結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2011−890033(T2011−890033/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5367091号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、綴りを「KAMIALy」とする欧文字と、その下段に小さく「カミアリ」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成22年3月30日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同年9月21日に登録査定、同年11月12日に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第4858666号商標(以下「引用商標」という。)は、「神在」の漢字を縦書きしてなり、平成16年7月16日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,コーヒー豆,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、同17年1月26日に登録査定、同年4月22日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
全国の茶商工業組合に対して発行されている業界紙「全茶連情報」の平成23年1月10日付けのもの(甲第1号証)において、その「商標公報」を見出しとする頁の「(発行日:平成22年12月14日)」の項目中に本件商標が登録されたことの掲載がされており、請求人が商品「茶」又はレトルトパックの「ぜんざい」に商標「神在」を付して販売するに当たり、本件商標と出所混同のおそれが生じるから、その利害関係を有する。
本件商標は、「KAMIALY」の欧文字の下に「カミアリ」の片仮名を付しており、当然「カミアリ」と称呼される。
他方、引用商標は、「神在」の文字を書してなるものであるから、これより「カミアリ」の称呼を生ずるものである。
ところで、「神在」が「カミアリ」と称呼されることは、広辞苑第四版(岩波書店)に「神在月」が「かみあり−づき」として記載されており、「神在月」は、陰暦10月の異称である「神無月」のことを、出雲地方では神々が出雲大社に参集するとの俗信によって広く伝わっている。
また、「神在」を「カミアリ」と称呼することについては、上記広辞苑に記載されていることだけでなく、「神」を「かみ」、「在」を「あり」と、それぞれの漢字を訓読みするに特段の困難を伴うものではない。
このことは、「神在」の文字が含まれる商標登録の各商標公報(甲第4号証ないし甲第6号証)の【称呼】の欄に「カミアリ」と記載されていることからも明らかである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観が相違するとしても、「カミアリ」の称呼、「かみあり」という言葉の持つ観念を共通にし、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、類似の商標というべきである。
そして、本件商標にかかる第30類の全指定商品は、引用商標の指定商品中に全て含まれており、同一の商品である。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品も同一である。
以上のとおり、本件商標は、第30類の全指定商品について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
被請求人は、前記第3の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、「KAMIALy」の綴りからなる欧文字と、その下段に小さく「カミアリ」の片仮名とを上下二段に書してなるところ、該欧文字は、特定の読み及び意味を有する成語を表したものとは認められないものの、その文字綴り及び下段に位置する片仮名を併せ見れば、該片仮名は、上段の欧文字の読みを特定するものとして看取、把握される場合も少なくないというのが相当であるから、本件商標は、その構成文字に相応する「カミアリ」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標を構成する「KAMIALy」及び「カミアリ」の各文字からは、後述する「神在月」に係る出雲地方やその近隣の住民ないしはその余の俗信を知るものにとっては、該俗信や「神様が所在する」程度の意味合いを連想、想起することも決して少なくないというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「神在」の漢字からなるものである。
ところで、「広辞苑 第五版」(株式会社岩波書店発行)によれば、「かみあり−づき」の見出し語の下、「【神在月】出雲国で旧暦10月の異称。日本国中の神々が、この月出雲大社に参集するとの俗信に基づく。→神無(かみな)月」との掲載を認めることができるものであり、その俗信自体は、いわゆる出雲地方やその近隣、すなわち島根県や鳥取県の住民のみならず、一般常識といって差し支えないものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「シンザイ」や「カミザイ」の称呼が生ずることを必ずしも否定するものでないが、上記事情によれば、むしろ「カミアリ」の称呼を生じるというのが自然であり、また、観念においては、該俗信や「神様が所在する」程の意味合いを想起し、認識するということができる。
(3)本件商標と引用商標との対比
上記(1)及び(2)によれば、本件商標と引用商標とは、その構成する文字種が異なり、外観においては相違するものの、「カミアリ」の称呼を同じくする商標である。
そして、観念においては、「神在」の文字から上記俗信や「神様が所在する」程の意味合いを想起し、認識するものであるところ、「KAMIALy」及び「カミアリ」の文字からも、同様の意味合いを連想、想起する場合も少なくないというのが相当である。
したがって、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに類似する商標というべきである。
本件商標と引用商標とは、前記第1及び第2のとおり、その指定商品中に、いずれも第30類に属する「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を含むものであるから、同一の商品について使用するものである。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第30類の全指定商品については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものと認めることができるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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