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Trademark Appeal Case

油性ゲルの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−2047(T2011−2047/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「油性ゲル」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,ばんそうこう,粘着包帯,包帯,医療用シート状粘着テープ,その他の医療用粘着テープ,医療用テープ」を指定商品として、平成20年11月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『油性でゲル状のもの』との意味合い以外を認識させない『油性ゲル』の文字を標準文字で表してなるから、これを本願の指定商品中、前記意味合いに相応する商品、例えば『油性でゲル状の薬剤』に使用しても、単に商品の品質、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「油性ゲル」の文字よりなるところ、その構成中「油性」の文字は、「油のもつ性質。油に溶けやすい性質を持っていること。」の意味を有し、「ゲル」の文字は、「コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの。」の意味を有する(それぞれ、「広辞苑第六版」より。:株式会社岩波書店)ものである。

そして、これらの文字は、一般によく知られている語であって、医薬品などの商品である「薬剤」との関係からすれば、「油性でゲル状のもの」という程の意味合いを容易に理解させるものである。

また、薬事法第41条第1項に基づき厚生労働大臣が告示している医薬品の性状及び品質の適正を図るための「第十六改正 日本薬局方」において、「製剤総則」の「[2]製剤各条」の項目中には、「11.6.ゲル剤」(Gels)の項に、「(1)ゲル剤は,皮膚に塗布するゲル状の製剤である.本剤には,水性ゲル剤及び

油性ゲル剤

がある.(2)本剤を製するには,通例,次の方法による.(i)水性ゲル剤は,(省略).(ii)

油性ゲル剤は,有効成分にグリコール類,高級アルコールなどの液状の油性基剤及びそのほかの添加剤を加えて混和する.

」と記載がある(厚生労働省のホームページ「第十六改正 日本薬局方」より。http://jpdb.nihs.go.jp/jp16/)。

そうとすれば、「日本薬局方」によって、医薬品の性状及び品質の適正を図るための用語として「油性ゲル剤」の語が用いられていることからすれば、本願商標を構成する「油性ゲル」の文字は、上記した「油性でゲル状のもの」という程の意味合いを表すものというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品ついて使用しても、「油性でゲル状の薬剤」等の商品であることを容易に理解、認識させるものであって、その商品の品質を表示してなるにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、かつ、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

なお、請求人は、「『ゲル』の語は、『ゲル状の』の意味以外に『モンゴル遊牧民の組立式家屋』や『金銭、かね』の意味も有することが明らかであり、また、インターネットでは、特に『モンゴル遊牧民の組立式家屋』の意味を有するものが多数索出される。以上より『ゲル』という語はさまざまな意味で用いられる多義語であり、『油性ゲル』の『ゲル』から一義的に『ゲル状の』との意味合いを認識するとまではいえない。本願商標の「ゲル」の意味合いについては特定の意味合いを有していない。また、『油性ゲル』の言葉は出願人による造語である。たとえ指摘のような意味に解したとしても、いろいろな意味に解することがきる中で、そうとも解することができるという程度で、全ての需要者が一律にそのように解するとまではいえない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標は、上記したとおり、「ゲル」の前の「油性」の文字との関係よりすれば、全体として「油性でゲル状のもの」との意味合いが生じるものであるから、記述的に表された商標であって、特定の意味合いを理解することのできない一種の造語を表しているとはいえない。

よって、請求人の主張は、採用することができない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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