Trademark Appeal Case
「くん」の識別力と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900257(T2011−900257/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5407014号商標(以下「本件商標」という。)は、「コスモくん」の文字を標準文字で表してなり、平成22年10月12日に登録出願、同23年3月11日に登録査定され、第16類「紙類,文房具類,印刷物」並びに第9類、第14類、第18類、第28類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同年4月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その指定商品中、第16類に属するすべての指定商品についての登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(1)申立人の引用する商標
申立人が引用する商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも有効に存続しているものである。
ア 第1440708号商標(以下「引用商標1」という。)は、「COSMO」の欧文字と「コスモ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、昭和48年11月21日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同55年10月31日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成14年3月6日に指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
イ 第2721984号商標(以下「引用商標2」という。)は、「COSMO」の欧文字を横書きしてなり、平成元年10月19日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月6日に設定登録され、その後、同18年12月26日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同19年8月29日に指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
ウ 第4184665号商標(以下「引用商標3」という。)は、「COSMO」の欧文字と「コスモ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成7年12月14日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年9月4日に設定登録され、その後、同20年9月16日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
エ 第4761244号商標(以下「引用商標4」という。)は、「コスモ」の片仮名と「COSMO」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成15年9月5日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年4月2日に設定登録されたものである。
オ 第5259254号商標(以下「引用商標5」という。)は、「COSMO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年1月31日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年8月21日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
(2)具体的理由
本件商標は、「コスモくん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「コスモ」の文字は、「都会的センス、世界、宇宙、宇宙空間」等の意味を有する英語「cosmo」の表音として知られるものであり、同じく、「くん」の文字は、同輩や同輩以下の人の氏名の下に添える語であって、主に男性に用いる敬称である「君」を平仮名で表記したものと理解されるものである。
また、両文字は、文字の種類が異なることからすれば、本件商標は、上記「コスモ」と「くん」の2語を組み合わせて構成されているものと容易に認識し得るものである。
そして、「くん」の文字は、広く一般的に使用されている敬称の一つであり、また、他の語に付加されて初めて意味のわかる語であるから、該文字自体は自他商品の識別標識として、需要者に対して格別の印象を与えるものではない。
そうとすれば、本件商標における自他商品の識別標識としての機能は、「コスモ」の文字部分にあるから、該文字に相応して、「コスモ」の称呼と「都会的センス、世界、宇宙、宇宙空間」等の観念を生ずるものである。
一方、引用商標1、3及び4は「COSMO」の欧文字と「コスモ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、引用商標2及び5は「COSMO」の欧文字を横書きしてなるところ、本件商標における「コスモ」の文字と同様に、いずれもその構成文字に相応して、「コスモ」の称呼と「都会的センス、世界、宇宙、宇宙空間」等の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標1、3及び4とは、「コスモ」の称呼と「都会的センス、世界、宇宙、宇宙空間」等の観念を共通とすることに加えて、両者は、共にその構成中に「コスモ」の文字を有することから、外観上も近似する類似の商標であり、また、本件商標と引用商標2及び5とは、「コスモ」の称呼と「都会的センス、世界、宇宙、宇宙空間」等の観念を共通にする類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同ー又は類似するものである。
以上によれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「コスモくん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔に外観上まとまりよく一体に表されていて、しかも、その構成文字全体から生ずる「コスモクン」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そして、人名以外の語に、同輩及び同輩以下の人の氏名に添えて呼びかけとして用いられる「くん」、「君」等の語を結合して擬人化する用法があり、このような場合、両語を分離すべき特別の事情がないときは、全体として擬人化されたものを表した造語を形成したものと理解・把握されるとみるのが相当であるところ、上記構成からなる本件商標について、その構成中の「コスモ」の文字部分のみを分離抽出し検討しなければならない特段の事情は見いだせない。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって擬人化されたものを表した造語からなるものと理解し、把握されるとみるのが相当であるから、その構成全体に相応する「コスモクン」の一連の称呼のみを生ずるものである。
他方、引用商標1ないし5は、各々、前記2(1)のとおりの構成からなるものであるから、いずれもその構成文字に相応する「コスモ」の称呼及び「宇宙」等の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討すると、本件商標が「コスモくん」の文字からなるのに対し、引用商標1、3及び4は「コスモ」及び「COSMO」の各文字を二段に組み合わせてなるものであるから、両者は、その文字の構成及び態様において、視覚上容易に区別し得るものである。また、本件商標と「COSMO」の文字からなる引用商標2及び5とは、その構成文字を異にするものであるから、両者を見誤るおそれはない。
次に、本件商標から生ずる「コスモクン」の称呼と引用商標から生ずる「コスモ」の称呼とを比較すると、両称呼は、後半部における「クン」の音の有無という明らかな差異を有するから、それぞれ一連に称呼しても、互いに紛れるおそれはない。
また、上記のとおり、本件商標が「コスモくん」という擬人化されたものを表した造語であるのに対し、引用商標からは「宇宙」等の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念上も紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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