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Trademark Appeal Case

周知商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900221(T2011−900221/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5398992号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5398992号商標(以下「本件商標」という。)は、「A NEXT Group Company」の欧文字を横書きしてなり、平成22年11月5日に登録出願、第16類、第35類及び第36類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年1月28日に登録査定、同年3月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)引用商標の周知著名性について

「NEXT」、「Next」及び「next」(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及びその関連会社のハウスマークである。

申立人及びそのグループ会社は、衣料等の製造販売を業とするイギリス法人であり、1982年に「Next」ブランドの婦人服等の販売を開始し、その後、紳士服、子供服及び家庭用品へとその取扱いを広げ、現在では、イギリス及びアイルランドに500以上の店舗並びに日本を含む外国においても180以上の店舗を有している(甲2)。

なお、申立人の関連会社であるネクスト ピー エル シーを含むグループ全体の2011年度の総収入は、約4,475億円であり、税引前の利益は、約704億円にも及んでいる(甲2、甲3)。

日本においては、ゼビオ株式会社が「1997年、イギリス最大の製造小売業ブランドであるNEXT社と提携」(甲4)し、同社によって「next」の名称で17店舗が運営され(甲5)、更に「next Japan」のホームページにおいて「next」ブランドの婦人服等を販売するオンラインショップが運営(甲6)されている。

引用商標は、本件商標の出願日前から積極的に使用された結果、周知著名に至った(甲7〜甲13)。

加えて、「next Japan」のホームページには、2010年4月1日付けの情報として、next最新コレクションが女性誌に掲載されるとの情報が記載されていた(甲14)ほか、「next」商品が女性向けファッション誌や子供向け雑誌等に多数紹介されている旨の記載もある(甲16)。それらの雑誌の一例を挙げると、「Mart」、「with」、「サンキュ!」及び「VERY」がある。これらは、2010年8月号から2011年3月号発行の雑誌であるが、そのわずかな期間に「next」商品が紹介された雑誌数を合計すると延べ50誌にも達する。

このように「next」商品が各種雑誌へ掲載された事実からみると、申立人及びその関連会社が使用する引用商標が需要者の間に広く知られていたといえる。

さらに、2001年12月発行のファッション業界向けの専門雑誌「ファッション販売」(甲22)には、「英国のSPA(製造小売業)チェーンであるネクストは、『1980年代のわずか8年間で約20億円だった年商が2000億円に急成長したと聞いて、英国に出掛けて同社を研究。...』と柳井社長が打ち明けるほど、その後のユニクロの経営に大きな影響を与えた大先輩企業だ。」との記事が掲載されている。この記事によると、申立人及びその関連会社を含むネクストグループは、我が国において被服を取り扱う業界において著名であることがうかがえる。

なお、申立人は、「NEXT」又は「ネクスト」の語からなる登録商標を4件所有(甲23〜甲26)しており、これらは更新されていることからみて、引用商標が永年使用されていることがわかる。

以上によれば、引用商標は、「被服」、「靴類」等について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、我が国において周知著名となっていた。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標には、申立人及びそのグループ会社が「被服」等について使用した結果、取引者や需要者間で広く知られるに至った引用商標と同一の「NEXT」の語がめいりょうに含まれている。

そうすると、本件商標をその商品及び役務について使用する場合には、これに接する需要者や取引者は、その構成中、「NEXT」の語に着目して、周知著名になっている申立人の引用商標を連想、想起し、その指定商品・指定役務があたかも申立人やそのグループ会社と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品若しくは役務であると誤認し、申立人らの業務に係る商品及び役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第8号該当性について

甲第4号証には「NEXT社と提携...」との記載があり、また、甲第22号証には「英国のSPA(製造小売業)チェーンであるネクスト」と記載されていることから判断しても、引用商標は、申立人の名称の略称としても使用されていることは明白であり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の名称の略称が「被服」等の取引者、需要者の間において周知著名となっていたことは上述のとおりである。

さらに、商標法第4条第1項第8号の趣旨が人格権の保護を目的とすることであることをかんがみれば、「著名な略称」であるか否かの判断につき、申立人らの「被服」等の取引者、需要者を基準として判断することは妥当である。

したがって、本件商標は、他人である申立人及びその関連会社であるネクストグループの名称の著名な略称である「NEXT」を含んでおり、また、申立人らの承諾も得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(4)むすび

以上述べたように、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人の提出に係る証拠によれば、同人は、英国において衣料品等を製造販売するチェーン店を営む事業者であり(甲2)、我が国においては、ゼビオ株式会社と提携して被服等を販売するほか、インターネット等においても販売しているものであり(甲4〜甲13)、これらによれば、申立人の業務に係る商品「被服」等について引用商標が使用されていることをうかがい知ることができる。

しかし、かかる証拠は、ゼビオ株式会社のホームページやショップリスト、申立人が我が国に向けたインターネット販売に関するウェブサイト、カタログ、チラシ等であるが、該ウェブサイトの閲覧者数、カタログ等の配布部数や配布地域が明らかではなく、また、我が国における商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用商標の周知著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていないものであるから、かかる証拠のみによっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品「被服」を表示するものとして我が国における需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。

また、「NEXT」の語は、「次の、今度の」等の意味を表す英語として広く一般に認識、理解されている成語であって、ことさら申立人による創造標章とはいえないものであるから、その独創性は極めて低いというべきである。

そうとすれば、「A NEXT Group Company」の欧文字からなる本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第8号該当性について

申立人の提出に係る証拠によれば、ゼビオ株式会社のウェブサイトに、「イギリス最大の製造小売業ブランドであるNEXT社」(甲4)、雑誌「ファッション販売」に、「英国のSPA(製造小売業)チェーンであるネクスト」(甲22)等のように申立人の名称の略称として「NEXT」又は「ネクスト」の各文字が使用されていることが認められるとしても、かかるウェブサイト(甲4)の閲覧者数は明らかでなく、雑誌の記事もわずか1件にすぎないものであるから、これらの証拠をもって、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の名称の略称である「NEXT」又は「ネクスト」は、同人の業務に係る商品「被服」の分野はもとより我が国の世間一般においても著名なものと認めることができない。

そうすると、本件商標は、その構成中に「NEXT」の文字を有しているとしても、他人の著名な略称を含む商標ということができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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