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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「要部抽出と称呼・観念の類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2011−1932(T2011−1932/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2011−1932(T2011−1932/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「WIN」
争点(論点)
要部抽出と称呼・観念の類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2011−1932(T2011−1932/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「WIN」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部抽出と称呼・観念の類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Win29」の欧文字及び数字を標準文字で表してなり、第25類及び第28類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年3月26日に登録出願され、指定商品については、原審における同年9月6日付け手続補正書により、第28類「ゴルフクラブヘッド」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第573688号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和35年3月29日に登録出願、同36年6月1日に設定登録された登録第573688号商標の商標権の分割に係るものであって、第9類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年11月5日に商標権の分割移転の登録がされ、同23年5月17日に第28類「運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)、まり」について、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第1663476号の1の2商標(以下「引用商標2」という。)は、「WINN」の文字を書してなり、昭和55年9月29日に登録出願、同59年2月23日に設定登録された登録第1663476号商標の商標権の分割に係るものであって、第9類「ウエイトベルト、ウエットスーツ、浮袋、運動用保護ヘルメット、エアタンク、水泳用浮き板、レギュレーター」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服、運動用特殊靴(乗馬靴を除く。)」、第27類「体操用マット」、第28類「運動用具(但し、ゴルフ用具を除く。)」を指定商品として、平成20年11月5日に商標権の分割移転の登録がされたものである。

(3)登録第1663476号の2商標(以下「引用商標3」という。)は、「WINN」の文字を書してなり、昭和55年9月29日に登録出願、同59年2月23日に設定登録された登録第1663476号商標の商標権の分割に係るものであって、第24類「ゴルフ用具」を指定商品として、平成12年1月21日に商標権の分割移転の登録がされ、その後、同15年9月2日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、指定商品については、同年10月22日に第28類「ゴルフ用具」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(4)登録第5184305号商標(以下「引用商標4」という。)は、「WINN G8」の欧文字及び数字を標準文字で表してなり、平成18年7月24日に登録出願、第28類「運動用具,ゴルフクラブ用グリップ,その他の運動用具用グリップ」を指定商品として、同20年11月28日に設定登録されたものである。

以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、「Win」の欧文字及び「29」の数字により、「Win29」と表してなるところ、その構成中の「Win」の文字は、「勝利」を意味するものであり、「29」の数字は、一般に商品の規格、品番を表すものとして広く使用されている数字二文字の組み合わせにすぎず、自他商品の識別機能を有しないものであり、また、本願商標は、全体をもって広く親しまれたものである等の、一連一体のものとして常に認識されるものであるというべき特段の理由も見いだすことができない。

そうとすれば、本願商標において自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、「Win」の文字部分にあるとするのが相当であって、本願商標に接する取引者、需要者は、該文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から「ウインニジュウキュウ」の称呼が生ずるほかに、該「Win」の文字に相応して「ウイン」の称呼をも生じ、「勝利」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標1

引用商標1は、別掲のとおり、中央部に大きくややデザイン化された「WIN」の欧文字を書し、この上部に星形図形を5つ山なりに配し、これらの下に、上部に1本、下部に2本の並行線で挟まれた「S・M・K」の欧文字を書してなるものであるところ、これに接する取引者、需要者は、中央部に大きく表された「WIN」の文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資することも決して少なくないとするのが相当であるから、引用商標1は、該「WIN」の文字部分に相応して「ウイン」の称呼及び「勝利」の観念を生じるものである。

(3)引用商標2及び引用商標3

引用商標2及び引用商標3は、「WINN」の文字を書してなるところ、これは、特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるものであり、その構成文字に相応して「ウイン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(4)引用商標4

引用商標4は、「WINN」の欧文字と「G」の欧文字及び「8」の数字により、「WINN G8」と表してなるところ、その構成中の「WINN」の文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるものであり、「G8」の欧文字及び数字は、一般に商品の規格、品番を表すものとして広く使用されている欧文字1字と数字1字の組み合わせの一類型であり、自他商品の識別機能を有しないものであるから、その構成中、自他商品の識別機能を有する「WINN」の文字部分をもって、取引に資することも決して少なくないとするのが相当である。

してみれば、引用商標4は、構成全体から生ずる称呼のほかに、該「WINN」の文字部分に相応して「ウイン」の称呼をも生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。

(5)本願商標と引用商標の類否

本願商標と引用商標1とは、外観において相違するとしても、「ウイン」の称呼及び「勝利」の観念を共通にするものであり、本願商標と引用商標2ないし4とは、外観において相違し、観念においては比較できないとしても、「ウイン」の称呼を共通にするものであるから、本願商標と引用商標とは、互いに紛らわしい類似の商標であるといわざるを得ないものであって、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するものである。

請求人は、「『Win』は日本語訳の『勝』を意味し、『29』は漢字の『福』の音読み『ふく』をそれぞれ『2』を『ふ』、『9』を『く』と当て字で表現することで『福』を意味するから、本願商標は、『勝って福を得る』という意味を生じるもので、一連一体の造語である。」、「本願商標のゴルフクラブは注文を受けてから、一本一本手作り生産で直接取引をしており、大規模な販売店に卸しておらず店頭に並ぶことはないので出所について誤認混同することはない。」及び「直接取引を行うことで、『Win29(ウインニジュウキュウ)』に込めた想い『勝って福を得る』は需要者に伝わっている。」旨主張する。

しかしながら、商標権の使用においては、商品の生産方法や受注方法などの取引形態によって、その使用が限定されるものではないし、商標採択の理由やその思いなどは、本願商標に接する需要者、取引者が必ずしも認識し、理解するものとはいえないから、商標の類否について、これらの理由が影響を及ぼすものではない。

また、請求人は、「本願商標の指定商品は『ゴルフクラブヘッド』であり、『ウイン インコーポレイテッド』は、ゴルフクラブのグリップのみを販売している海外メーカーであるから、引用商標の指定商品と非類似である。」及び「『ゴルフクラブのヘッド』と『ゴルフクラブのグリップ』とは明らかな区別が可能である。」旨主張する。

しかしながら、引用商標の権利者が、ゴルフクラブのグリップのみを販売している海外メーカーであるか否かにかかわらず、現に、引用商標1、3及び4の指定商品中には、「ゴルフクラブヘッド」が含まれるものである。また、「ゴルフクラブヘッド」と「ゴルフクラブのグリップ」とは、いずれもゴルフクラブの部品であるから、類似するものであるといわざるを得ない。

よって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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