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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900224(T2011−900224/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5399517号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5399517号商標(以下「本件商標」という。)は、「スカイマロン」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年10月29日に登録出願、第30類「栗を加味してなる菓子及びパン」を指定商品として、同23年2月23日に登録査定、同年3月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第2082190号商標(以下「引用商標」という。)は、「スカイ」の片仮名を横書きしてなり、昭和61年7月8日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年9月30日に設定登録され、その後、平成20年7月16日に指定商品を第30類「菓子,パン」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番を含む)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その構成中の「マロン」の文字部分が指定商品の品質を表示するものとして認識されるから、「スカイ」の文字部分より「スカイ」の称呼を生じる。これに対し、引用商標からも「スカイ」の称呼を生じるものであり、両商標は「スカイ」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。

(2)商標法第4条第1項第10号又は同第15号について

申立人は、1973年以来、商品「アイスクリーム類」に「スカイ」の商標を広く使用し、今日に至っており、年間1億円以上を売り上げているため、「スカイ」商標はアイスクリームの好きな需要者の間に広く知られている。本件指定商品のような商品の移り変わりの激しい市場にて、「スカイ」商標が付された商品は多くのファン層に支えられ、40年近くも長い間継続して販売している周知の商品であるから、「スカイ」商標と類似する本件商標が本件指定商品(例えばアイスクリームや氷菓)について使用された場合には、取引者及び需要者は、申立人の業務にかかる商品と出所の混同を生ずるおそれがある。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「スカイマロン」の文字を横書きしてなるところ、これを構成する各文字は同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で表されているものであるから、外観上一体のものとして看取されるばかりでなく、構成文字全体から生ずると認められる「スカイマロン」の称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標を構成する「スカイ」の文字部分と「マロン」の文字部分は、前者が「空」を意味する外来語として、また、後者が「栗」を意味する外来語として、いずれもよく知られ、ありふれた語といえるところから、観念上も「スカイ」と「マロン」との間に軽重の差は見いだせない。そうすると、「マロン」の語が「栗」の意味をもって、指定商品の品質を表す場合があるとしても、かかる構成よりなる本件商標にあっては、その構成中の「スカイ」の文字部分と「マロン」の文字部分とに分離して、「スカイ」の文字部分のみを抽出して観察すべきではない。その他、本件商標を一体のものとして観察することが取引上不自然であるといった格別の事情は見いだせない。

そうであるならば、本件商標は、構成全体をもって、一体不可分の特定の意味を有しない造語を表したと認識されるとみるべきであるから、その構成文字に相応して、「スカイマロン」の一連の称呼のみを生ずるものである。

他方、引用商標は、「スカイ」の文字よりなるものであるから、「スカイ」の称呼を生じ、「空」の観念を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観上相紛れるおそれがない程度に相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「スカイマロン」であるのに対し、引用商標の称呼は、「スカイ」であるから、これらは、その構成音数が明らかに相違し、十分に聴別し得るものである。

また、観念においては、本件商標からは、特に観念が生じないから、両商標は比較すべきところがない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

ア 使用商標の周知・著名性

申立人提出の甲各号証によれば、申立人は、引用商標と同一あるいは欧文字で表した商標(以下「使用商標」という。)を付した商品「アイスクリーム」を1973年の発売以来、現在まで継続して販売していることが認められる(甲第11号証)。

しかしながら、申立人提出に係るパンフレットは、1973年、1982年及び1989年に作成されたもので、その作成から20年以上が経過しているものであり、また、ブログ等の記載によれば、当該アイスクリームは売られている店が少なく、申立人のネットショップでは「なつかしグリコ ・・・スカイセット」のように「なつかしい商品」と説明して販売されており、そして、申立人のホームページ上の商品紹介に当該商品は掲載されていない。さらに、申立人は、「年間1億円以上を売り上げている」と述べているが、その裏付けとなる証拠等の提出はない。

以上によれば、使用商標が付された申立人商品(アイスクリーム)は、1973年に発売され、今現在も売られていることは確認できるものの、本件商標の出願時及び査定時における販売量、広告宣伝等の状況は明らかではない。

したがって、申立人提出に係る証拠のみによっては、使用商標が、本願商標の登録出願時及び査定時において、我が国における需要者の間に広く認識され、周知、著名性を獲得するに至っていたと認めることはできない。

イ 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

前記アのとおり、使用商標は、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標ではなく、また、本件商標と使用商標とは、上記(1)と同様の理由により、何ら相紛れるところのない非類似の商標であると認められる。

また、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれはない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものとはいえない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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