結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30534号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1470917号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和52年5月26日に登録出願され、「20ANS」の文字を横書きしてなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和56年7月31日に設定登録されたものである。指定商品については、その後、指定商品の一部について商標登録を取り消すべき旨の審決が確定し、指定商品中「かさ」についてその登録が取り消されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
請求人が調査した結果、本件商標は、商標権者により、過去3年以内に日本国内でその指定商品について使用されていないことが判明した。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(答弁に対する弁駁)
(1)被請求人は3年以内に本件商標を使用したことを示す書類を提出しているが、前商標権者であった「野崎シューズ」「野崎産業」は廃業となっており、実際の商品の製造は行っていない。
その権利を継承した「川鉄商事」においても、実際に「婦人靴」の製造・販売は行っていない。
よって、使用例も信憑性が少ないものと思われる。
その提出書類も販売会社1社「アカクラ」の「ひばりが丘」店の伝票が2点提出されているだけで、「商標法」でいう「全国津々浦々」で販売されているものではない。せめて10ヵ所以上の販売を示す書類が提出されるべきである。
又、商品見本に添付された「商品タグ」等は業者に頼べば容易に見本が制作されるので、その信憑性も少ない。
その他、カタログ、宣伝物等の提出もない。
(2)そもそも本件商標「20ANS」はフランスで発行されている有名なファッション雑誌「20ANS」として日本でも昔から有名である(甲第1号証参照)。
また、請求人は1980年9月8日より、同雑誌の出版社「EXCELSIOR PUBLICATION S.A.」とライセンス契約を行い、日本国内の主要ファッション・メーカーと共同で、各種ファッション商品のライセンス商品の製造を行っている(甲第2〜4号証参照)。
最近の特許庁の判断でも、「20ANS」は上記出版社のものであるとの見解が出ている(甲第5号証参照)。
その他フランスの雑誌「L’OFFICIEL」「MARIE FRANCE」等はフランスの出版社の名前であり、それを無断で使用することは好ましくないとの判断をしている。そのことを示す、特許庁からの「拒絶理由通知書」を提出する(甲第6号証参照)。
そのことを考えると、被請求人の過去の行為は他人の著名な名前を無断で登録し、その知名度を利用して営利活動を行ったもので、大変不当な行為であったと言わざるを得ない。
請求人は別途被請求人に損害賠償を求めるつもりである。
しかも、それを大企業である「川崎製鉄株式会社」の子会社である「川鉄商事」が今後も登録商標を継続することは大変非社会的なものである。
よって、被請求人もこの趣旨を考えて自ら商標権を放棄するべきである。
以上の理由により、速やかに請求の趣旨通り、本件商標の登録を取り消すとの審決を求めるものである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)本件商標は、「20ANS」の文字を横書してなり、旧第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和56年7月31日に登録され、その後、指定商品中の「かさ」については取り消されたが、他の商品については現在有効に存続しているものである(乙第1号証)。
(2)これに対し、請求人は、「本件商標は、商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品に使用されていないから、商標法第50条第1項により取り消されるべきものである。」旨の主張をしている。
(3)しかしながら、本件商標は、以下に述べるとおり商標権者である被請求人の許諾を得た通常使用権者の「ノザキシューズ株式会社」により、本件審判の請求前3年以前より継続して、指定商品中の「婦人靴」に使用しているものであるから、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
