Trademark Appeal Case
称呼の完全一致と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−6321(T2011−6321/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「慧央」の文字を標準文字で表してなり,第3類,第5類,第10類,第11類,第29類,第30類,第32類及び第41類ないし第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成21年11月18日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,原審において平成22年5月24日付けで提出された手続補正書により,別記1のとおりに補正されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,別記2のとおりであり,それぞれ現に有効に存続しているものである。
以下,別記2に掲載された(1)ないし(11)の登録商標をまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は,前記1のとおり,「慧央」の文字を表してなるものであり,「慧」の字は,「慧敏(けいびん)」「慧眼(けいがん)」というように「ケイ」と読まれることから(「新選 漢和辞典 第六版/ワイド版」株式会社小学館),「ケイオー」の称呼が生ずるものである。
また,「慧央」は,辞書等に掲載された成語ではなく,特定の語義を有しない造語と認められるから,これよりは,特定の観念を生じないというのが相当である。
一方,引用商標は,「KEIO」又は「ケイオウ」の文字を表してなるから,それぞれの文字に相応してそれぞれ「ケイオー」の称呼が生じ,「KEIO」又は「ケイオウ」は,特定の語義を有しない造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。
そこで,本願商標と引用商標を比較すると,その外観は相違するとしても,その称呼は完全に一致するものである。
また,観念については,本願商標も引用商標も特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。
ところで,本願商標と引用商標の指定商品及び指定役務は,広範にわたっており,その中には,比較的低廉で日常的に消費される商品や,一般的な需要者に親しまれた役務も含まれるところ,これらの商品・役務について,テレビやラジオでその商品・役務の名称,すなわち称呼が用いられて宣伝されていることは容易に推測し得るし,一般的な需要者にとって,こうした商品・役務の名称,すなわち称呼が重要な役割を果たすことも容易に推測し得る。
こうした取引の実情を踏まえると,本願商標と引用商標は,その称呼が完全に一致するものであるから,互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(2)本願商標の指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務の類否について
本願商標の指定商品又は指定役務は,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものと認められる。
(3)小括
してみれば,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は,意見書において,「慧央」は「物事の道理を正しく把握する精神作用の中心」というような独自の観念を生ずる旨主張し,請求書において,本願商標全体から「物事の道理を正しく把握する精神作用の中心」といった観念が生じないとしても,「慧」は「物事を良く見極め道理を正しく把握する精神作用」を意味し,「央」は「中央」の意味を有するのであるから,これらのそれぞれから生ずる観念は否定できない旨,主張する。
しかしながら,「慧央」の語は,辞書等には記載されていない一種の造語と認められるから,これよりは,観念は生じないというべきである。
また,本願商標を「慧」と「央」の一文字ずつに分解し,それぞれから「物事を良く見極め道理を正しく把握する精神作用」と「中央」の意味が理解されるとしても,それは親しまれた既存の観念とはいえない。
さらに,本願商標より観念が生ずるとしても,引用商標は,既に述べたとおり,特定の観念を生じないから,結局,本願商標と引用商標は,観念上は比較できないものである。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
イ 請求人は,不服2005−7777審判の審決(以下単に「当該審決」という。)を挙げ,この審決において,「慶應」の文字を標準文字で表してなる商標(以下「当該商標」という。)と,別掲のとおりの構成よりなる登録第3321211号商標が非類似である旨判断されているから,本願商標も,同様に判断されるべきである旨,主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標登録されるか否かは,その商標の構成態様等に基づいて,個別具体的に判断されるものである。
そして,本願商標と引用商標は,その外観は相違するとしても,その称呼は完全に一致し,その観念については,本願商標も引用商標も特定の観念を生じないものであることより,比較することができないものである。
これに対して,当該審決においては,当該商標からは「年号としての慶應」の観念を,登録第3321211号商標からは「京王電鉄」の観念を生ずるとし,観念においても明確に区別し得るものとし,当該商標と登録第3321211号商標は,その外観及び観念が相違する旨判断しているから,本件とは,明らかに事例を異にするものである。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
また,請求人は,「慶凰」と「ケイオウ」などの併存登録例があることをもって,本願商標も登録されるべきである旨主張しているが,登録出願に係る商標が商標登録されるか否かは,その商標の構成態様等に基づいて,審決時において個別具体的に判断されるものであり,本願商標については,上記のとおり判断すべきであるから,請求人の上記主張は,採用することができない。
(5)結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であり,原査定を取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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