」の称呼を生ずるが,称呼全体に大きな影響を及ぼす語頭の4音が本件商標から生ずる「シナジー」と同一である。

したがって,本件商標は,引用商標1と「シナジー」の称呼と「共働作用。相乗効果」を共通するものであり,また,引用商標2と「シナジー」の称呼称を共通にする類似の商標であって,その指定商品も同一又は類似するものである。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり,取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標1及び2との類否について

本件商標は,「浸透」の漢字と「シナジー」の片仮名を結合した商標であって,標準文字からなる「浸透シナジー」の文字は,同一の大きさで,等間隔にまとまりよく一体的に表され,漢字部分と片仮名部分との間に切れ目もない。また,その構成文字全体から生ずる「シントウシナジー」の称呼も無理なく一気に称呼し得るものである。

そして,申立人の主張のごとく,本件商標の構成中の「浸透」が,本件商標の指定商品である「薬剤」との関係において,「薬剤中に含まれる成分が患部等にしみこむ」との意味を認識させることがあるとしても,前記のとおり,「浸透シナジー」の文字を一体的に表してなる本件商標の構成にあっては,その構成全体が一体のものとして認識されるとみるのが自然であり,これを殊更「浸透」の文字部分と「シナジー」の文字部分とに分離し,「シナジー」の文字部分のみを抽出して称呼,観念すべきものとはいえない。

この点に関し,申立人は,「浸透」が「薬剤中に含まれる成分が患部等にしみこむ」との意味の語として普通に使用されているものであるとして,甲第5号証ないし甲第10号証を提出しているが,これらに示される「浸透」の事例は,「・・浸透殺菌し、」「浸透力が高い・・」,「・・にすばやく浸透して・・」などのように,他の文字と結合し,薬剤の効能などについての説明として使用されているものであるから,これらの事例の存在をもって,本件商標中の「浸透」の文字部分を切り離して観察しなければならないとする合理的理由とはならない。そして,他に,本件商標中の「シナジー」の文字部分のみが独立して把握,認識されるとみるべき特段の理由も見あたらない。

してみれば,本件商標は,「シントウシナジー」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。

したがって,本件商標から「シナジー」の文字部分のみを分離,抽出し,これを前提にして,本件商標と引用商標1及び2とが,「シナジー」の称呼及び「共働作業。相乗効果。」の観念において類似するとする申立人の主張は,前提において誤りがあり,採用することができない。

その他,本件商標と引用商標1及び2とを類似の商標とみるべき理由は見いだせない。

以上によれば,本件商標と引用商標1及び2とは,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(2)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。

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