(a)本件商標は、乙第1号証のとおり「野崎産業株式会社」が100%子会社である「野崎シューズ株式会社」(現ノザキシューズ株式会社)より昭和60年3月29日に譲渡されたものである。その後、「野崎産業株式会社」が平成11年4月1日に「川鉄商事株式会社」に吸収合併されたことから、本件商標は、現在、「川鉄商事株式会社」の所有となったものであり、これを原因とする合併による移転登録の手続を平成11年7月29日に特許庁に申請した(乙第2号証)。これによって、本件審判の被請求人は、「野崎産業株式会社」より「川鉄商事株式会社」に変更された。
被請求人の100%子会社であり、被請求人の許諾を得た通常使用権を得た「ノザキシューズ株式会社」(東京都台東区今戸1−3−12所在)(乙第3号証)(以下「通常使用権者」という。)によって「20ANS」の商標を使用した商品「婦人用の履物」について、本件審判の請求前より継続して販売されているものであるから、本件審判の請求前3年以内に、請求に係る指定商品中の商品「婦人用の履物」に本件商標を使用していることが明らかである(乙第4号証乃至乙第10号証)。
(b)本件商標の具体的な使用状態を示すと、乙第4号証乃至乙第7号証は、本件商標の使用といえる「20ANS」の商標を使用している各種の「婦人用の履物」の写真である。
乙第8号証は、「株式会社アカクラ」(東京都渋谷区神宮前4−9−3)が同社の「アカクラひばりが丘店」(東京都保谷市ひばりが丘1−1ひばりが丘パルコ1階)のために通常使用権者の「ノザキシューズ株式会社」への平成9年5月22日付けの婦人用の履物の「発注書」(取引先控)であり、これには本件商標を示す「20ANS」の記載がある。
乙第9号証は、同発注書に基づいて通常使用権者の「ノザキシューズ株式会社」がその一部商品(商品番号3315)を「アカクラひばりが丘店」に出荷(平成9年7月1日)した際の「売上伝票(1)」である。
乙第10号証は、同発注書に基づいて通常使用権者の「ノザキシューズ株式会社」がその一部商品(商品番号7906)を「アカクラひばりが丘店」に出荷(平成9年8月8日)した際の「売上伝票(1)」である。
これら「婦人靴」に使用している商標は、全部本件商標と同一性を有し、本件商標の使用といえるものであることから、本件商標が請求に係る指定商品に使用しているといえることも明らかである。そうしてみると、各乙号証によっても明らかなとおり本件商標は、商標権者の許諾を得た通常使用権者の「ノザキシューズ株式会社」によって指定商品中の商品「婦人用の履物」について、本件審判の請求前3年以内に使用されていることが明らかである。
(c)したがって、本件商標は、乙第3号証乃至乙第10号証においても立証されているとおり、本件商標が請求に係る指定商品について、本件審判の請求前3年以内に使用していることが明らかであり、商標法第50条の規定により取り消すことのできないものである。
よって、本件審判の請求が不当なものであるから、答弁の趣旨どおりの審決を求めるものである。
被請求人の提出に係る乙第3号証乃至乙第10号証をみるに、乙第4号証及び乙第5号証は、婦人靴の写真、また、乙第6号証及び乙第7号証は、婦人用のサンダル靴の写真と認められるところ、それぞれの靴の靴底(内側)に本件商標と社会通念上同一と認められる「20ANS」の商標を表示した布製のラベルが縫いつけてあることが認められる。
また、乙第8号証は、株式会社アカクラ(ひばりヶ丘店)からノザキシューズ株式会社宛の平成9年5月22日付けの発注書(取引先控・写し)と認められるところ、この書類にはアイテム(品目)の欄に「20ANS」と記載され、他の注文商品と共に、品番(「7906」「3315」)、色、サイズ、単価(下代・上代)の欄があり、各欄に必要事項が記入されていることが認められる。
さらに、乙第9号証及び乙第10号証は、ノザキシューズ株式会社から株式会社アカクラ(ひばりヶ丘店)宛の平成9年7月1日付け及び平成9年8月8日付けの売上伝票(写し)と認められるところ、これらの伝票の商品コードの欄に「3315」及び「7906」と記載され、その他、カラー、サイズ、数量、単価等の欄にそれぞれ必要事項が記入されていことが認められる。
しかして、乙第3号証(東京商工リサーチ企業情報)によれば、ノザキシューズ株式会社は被請求人によって許諾された通常使用権者と認められる。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により指定商品中の「婦人用のはき物」について使用されていたものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
なお、請求人よりなされた本件商標の不使用取消審判請求に係る争点以外の主張については、その必要を認めることができないものであるから、判断しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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