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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−685006(T2011−685006/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1032318号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件国際登録第1032318号商標(以下「本件商標」という。)は、「FIPROLINE」の欧文字を横書きしてなり、2010年(平成22年)4月15日に国際商標登録出願(事後指定)、同年10月20日に登録査定がされ、第5類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月17日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標

申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、「FRONTLINE」の欧文字を標準文字で表してなり、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4316958号商標(以下「引用商標」という。)であり、現に有効に存続しているものである。

(2)本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とは、いずれも欧文字9文字を横書きしてなるものであり、語頭の「F」及び後半の「LINE」の各文字を、その順列も含め、同じくするものであり、また、相違する第2文字ないし第5文字についても、「R」及び「O」の各文字を共通にし、さらに、「I」と「T」の文字も外観上紛らわしい態様である。

そうすると、両商標を時と所を異にして見る、いわゆる離隔的観察をしたときは、上記差異が商標の認識全体に与える影響は相対的に少ないものといわざるを得ず、これに、後述する引用商標の我が国における周知性をも併せ考慮すれば、本件商標と引用商標とは、相互に類似する商標であり、また、両者の指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)請求人は、1997年(平成9年)にサノフィーアベンテス社及び米メルク社との合弁企業として設立された、家畜及びペットの健康と生産性の向上のために動物用医薬品等を製造する企業であって、世界150か国以上で製品を販売しており(甲第3号証)、我が国においては、1997年(平成9年)9月2日に「メリアル・ジャパン株式会社」(以下「メリアル・ジャパン」という。)を設立し、動物用の医薬品やワクチン等を提供している(甲第4号証)。

(2)引用商標は、1994年(平成6年)に発売されたペット用の害虫駆除剤の商標として使用されていたものを申立人が設立時に受け継いだものである。該製品は、画期的な成分である「FIPRONIL(フィプロニル)」を主成分とするものであって、ノミ・マダニの成虫に対する効果が持続し、卵の孵化を阻害し、月一度程度の定期的な投与で再寄生を防ぐことが可能な画期的なものであり、その後の精力的な宣伝広告及び営業活動の結果、現在、113か国以上の約2億匹の犬猫に使用され、ノミ・ダニ駆除剤の世界シェアで第1位となっている。

(3)引用商標及びその片仮名表示は、我が国においては、1997年(平成9年)2月13日に使用を開始し、その後も継続して使用している。製品のラインナップには、「FRONTLINE SPRAY(フロントラインスプレー)」(1997年(平成9年)2月発売)、「FRONTLINE SPOT ON DOG(フロントライン スポットオン ドッグ)」及び「FRONTLINE SPOT ON CAT(フロントライン スポットオン キャット)」(1998年(平成10年)2月発売)並びに「FRONTLINE PLUS DOG(フロントライン プラスドッグ)」及び「FRONTLINE PLUS CAT(フロントライン プラスキャット)」(2003年(平成15年)9月発売)がある(甲第5号証ないし甲第9号証。以下これらの製品を「申立人製品」という。)。

(4)メリアル・ジャパンは、動物病院におけるセミナーやディテーリング活動を通じて、申立人製品に関する最新情報を獣医師に提供している。また、各種学会等において、展示ブースの設置、新製品発表会及び販売キャンペーンの定期的な開催を実施している(甲第10号証ないし甲第13号証)。さらに、2005年(平成17年)から、申立人製品に係るテレビコマーシャルを積極的に行っている(甲第14号証ないし甲第24号証)。

(5)申立人及びメリアル・ジャパンによる継続的かつ積極的な広告宣伝及び営業活動の結果、引用商標は、「動物用害虫駆除剤,その他の動物用薬剤」の分野において、本件商標の登録出願時はもとより、その国内登録時においても周知・著名となっていたものである。

そして、上述のように、引用商標「FRONTLINE」とその成分である「FIPRONIL」とは密接な関係を有しており、本件商標は、申立人の商品のみが含有している成分である「FIPRONIL」の前半部分と引用商標「FRONTLINE」の後半部とを、いいとこ取りした格好で結合した態様である。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品があたかも申立人の商品又は申立人と密接な関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 むすび

上記のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記第1のとおり、「FIPROLINE」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている成語ではないことから、特定の観念を生ずることのない造語からなるものと認められ、その構成文字に相応する「フィプロライン」の称呼を生ずるものというのが相当である。

他方、引用商標は、前記第2のとおり、「FRONTLINE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「(ある分野における)最前線の」等の意味を有する英語であり、「フロントライン」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、その文字構成において、語頭の「F」の文字及び後半部の「LINE」の文字を同じくするものの、左から2文字目ないし5文字目の間において、各々、「I」と「R」、「P」と「O」、「R」と「N」及び「O」と「T」という明らかな差異を有するものであることからすれば、外観上、これらが互いに紛れるおそれはないものである。

次に、本件商標から生ずる「フィプロライン」の称呼と引用商標から生ずる「フロントライン」の称呼とを比較すると、両者は、語頭音を含む前半部において、「フィプロ」と「フロント」の音の差異を有するものであるから、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはないものである。

さらに、本件商標は、上記のとおり、特定の観念を生ずることのない造語からなるものであるから、観念において、引用商標との比較をすることはできないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人は、申立人製品に関する最新情報をセミナー等を通じて獣医師に提供すると共に、各種学会等における展示ブースの設置、新製品発表会や販売キャンペーンの定期的開催により、引用商標の知名度向上を図っている旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠によれば、上記獣医師向けの製品情報提供や展示ブースの設置等を行ったことを裏付ける具体的なものは何ら見当たらず、販売キャンペーンについても、2006年(平成18年)3月ないし6月及び翌2007年(平成19年)の同時期に、獣医師等を対象とする活動が行われたことがうかがわれるにすぎず(甲第10号証ないし甲第13号証)、しかも、該活動の対象となった具体的な地域や人数等は不明である。

また、申立人は、申立人製品について、テレビコマーシャルを積極的に行っているとしているが、2005年(平成17年)に行ったとされるテレビコマーシャル(15秒)の映像中に表示された文字は「フロントライン プラス」の片仮名であり(甲第14号証)、その後も、いかなる内容のテレビコマーシャルが放映されたか不明である(甲第15号証ないし甲第24号証)。

その他、申立人の提出に係る証拠のいずれを見ても、引用商標が、申立人の業務に係る製品「犬猫ノミ・マダニ駆除剤」について使用され、本件商標の登録出願日に既に需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる証拠は見いだせない。

そうすると、引用商標が、申立人の業務に係る製品「犬猫ノミ・マダニ駆除剤」について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとまでは認められないものである。

そして、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標又は申立人を連想、想起するようなことはなく、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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