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Trademark Appeal Case

ラクトバチルス商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−19495(T2010−19495/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第29類及び第31類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年6月29日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における平成22年3月2日付け手続補正書により、第1類「植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を含有する肥料,粉末状・粒状・顆粒状・液体状・ペースト状・錠剤状・ソフトカプセル状の加工食品を製造するための乳酸菌末であって植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌末,その他の加工食品製造用乳酸菌末であって植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌末」、第29類「植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を主成分とする粉末状・粒状・顆粒状・液体状・ペースト状・錠剤状・ソフトカプセル状の加工食品」及び第31類「植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を含有する飼料,植物由来の蛋白質を含む培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を含有する混合飼料」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ラクトバチルスファ−メンタム植物性培地』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、指定商品の分野では、植物性の培地で培養したラクトバチルスファーメンタムの乳酸菌が利用されている状況にあるので、これをその指定商品中、植物性の培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を含有する商品に使用しても、『植物性の培地で培養されたラクトバチルスファーメンタム乳酸菌を含有するもの』と理解させるにとどまり、単に、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲記載の事実を発見したので、それを商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

(1)ウェブサイトからの情報について

証拠調べ通知書に記載されたウェブサイト情報は、すべて、個人のサイトを含む私的なサイトであって、そのウェブサイトには、掲載日付、内容の同一性等の信頼性を推定できるような情報はなく、証拠調べ通知書においてもこの信頼性を担保できるような記載はない。

したがって、ウェブサイト情報は、証拠性が著しく低く、本審理に採用されるべき情報ではない。

(2)「植物性培地」の文字について

「植物性培地」は単なる造語であって、指定商品との関係で意味するところはない。

本願商標は、その指定商品に関する取引者・需要者間において一般的に普通名称として使用されたり、認識されていたものではないことは明白である。また、本願商標又は「植物性培地」の語は、本願出願人(関係者を含む)が、出願人の商品に関連して使用され、ある程度広く認識されるに至ったものである。

したがって、「植物性培地」がどのような意味を有するのかについて明らかにされておらず、その取引者・需要者間において、本願の指定商品のどのような品質を表示しているのか理解することができない。

(3)指定商品の「品質」、「効能」、「用途」等を間接的に表示する商標について

「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」及び「植物性培地」の語が辞典等に掲載されていたことを認めるに足りる証拠はないから、「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」及び「植物性培地」の語は、日本語として一般的に用いられている語とまでいうことはできず、本願の指定商品の品質等を暗示ないしは間接的に表示するものとはいえても、直接的に表示したものとまでいうことはできない。

また、「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」及び「植物性培地」の表記が本願の指定商品に用いられた例が出願人及びこの関係者(購入者を含む)以外に存したとは認める証拠もない。

そうすると、本願商標がその取引者・需要者間において、本願の指定商品のどのような品質を表示しているのか理解することができない。

したがって、たとえ、本願商標が「植物性の培地で培養したラクトバチルスファーメンタムの乳酸菌」との意味に暗示できるとしても、「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」が一義的に商品の品質等を表示するものであるとはいえない。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「ラクトバチルスファーメンタム植物性培地」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ラクトバチルスファーメンタム」の文字は、乳酸菌の一種を表す語であり、該乳酸菌は、いわゆる健康食品等の原材料としても一般に使用されているものである(別掲1参照)。

同じく、「植物性培地」の文字についてみるに、「培地」にはその原材料等により様々な種類があるところ、その中には植物由来の原材料によるものも含まれており、そのような培地であることを表す際に、「植物性培地」の語が用いられる場合がしばしばあることからすれば、該文字からは、容易に「植物由来の原材料による培地」程の意味合いを認識するというのが相当である(別掲2参照)。

そして、乳酸菌の培養にあたっては、植物由来の原材料による培地を用いることが一般に広く行われているというのが実情である(別掲3参照)。

以上を踏まえて本願商標をみるに、上記のとおり、その構成中の「ラクトバチルスファーメンタム」の文字部分は、乳酸菌の一種を表してなる語であり、同じく、「植物性培地」の文字部分は、培地の種類を表したものとして認識され得る語であることからすれば、本願商標は、看者をして、容易に乳酸菌名とそれを培養した培地名との組み合わせからなるものとして看取、把握され、その構成全体をもって、「植物由来の原材料による培地で培養したラクトバチルスファーメンタム乳酸菌」程の意味合いを表したものとして理解し、認識される場合も決して少なくないというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「植物由来の原材料による培地で培養したラクトバチルスファーメンタム乳酸菌」又はそれを用いた商品であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「ウェブサイト情報は、証拠性が著しく低く、本審理に採用されるべき情報ではない。」旨主張する。

しかしながら、当審が証拠調べ通知において示したウェブサイトの掲載情報は、該通知を行う直前に、特許庁においてインターネットに接続して入手した情報に基づくものであるところ、該情報は、企業を含む複数の者により掲載されたものであり、その内容は、それらの者の取り扱いに係る商品の紹介や宣伝等を含むものであって、掲載者がその内容を改変しなければならない理由はなく、また、改変されたことをうかがわせる証拠も何らない。

イ 請求人は、「本願商標は、その指定商品に関する取引者・需要者間において一般的に普通名称として使用されたり、認識されていたものではないことは明白である。また、本願商標又は『植物性培地』の語は、本願出願人(関係者を含む)が、出願人の商品に関連して使用され、ある程度広く認識されるに至ったものである。」旨主張する。

しかしながら、請求人の主張を認めるに足る証拠を見いだすことはできず、また、本願商標は、前記(1)のとおり、乳酸菌名である「ラクトバチルスファーメンタム」の文字と該乳酸菌を培養した培地名である「植物性培地」の文字とを組み合わせてなり、その構成全体から容易に「植物由来の原材料による培地で培養したラクトバチルスファーメンタム乳酸菌」程の意味合いを理解、認識させるものであって、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものであるから、その指定商品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

そして、本願商標を構成する各文字が全体として一般的に使用されていないとしても、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年9月4日判決(平成12年(行ケ)第76号)参照)から、本願商標が商品の品質を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。

ウ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、該登録例は、商標の構成及び指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、該商標の構成態様と指定商品との関係とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものである。

エ したがって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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