Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900380(T2010−900380/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5349565号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビューティーラボラトリ」の片仮名と「BEAUTY LABORATORY」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成21年12月2日に登録出願され、第3類「ヘアローション,セッティングローション,育毛効果のある頭髪用化粧水,育毛効果のあるヘアローション,育毛効果のある頭髪用セッティングローション,発毛効果のある頭髪用化粧水,発毛効果のあるヘアローション,発毛効果のある頭髪用セッティングローション,その他の化粧品,せっけん類,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,かつら用剥離剤,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」及び第35類「広告物の配布,試供品の配布,商業又は広告のための展示会の企画・運営,その他の広告,商品の販売・事業に関する調査・研究・コンサルティング,品質管理業に関する助言・指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売契約の媒介又は取次,新商品の開発・販売計画の作成等に必要な基礎資料調査,商品開発及び販売促進のための市場研究及び市場分析,経営戦略の立案・実践に関する情報の提供,ブランド戦略に関するコンサルティング,販売戦略に関するコンサルティング,商品分析・消費者分析・競合環境分析,新規開発商品の需要に関する動向調査,マーケティングに関する情報の提供,商品の販売促進に関する企画,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のほか、第5類、第26類、第29類、第30類、第32類及び第42類に属する商標登録原簿記載の商品又は役務を指定商品又は指定役務として、同22年7月28日に登録査定、同年8月27日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下の1及び2(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第2220083号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ビューティラボ」の片仮名と「BEAUTYLABO」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和62年5月29日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同22年6月16日に第3類「せっけん類(薬剤に属するものを除く),歯みがき,化粧品(薬剤に属するものを除く),香料類」とする書換登録がなされたものである。
2 登録第4653993号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ビューティラボ」の片仮名と「Beautylabo」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成14年6月18日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同15年3月14日に設定登録されたものである。
第3 登録異議の申立ての理由の要旨
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、「結論掲記の指定商品及び指定役務」については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
第4 本件商標に対する取消理由の要旨
商標権者に対して、平成23年8月9日付けで通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。
1 引用商標の著名性について
(1)申立人は、1923年(大正12年)3月に設立された会社であって、ヘアカラー、頭髪用化粧品及び家庭薬の製造、販売などの事業を行っており、国内ではヘアカラー業界最大手であり、市販向け以外にも美容院などへの業務用ヘアカラーの製造、販売などを行っている。そして、その製造、販売に係る商品の代表的なブランドの1つとして「Beautylabo(ビューティラボ)」(以下「引用使用商標」という。)があり、1995年(平成7年)から現在までその使用をしている(甲26及び甲27)。
(2)甲各号証によれば、「ヘアカラー、ブリーチ、ターンカラー、ヘアケア製品などの頭髪用化粧品」について、申立人による引用使用商標の使用状況は、以下のとおりと認められる。
ア 宣伝広告等について
(ア)ヘアカラーなどの頭髪用化粧品についての商品カタログは、2005(平成17)年春から本件商標の登録出願日の2009年(平成21年)12月2日までの間に、春と秋に年2回ないし4回、計14回発行され(甲28及び甲29、甲31、甲33及び甲34、甲36ないし甲38、甲40ないし甲43、甲45、甲47)、その後においても同様に発行されている(甲49及び甲50)。
(イ)ヘアカラーについての新商品案内は、2006年(平成18年)春から本件商標の登録出願日までの間に、春又は秋に、計6回発行され(甲30、甲32、甲35、甲39、甲44、甲46)、その後においても同様に発行されている(甲48)。
(ウ)ヘアカラーなどの頭髪用化粧品に係る新製品についてのニュースリリースは、2005年(平成17年)7月から本件商標の登録出願日までの間に、不定期に、計13回行われ(甲51ないし甲63)、その後においても同様に行われている(甲64)。
(エ)ヘアカラーについての雑誌の広告は、2004年(平成16年)3月から本件商標の登録出願日までの間に、題号別で28誌、延べ件数で80件以上が掲載されている(甲77ないし甲156)。
(オ)ヘアカラーについてのテレビスポット放送による広告は、2005年(平成17年)4月23日から本件商標の登録出願日までの間に、100局以上のテレビ局を通じて全国に49,600本以上のスポット放送をしており(甲73、甲75)、その後本件商標の登録査定がなされる2010(平成22)年7月28日までの間に4,300本以上のスポット放送がされている(甲75)。
(カ)ヘアカラーについてのWebバナー広告は、2009年9月2日から同月8日までの間及び同年10月7日から同月20日までの間に「@cosme(アットコスメ)」を媒体として行われ、2010年2月20日から同年3月31日までの間に「デコとも」を媒体として行われている(甲74)。
ウ 市場シェアについて
申立人作成の「ヘアカラーリング市場レポート」(甲67、甲69及び甲71)によれば、2006年から2009年までの全業態(ドラッグ、スーパー、ホームセンター、CVS)における市販品ヘアカラーリングの申立人のメーカーシェア(個数シェア)は、2006年(1〜9月)は42.5%、2007年(同)は41.9%、2008年(1〜10月)は41.5%、2009年(同)は38.8%あり、また、黒髪用における引用使用商標に係るシェアは、2006年(1〜9月)は8.3%、2007年(同)は9.5%、2008年(1〜10月)は7.8%、2009年(同)は6.6%である。
エ まとめ
