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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30560号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2585896号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第11類「電子計算機、電子式データ処理装置、画像電送装置、放送用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年7月11日登録出願、平成5年10月29日設定登録、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『電子管、半導体素子、電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)、電気通信機械器具』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次の通り述べ、証拠方法として甲第1ないし第3号証を提出している。

(1)本件商標は、その指定商品中「電子管、半導体素子、電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)、電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)被請求人は答弁書において、本件商標を「電気通信機械器具」に継続して3年以上日本国内で使用する旨主張する。これに対し、請求人は以下のとおり弁駁する。

まず、被請求人が提出した乙第1ないし第11号証において、本件商標が表わされている証拠は、乙第7号証カタログの最初の頁と最終頁の2ケ所と乙第8号証カタログの最初の頁の1ケ所と乙第9号証カタログの最初の頁の1ケ所の計4ケ所のみである。被請求人の提出したカタログ中、被請求人の製品自体には本件商標は一切用いられていないことが示されている。したがって、乙第1ないし第6号証において、被請求人の製品の販売等を示したところで何ら本件商標の使用を証明するものではない。

次に、本件商標と認められる商標が表わされている乙第7号証は、本件商標の審査段階において平成2(’90年)年9月10日提出の物件提出書(甲第1号証)に添付されたカタログと酷似している(甲第2号証)。平成2年提出のカタログには「総合カタログ’90−’91」と記載されているにもかかわらず、乙第7号証にはその「’90−’91」がない点が相違するのみである。また、乙第7号証の表紙のテレビのオンスクリーンには「07−18−89」の表示が見受けられる。これは、89年7月18日を示すものと考えられる。

また、乙第8号証についても、一切、カタログが頒布された事実を示す証拠がない。しかも、同号証は、本件商標の審査段階において平成2年9月10日の物件提出書に添付して提出されたカタログと同一である(甲第3号証)。

従って、乙第7号証、乙第8号証は過去3年以上前に作成されたものであると推測される。

乙第9号証は、前記したとおり、本件商標が1ケ所使用されているが、国内で頒布された事実及び頒布の時期が全く不明である。

乙第1号証及び乙第6号証は、被請求人の製品に本件商標が付されてなく、被請求人の製品が輸出されたことを示すものと考えられるが、「輸出」は、商標法第2条第3項の「使用」に該当する行為ではなく、本件商標の使用には当たらない。

乙第2号証は、見積書だけである。被請求人の製品に本件商標が使用されていない上に、製品を見積もっただけでは商標の使用に当たらないし、見積書自体にも一切本件商標は付されていない。

商標法は特許法と異なり、「譲渡の申出」は使用の一態様ではない。

乙第3ないし第5号証については、被請求人の製品に本件商標が使用されていなければ、仮に被請求人の製品が販売されたとしても、本件商標の使用には当たらない。

また、乙第3号証(1)、乙第4号証(2)及び乙第5号証(2)の売上伝票においても一切本件商標は付されていない。

また、売上伝票の金額(乙第3号証(1))と振り込み金額(同号証(2))、注文書の金額(乙第4号証(1)、乙第5号証(1))と振り込み金額(乙第4号証(2)、乙第5号証(2))が一致せず、被請求人の製品が販売された事実すら立証されていない。

さらに、乙第3号証(2)の通帳の名義人も不明であり、取引額もあまりに少額であり法人である被請求人の通帳であるかどうか疑わしい。

乙第10号証は購入仕様書である。本使用書には一切本件商標が使用されていない。

また、製品にも本件商標は一切付されていない。

さらに、購入仕様書は、商品の譲渡等を証明するものではなく、法上の「使用」に該当しない。

乙第11号証については、業務委託契約書には双方の押印がないので真正な契約書であるか否か疑わしい。

したがって、乙第1ないし第11号証は、法第2条第3項の商標の使用を証明する証拠とはならない。

以上のとおり、被請求人は本件商標を電気通信機械器具について、継続して3年以上日本国内において使用するものではない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第11号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)本件商標の構成、指定商品、登録年月日については請求人の主張の通りであるが、本件商標の不使用については争う。

(2)本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、その請求に係る指定商品である電気通信機械器具について、本件商標権移転登録申請前の権利者である株式会社アイデン及び本件商標権の譲受人である株式会社アイデンビデオトロニクスにより使用されている。

(3)乙第1号証(1)〜(7)は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTOR(電話線経由で送られる映像の安定化装置)の注文書(1997年2月4日付け)、貨物発送案内、インボイス(1997年2月14日付け)、船積み業者(株式会社日新)請求書、輸出許可通知書、航空送り状である。

乙第2号証は、被請求人の商品カメラコントロ−ラ−IEC−04等の見積書(1998年6月4日付け)である。

乙第3号証(1)〜(2)は、被請求人の商品ド−ムカメラ(EX400シリ−ズ)などの売り上げ伝票(1998年7月10日付け)及び銀行残高表である。

乙第4号証(1)〜(2)は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORの注文書(平成10年9月11日付け)及び売り上げ伝票である。

