1 本願商標
本願商標は、「ACS Analyst」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2009年(平成21年)10月27日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであって、同年12月10日にその出願に係る領域指定の通知がなされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第4530846号商標は、「ACS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年8月19日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年12月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5113786号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年5月1日登録出願、第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同20年2月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5180096号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年5月1日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同20年11月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ACS Analyst」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「ACS」の欧文字と「Analyst」の欧文字との間には、半角に満たない程度のスペースが設けられているものの、他の構成文字全てが同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、本願商標の構成全体に相応して生ずる「エイシイエスアナリスト」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本願商標の構成中の「Analyst」の文字部分は、「分析者、分解者;(政治、社会、経済などの)分析家、解説者、アナリスト」等の意味を有する英語(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」株式会社三省堂 2008年12月20日発行)であるとしても、本願商標の係る構成においては、直ちに商品の品質及び役務の質を表示したものと理解させるものとはいい難いものである。
そうとすると、本願商標は、殊更、その構成中の「ACS」の文字部分のみが着目され取引に資されるというよりは、むしろ、その構成全体をもって特定の語義を有することのない造語を表したものとして認識されるものとみるのが相当であるから、その構成全体に相応する「エイシイエスアナリスト」の称呼のみを生ずるものである。
したがって、本願商標から「エイシイエス」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用各商標とが称呼上類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令の定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。