以上の事実からすれば、1995年(平成7年)ころから「ヘアカラー」などに引用使用商標の使用を開始し、定期的に発行される商品カタログ、不定期に発行される新商品案内や新製品についてのニュースリリース、各種雑誌及びテレビスポット放送などにより継続的な広告を多量に行ってきており、また2006年1月から2009年10月までの黒髪用カラーリングブランドシェアも平均で約8パーセント程度あることからすれば、引用使用商標は、少なくとも本件商標の登録出願日までには、「ヘアカラー」の出所を表示するものとして需要者の間に広く知られるようになっていたというのが相当である。そして、その周知著名性は、本件商標の登録査定当時まで継続していたものと認められる。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「ビューティーラボラトリ」の片仮名と「BEAUTY LABORATORY」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の「ビューティー/BEAUTY」の文字は、「美、美しさ」を意味し、「ラボラトリ/LABORATORY」の文字は、「研究所、実験室」の意味を有する外来語としてそれぞれ馴染まれた語となっており、「美の研究所」程の意味合いを想起・連想させるものであるから、本件商標は、「ビューティーラボラトリ」の称呼を生じ、「美の研究所」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標1及び2は、「ビューティラボ」の片仮名と「BEAUTYLABO」又は「Beautylabo」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の「ラボ」の片仮名は、株式会社岩波書店「広辞苑 第六版」の「ラボ」の項において、「ラボラトリーの略。」の記載があり、また、「LABO又はlabo」の文字についても、「研究所。実験室。」の意である「laboratory(研究所)」の略語として一般に使用されていることからすれば、その構成全体として「美の研究所」程の意味合いを想起・連想させるものであるから、引用商標からは、「ビューティラボ」の称呼を生じ、「美の研究所」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標の外観と引用商標1及び2の外観とを対比すると、両者は、外観上において、中間における片仮名「ティー」における長音記号「ー」の有無及び語尾における「ラトリ/RATORY又はlatory」の各文字の有無の差異を有するものの、そのほかの語頭から中間における「ビューティラボ/BEAUTYLABO又はBeautylabo」の各文字を共通にしていることから、外観において近似した印象を与えるものである。
また、本件商標から生ずる称呼「ビューティーラボラトリ」と 引用商標1及び2から生ずる称呼「ビューティラボ」とを対比すると、両者は、称呼上において、中間における「ティー」における長音「ー」の有無及び語尾における「ラトリ」の各音の有無の差異を有するが、そのほかの語頭から中間における「ビューティラボ」の各音を共通にしていることから、互いに相紛らわしい類似の商標であるというのが相当である。
そして、本件商標と引用商標1及び2とは、「美の研究所」の観念を共通にするものである。
そうすると、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼、外観において近似し、観念を共通にするものであるから、両者は、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに相紛らわしい類似の商標というべきである。
(2)指定商品・指定役務の類否について
本件商標に係る指定商品又は指定役務中、第3類「ヘアローション,セッティングローション,育毛効果のある頭髪用化粧水,育毛効果のあるヘアローション,育毛効果のある頭髪用セッテイングローション,発毛効果のある頭髪用化粧水,発毛効果のあるヘアローション,発毛効果のある頭髪用セッティングローション,その他の化粧品,せっけん類,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」及び第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標1に係る指定商品第3類「せっけん類(薬剤に属するものを除く),歯みがき,化粧品(薬剤に属するものを除く),香料類」及び引用商標2に係る指定商品第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」とは、同一又は類似するものである。
(3)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標1及び2とは、類似の商標であり、その指定商品又は指定役務についても、同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、その指定商品及びその指定役務中、第3類「ヘアローション,セッティングローション,育毛効果のある頭髪用化粧水,育毛効果のあるヘアローション,育毛効果のある頭髪用セッティングローション,発毛効果のある頭髪用化粧水,発毛効果のあるヘアローション,発毛効果のある頭髪用セッティングローション,その他の化粧品,せっけん類,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」及び第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用使用商標が本件商標の登録出願時より前に申立人の商品「ヘアカラー」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたことは前記1の認定のとおりであり、また、本件商標と引用商標1及び2とが類似することは前記2の認定のとおりである。
そして、本件商標の指定商品又は指定役務中、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛」は、「ヘアカラー」とは、いずれも美容に関するものであり、その用途や需要者の範囲は、極めて近いものである。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛」に使用したときには、これに接する取引者・需要者は、引用使用商標を連想または想起し、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛」について、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第3類「ヘアローション,セッティングローション,育毛効果のある頭髪用化粧水,育毛効果のあるヘアローション,育毛効果のある頭髪用セッティングローション,発毛効果のある頭髪用化粧水,発毛効果のあるヘアローション,発毛効果のある頭髪用セッティングローション,その他の化粧品,せっけん類,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」及び第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものと認められる。
第5 商標権者の意見
本件商標について、前記第4の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。
第6 当審の判断
本件商標についてした上記第4の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、「結論掲記の指定商品及び指定役務」については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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