乙第5号証(1)〜(2)は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORの注文書(1998年9月11日付け)及び売り上げ伝票(1998年9月16日付け)である。

乙第6号証(1)〜(5)は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORの注文書(1999年3月16日付け)、インボイス(1999年3月26日付け)、輸出許可通知書、航空送り状、船積み業者(株式会社日新)請求書である。

乙第7号証は、被請求人の商品CCTVシステムの総合カタログである。

乙第8号証は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORのカタログ(日本語)である。

乙第9号証は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORのカタログ(英語)である。

乙第10号証は、被請求人の商品VT−7TIME BASE CORRECTORの仕様書(ファクシミリ日付:1998年7月23日)である。

乙第11号証は、株式会社アイデンと株式会社アイデンビデオトロニクスとの間で締結された業務委託契約書である。

(4) 以上の証拠から、被請求人が本件審判請求の登録前3年以内にその請求に係る指定商品のうち電気通信機械器具である映像周波機械器具(ビデオカメラ)およびその付属品について本件商標を使用していた事実は明らかである。

なお、上記乙第1ないし第10号証の一部において、株式会社アイデンビデオトロニクス(又はI.DEN VIDEOTRONICS INC.)の名称が表示されているが、これは、乙第11号証に示すように、両社間の業務委託契約によって、株式会社アイデンが生産した商品の販売に株式会社アイデンビデオトロニクスが携わっているためであり、株式会社アイデンが業として指定商品を生産し、登録商標に係る標章を該商品又は取引書類に付して使用していたことに変わりはない。

また、乙第7ないし第9号証には日付がないが、乙第1ないし第6号証の取引書類に付されている日付から乙第7ないし第9号証の各カタログは本件審判請求の登録前3年以内に発行・頒布されたことは明らかである。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙各号証を徴するに、乙第2ないし第5号証は、いずれも被請求人又は前商標権者である株式会社アイデンに係る取引書類であって、本件審判の請求の登録前3年以内に発行されたものと認められるところ、該書類には、「EX−435/6 ドームカメラ」、「EMC−400 ドームカラー」、「IVM−15Q 4分割白黒モニター」、「IEC−04 コントロ−ラ−」、「EC−6 カメラケーブル 300m」、「IVT−7 デジタルタイムベースコレクタ」等が記載されており、乙第7ないし第10号証は、商品カタログ又は商品仕様書と認められるところ、これらのカタログには、表紙左上に本件商標と社会通念上同一と認められる標章が付されると共に内部には、ドーム型CCDカメラ、IVT−7デジタルタイムベースコレクタ等が掲載され、これら商品の記号と上記取引書類に記載された記号が一致していることが認められる。そして、乙第11号証によれば、被請求人と前商標権者である株式会社アイデンとは、業務委託契約を締結していることが認められる。

以上を総合勘案すると、被請求人及び前商標権者である株式会社アイデンは、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を、取消請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具」中の「映像周波機械器具」の範疇に属するものと認められる「ビデオカメラ及びその付属品」について使用しているものといえる。

請求人は、乙第7ないし第9号証の商品カタログの表紙の左上に掲示されている本件商標と同一の文字構成よりなる標章は、本件商標の使用ではない旨主張しているが、商品カタログの表紙に掲示されている標章は、取引上、該商品カタログに掲載されている全商品の出所表示であって統一的な商標(ハウスマーク)とみられるものであり、該標章を商品カタログに付すことは、商品カタログに掲載されている全商品に対する本件商標の使用に当たるといえるものである。

また、請求人は、乙第7号証及び乙第8号証は、甲第2号証と酷似又は同一であるため、該商品カタログは本件審判請求の登録前3年以上前に作成されたものである旨主張しているが、これらの商品カタログには明確な発行年月日は記載されていないところ、一つの商品カタログを何年にも亘って使用する例はよくあることであり、かつ、上記商品カタログにはこれを明らかに偽造したとされる証左も認められないものであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

さらに、請求人は、乙第2ないし第5号証の取引書類には本件商標の掲示がない旨主張しているが、上記取引書類に掲載されている商品番号と乙第7ないし第9号証の商品カタログに掲載されている商品番号とが一致する(例えば、乙第2号証及び乙第3号証の(1)に掲載されている「EX−435/6 ドームカメラ」、「IEC−04 コントロ−ラ−」、乙第4号証の(1)、(2)及び乙第5号証の(1)、(2)に掲載されている「IVT−7」等)ものであり、かつ、上記取引書類の発行年月日は本件審判請求の登録前3年以内のものであるから、上記取引書類と商品カタログとを併せて本件商標の使用と認め得るものである。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

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