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Trademark Appeal Case

商標の一体性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900262(T2011−900262/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5406487号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5406487号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年3月18日に登録出願、第36類「土地・建物の売買の代理又は媒介,土地・建物の貸借の代理又は媒介,土地・建物の売買,コンドミニアム・アパートメント及びその他の土地・建物の所有権又は持分の管理及び売買の代理又は媒介,不動産投資信託の引受け及び管理,土地・建物の管理,コンドミニアム・アパートメント及びその他の土地・建物を期間使用できる権利の売買,土地・建物の貸与,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同23年3月29日に登録査定、同年4月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)「LOFT(LoFt)」又は「ロフト」の著名性について

「LOFT(LoFt)」又は「ロフト」の文字は、申立人である「株式会社ロフト」が採用する英語名称「THE LOFT CO.,LTD」の略称であって、かつ、「LOFT(LoFt)」の文字は、申立人の経営する我が国最大の雑貨専門店の店舗名称の略称でもあり、その店舗群は、店舗のある地名に「ロフト」の文字を結合してなり、一般には「ロフト」と略称され、「LoFt」と表記されている。かかる英名(の略称)又は店舗名称の略称は、申立人によって会社名称等の略称として(申立人の営業に係る専門店小売の目印として)永年にわたって使用されてきた結果、周知・著名となっている。その事実は、甲各号証等からすれば明らかである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、その構成中に申立人の英名の著名な略称と認められる「LOFT」の文字又は申立人の経営する雑貨専門店の店舗名称の著名な名称「LoFt」の文字を含んでいるといえる。しかも、本件商標の出願書類等には申立人の承諾書は提出されていない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

本件商標の構成中の「loFt」の部分は、申立人の業務(いわゆる小売り)に係る商標として広く一般に知られている。しかも、本件商標は、「loFt」の部分のみを単独で認識できる態様で出願し、登録されている。

したがって、本件商標がその指定役務に使用された場合、申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかのように、役務の提供主体について混同を生じるおそれがあるといわざるをえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同項第15号にそれぞれ該当するから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第8号該当性について

本件商標は、別掲のとおり、「aloft」の欧文字を図案化してなるところ、その構成は、2字目「l」の上端を頂点に、冒頭の「a」の文字が上辺を左下がりとする黒色四角形内に抜くように描かれ、また、「oft」の文字部分は各文字の横棒(「o」の文字については上側のもののみ)が右下がりの直線様に揃えて描かれており、その全体構成があたかも「l」を角に、その左右が壁を構成するかのように印象される遠近感のある態様からなるものであって、かつ、該「a」の文字が黒色四角形内に抜くように描かれているとしても、本件商標を構成する各文字は同一の書体をもって、同一の大きさ及び間隔で視覚上まとまりよく一体的に表現されているものである。

そして、本件商標から生ずると認められる「アロフト」の称呼も、語呂良く一気に称呼し得るものであり、さらに、「aloft」の文字は、「高い所に[へ]、上方へ、空中に、空高く、地上高く」などの意味を有する英単語である。

そうすると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、その構成文字全体をもって一体不可分の商標を表したものとして認識されるとみるのが相当であるから、その構成中の「loft」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではない。

してみれば、本件商標の構成文字から「loft」の文字部分のみが殊更に分離、抽出され、申立人の英名「THE LOFT CO.,LTD」の略称を表すものとして認識されるとはいい難く、また、申立人に係る雑貨専門店の店舗名称を含むものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標は、上記(1)のとおり、図案化された「aloft」の構成文字全体をもって一体不可分の商標を表したものとして認識されるものである。

また、たとえ「LOFT(LoFt)」又は「ロフト」が申立人の営業に係る雑貨専門店の店舗名称ないしその専門店小売の役務を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができるとしても、本来、「loft」及び「ロフト」の文字は、「屋根裏部屋」などの意味を有する建物の構造に係る英語ないし外来語として一般に馴染みのある語(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」、「コンサイスカタカナ語辞典第4版」及び「新明解国語事典第六版」、株式会社三省堂発行)であり、独創性のある造語といえるものではない。

そうとすると、本件商標の構成中の「loft」の文字部分は、それのみが独立した標識部分として認識されることはないというべきものである。

してみれば、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者が申立人に係る雑貨専門店の店舗名称ないしその専門店小売の役務を表示する商標を連想、想起するようなことはなく、該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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