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Trademark Appeal Case

地名と図形商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900118(T2011−900118/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5381796号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5381796号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、2008年(平成20年)11月11日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年5月8日に登録出願、同22年11月22日に登録査定、同23年1月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりである。

(1)登録第4885807号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2004年(平成16年)7月27日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成17年1月27日に登録出願、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月5日に設定登録されたものである。

(2)登録第5166197号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)8月30日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成20年2月29日に登録出願、第3類、第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月12日に設定登録されたものである。

以下、(1)及び(2)をまとめていうときには、「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)本件商標と引用商標は、共に近似したライオンと見てとれる3匹の動物の図形要素をその構成中に含んでいるから、外観において類似する。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)本件商標は、引用商標と顕著に類似するから、本件商標が、その指定商品中、引用商標の指定商品と非類似の商品に使用される場合には、申立人の出所によるものと需要者の間に混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲(1)のとおり、上段に黒色横長四角形内に「イギリス(本国)、 英国」の意味を有する英語「ENGLAND」の欧文字を白抜きに表記し、その直下に、上辺が水平で、その両端から伸びた左右の縦線が下方で丸みを帯びて細くなり、下端がやや尖っているアイロン型をした西洋の盾のごとき形状の輪郭内に、頭を正面に向けて左方向へ歩いているがごとき三頭のライオンのシルエット風の図形(正面を向いた頭部には目、鼻及び口が描かれ、たてがみ全体の輪郭も明瞭に描かれている。後足の形は左後足を後方に踏ん張るように残して、右後足を前に踏み出し、前足の形は上段と中段のライオンは左前足は水平に、右前足は水平よりやや上に突き出し、下段のライオンは左前足は水平よりやや上に、右前足は上に突き出しているように明瞭に描かれている。尻尾の形は腰の辺りで小さくしなったS字形で、尻尾の先の房毛は明瞭に三つ分かれて描かれている。さらに、下段のライオンは上、中段のライオンと比較して全体的に小さく、腹部や背中も丸みを帯び、左後足の後方への残し具合も浅めに描かれている。)を縦に三段に並べ、かつ、十輪の花の図形をその輪郭内にバランス良く全体に配した図形を描いた、文字と図形の組み合わせからなる結合商標である。

そして、本件商標の構成中、上段の「ENGLAND」の欧文字をありふれた黒色横長四角形内に白抜きで表記した部分は、本件商標の指定商品の産地、販売地を表示する地名として需要者に認識されることから、当該部分は自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認められる。

そうすると、本件商標の構成中、取引者、需要者に対し自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与える部分(要部)は、その余の図形部分というべきであって、当該図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。

イ 引用商標1について

引用商標1は、別掲(2)のとおり、「GEORGE」、「GINA &」及び「LUCY」の欧文字及び記号をそれぞれの冒頭の文字(「G」、「G」及び「L」の文字)が縦に一列に並ぶように揃えて三段に書し、その左側に当該冒頭の三文字分と同じ長さの縦線を引き、さらにその左側に左方向へ歩いているがごとき三頭のライオンとおぼしきシルエット風の図形(頭部には目、鼻及び口が描かれておらず、たてがみ全体の輪郭も不明瞭である。後足の形は左右片方の後足を後方に残して、もう片方の後足を前に踏み出し、前足の形は左右片方の前足を水平よりやや下に、もう片方の前足を上に突き出しているように描かれている。尻尾の形は背中の上の辺りまで大きくしなるように伸びたS字形で、房毛の先は分かれておらず一箇所小さく毛がはねているように描かれている。これら三頭のライオンとおぼしきシルエット風の図形は同一の形状と大きさで描かれている。)を右側の三段の文字部分と同じ高さに揃えて縦に三段に並べた図形を配した、文字と図形の組み合わせからなる結合商標である。

そして、引用商標1の構成中、右側の「GEORGE」、「GINA &」及び「LUCY」の文字部分と左側の三頭のライオンとおぼしき黒塗りの図形部分とは、両者の間に縦線が存すること、両者の間に観念的な結び付きが存しないこと、両者とも指定商品の品質等を表示するものでもないこと等から、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。

