結論テキスト
本願商標は,登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2010−650077(T2010−650077/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は,「OPENCL」の文字を書してなり,第9類「Computer software;application programming interface computer software and language definition for use in developing applications for execution on central processing units (CPU) or graphic processor units (GPU).」を指定商品として,2008年5月19日トリニダード・トバゴ共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2008年(平成20年)11月18日に国際商標登録出願されたものである。
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(3)のとおりであり(以下まとめていう場合は「引用商標」という。),それぞれ,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3223371号商標(以下「引用商標1」という。)
「OpenGL」の文字を書してなり,平成6年3月29日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同8年11月29日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされたものである。
(2)登録第4596339号商標(以下「引用商標2」という。)
「OpenGL」の文字を有する別掲のとおりの構成よりなり,平成12年6月22日に登録出願,第9類,第16類,第35類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同14年8月16日に設定登録されたものである。
(3)登録第4678522号商標(以下「引用商標3」という。)
「OpenGL Vizserver」の文字を標準文字で表してなり,平成14年7月23日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同15年6月6日に設定登録されたものである。
本願商標は,前記1のとおり,「OPENCL」の文字を書してなるものである。
また,本願商標の指定商品は,前記1のとおり「Computer software;application programming interface computer software and language definition for use in developing applications for execution on central processing units (CPU) or graphic processor units (GPU).」であるから,本願商標に接する主な取引者,需要者は,コンピューターのプログラミング等に関して知識を有する者であって,比較的注意深く取引すると考えるのが自然である。
一方,引用商標は,いずれもその構成中に「OpenGL」の文字を有するものである。
ところで,請求人から提出のあった証拠によれば,「OpenCL」は,「Open Computing Language」のことであり,アップル社の提案によって策定された「C言語による,マルチコアCPUやGPU,Cellプロセッサ,DSPなどによる異種混在の計算資源を利用した並列コンピューティングのためのフレームワーク」である旨が,フリー百科事典「ウィキペディア」,「PC Online」,「日経エレクトロニクス」等において紹介されていることが認められる。
一方,「OpenGL」は,請求人から提出のあった証拠によれば,「Open Graphics Library」のことであり,Silicon Graphics社が中心となって開発した「3Dグラフィックスのためのプログラムインターフェイス」である旨が,フリー百科事典「ウィキペディア」,IT用語辞典「e−words」等に掲載されており,また,当審における調査によれば,「2009−10 最新パソコン・IT用語事典」(株式会社技術評論社)においても同様の旨が掲載されていることが認められる。
そうすると,「OpenCL」の語は「Open Computing Language」のこととして,「OpenGL」の語は「Open Graphics Library」のこととして,また,それぞれの用途は明確に別なものとして,本願商標に接する取引者,需要者,すなわち,コンピューターのプログラミング等に関して知識を有する者の間では,それぞれが判然と区別されて知られている実情にあることは,容易に推測し得る。
以上のような取引の実情を踏まえて,本願商標と引用商標が類似するか否かを検討すると,本願商標は,その構成文字から「オープンシーエル」の称呼が生じ,また,「OpenCL」は「Open Computing Language」のこととして知られているから,同観念が生ずるものである。
一方,引用商標1は,前記2のとおり,「OpenGL」の文字を書してなるから,これより「オープンジーエル」の称呼が生じ,「OpenGL」は,「Open Graphics Library」のこととして知られているから,同観念が生ずるものである。
また,引用商標2は,別掲のとおり,横長のだ円に重ねるようにして「OpenGL」の文字を書してなるところ,この横長のだ円の部分と「OpenGL」の文字部分は,両者が分離して観察されないほど融合してなるものとは認められず,また,両者が一体となって特段の観念を生ずるものでもないから,「OpenGL」の文字部分のみが注目されて取引されることがあり,これより「オープンジーエル」の称呼が生じ,「Open Graphics Library」の観念が生ずるものである。
そこで,本願商標と引用商標1及び2を比較するに,称呼については,本願商標から生ずる称呼「オープンシーエル」と引用商標1及び2から生ずる称呼「オープンジーエル」をみると,両者は,中間音において「シ」と「ジ」の差異を有するのみであるから,互いに紛らわしい類似のものといわざるを得ないが,外観については区別し得る差異を有するものであり,観念についても明確に相違するものである。
そうすると,本願商標と引用商標1及び2は,上述の取引の実情を踏まえて両商標の外観,称呼及び観念を総合的に考察すれば,たとえ称呼が類似するとしても,外観及び観念が区別し得る明確な差異を有するものであることより,これらを同一又は類似の商品に使用した場合においても,商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
さらに,引用商標3は,前記2のとおり,「OpenGL Vizserver」の文字を表してなるところ,このうち「OpenGL」の文字部分のみが注目されて取引され,これより「オープンジーエル」の称呼が生じ,「Open Graphics Library」の観念が生ずるとしても,本願商標と引用商標3は,上記に述べたことと同様に,取引の実情を踏まえて両商標の外観,称呼及び観念を総合的に考察すると,たとえ称呼が類似するとしても,観念は区別し得る明確な差異を有するものであり,本願商標と引用商標3の外観も差異を有するものであることより,これらを同一又は類似の商品に使用した場合においても,商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
そうすると,結局,本願商標と引用商標は,非類似の商標というのが相当である。
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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