引用商標1の構成中、右側の「GEORGE」、「GINA &」及び「LUCY」の欧文字及び記号部分からは、該部分に相応して「ジョージジーナアンドルーシー」の称呼は生じるが、特定の観念は生じないものと認められ、左側の図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。

ウ 引用商標2について

引用商標2は、別掲(3)のとおり、上記4(1)イで認定した引用商標1の構成中、左側の三頭のライオンとおぼしきシルエット風の図形部分と同一の図形のみからなる商標と認められる。

また、引用商標2からは、特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。

エ 本件商標と引用商標2の類否判断

事案に鑑み、まず本件商標(特に上記4(1)アで認定した要部)と引用商標2の類否を先に判断する。

(ア)共通点

両商標は、三頭のライオンが左方向へ向けて歩いているがごとき姿をシルエット風に縦に三段で描かれている図形を有する点で共通する。

(イ)差異点

a 本件商標の要部は、アイロン型をした西洋の盾のごとき形状の輪郭内に、三頭のライオンの図形と十輪の花の図形がバランス良く一体的に描かれているが、引用商標2は、三頭のライオンとおぼしき図形のみでシンプルに構成されている点で異なっている。

b 本件商標のライオンの図形は、目、鼻及び口が描かれ、たてがみ全体の輪郭や後足の輪郭も明瞭であり、頭部が正面を向いていることも明らかであって、全体的にやや立体感のある描写だが、引用商標2のライオンとおぼしき図形は、目、鼻及び口が描かれておらず、たてがみ全体の輪郭や後足の輪郭も不明瞭であり、頭部がどちらを向いているかも不明であって、全体的に黒いシルエットとして塗りつぶされ平面的に描写されている点で異なっている。

c 本件商標のライオンの図形は、突き出された左右の前足の開き具合が狭く描かれているが、引用商標2のライオンとおぼしき図形は、突き出された左右の前足の開き具合が広く描かれている点で異なっている。

d 本件商標のライオンの図形は、尻尾の形が腰の上の辺りで小さくしなったS字形で、その先端の房毛は明瞭に三つ分かれて描かれているが、引用商標2のライオンとおぼしき図形は、尻尾の形が背中の上の辺りまで大きくしなるように伸びたS字形で、その先端の房毛は分かれておらず一箇所小さく毛がはねているにように描かれている点で異なっている。

e 本件商標の三頭のライオンの図形は、下段のライオンが上、中段のライオンに比べて小さく、かつ、腹部や背中も丸みを帯び、左後足の後方への残し具合も浅めに描かれているほか、突き出された前足の位置なども明らかに違うが、引用商標2の三頭のライオンとおぼしき図形は、全て同一の形状と大きさで描かれている点で異なっている。

(ウ)まとめ

上記(イ)の差異点は、(ア)の共通点にもかかわらず、本件商標の要部と引用商標2から受ける印象を明らかに異なるものにしているというべきであるから、両者は、時と処を異にして観た場合にも、その外観上相紛れるおそれはないものといわざるを得ない。また、本件商標と引用商標2とは、外観はもとより、称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。

よって、本件商標は引用商標2とは非類似である。

オ 本件商標と引用商標1の類否判断

引用商標1は、その構成中に、引用商標2と同一の三頭のライオンとおぼしきシルエット風の図形と、その右側に縦線を介して三段に書された「GEORGE」、「GINA &」及び「LUCY」の欧文字及び記号を含む、文字と図形の組み合わせからなる結合商標であるところ、申立人は、引用商標1の構成中、引用商標2と同一の三頭のライオンとおぼしきシルエット風の図形部分が本件商標と外観上類似する旨主張するが、上記4(1)エのとおり、本件商標は、当該図形部分とは非類似である。また、本件商標と引用商標1の構成全体についても、外観はもとより、称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。

よって、本件商標は引用商標1とは非類似である。

カ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

上記4(1)のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、他に引用商標が著名である等の両商標が混同を生ずるとすべき格別の事情も見いだし得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が、引用商標を連想又は想起するとはいえず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4号の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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