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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35440号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3223128号商標(以下、「本件商標」という)は、「でか よごれま栓」の文字を横書きしてなり(「でか」の文字と「よごれま栓」の間には約1文字分程度の間隔がある。)、第11類「暖冷房装置,火鉢類」を指定商品として、平成5年12月9日登録出願、同8年11月29日に登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は以下の7件である。

(1)登録第3043381号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「デカ」の片仮名文字を上段に、「DECA」の欧文字を下段に横書きしてなり、第11類「ボイラー,ガス湯沸かし器,冷凍機械器具,乾燥装置,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,浴槽類,汚水浄化槽,家庭用汚水浄化槽」を指定商品として平成4年5月29日登録出願、同7年5月31日に登録されたものである。

(2)登録第3076172号商標(以下、「引用B商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第6類、「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製の可搬式家庭用温室,金庫」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

(3)登録第3076173号商標(以下、「引用C商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第6類、「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製の可搬式家庭用温室,金庫」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

(4)登録第3076174号商標(以下、「引用D商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第19類、「合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),木材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。)」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

(5)登録第3076175号商標(以下、「引用E商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第19類、「合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),木材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。)」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

(6)登録第3076176号商標(以下、「引用F商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第20類、「家具,カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。)」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

(7)登録第3076177号商標(以下、「引用G商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、第20類、「家具,カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。)」を指定商品として平成4年4月14日登録出願、同7年9月29に登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、「商標登録第3223128号の登録は、これを無効とする。」との審決を求め、その理由を概要以下のように述べるとともに、証拠方法として甲第1号証および同第7号証(枝番を含む)を提出した。

(1)請求人は、商願平7−131360号を出願したところ、本件商標が引用された拒絶理由通知を受けており、請求人は、本件審判請求について利害関係を有する。

(2)本件商標と引用A商標との比較

本件商標は、「でか」と「よごれま栓」とが間隔をあけて表示されており、その前段のひらがな部分「でか」によって、「デカ」なる称呼を生じるものである。これに対して引用A商標は、「デカ」と「DECA」を上下2段書きにしたものであるから、「デカ」なる称呼を生じる。

したがって、本件商標と引用A商標は類似する。ちなみに、前述した請求人の出願に係わる商願平7−131360号の商標は、引用A商標と商標の表示が実質的に等しいものであるが、拒絶理由通知において本件商標と類似であるとの認定を受けているものである。かつ、本件商標の指定商品「暖冷房装置」は、引用A商標の指定商品「暖冷房装置」と同一であり、本件商標の指定商品「ガス湯沸し器」は、引用A商標の指定商品「火鉢類」と類似する。

(3)本件商標と引用B商標〜引用G商標との比較

引用B商標〜引用G商標は、カタカナ文字「デカ」または英文字「DECA」を上段に大きく表示したので、「デカ」なる称呼を生じることは明らかである。したがって、これら引用商標は本件商標と称呼上類似するものである。また、各引用商標の指定商品中には本件商標の指定商品「火鉢類」と類似する商品が含まれている。

(4)弁駁

(ア)引用A商標と本件商標との比較

被請求人は、本件商標が「デカヨゴレマセン」と一連に発音するのが自然であり、「デカ」と「ヨゴレマセン」を切り離して発音する必然性はなく、本件商標と引用A商標とは非類似であると主張している。

しかしながら、本件商標では、前部「でか」と後部「よごれま栓」との間に1文宇分の間隔があいており、前部「でか」が後部「よごれま栓」から切り離されて「デカ」なる称呼を生じると考えるのが自然である。

「デカ」は、非常に強いアクセントをもって発音されるのに対して、「ヨゴレマセン」は、弱い発音となり、この点からも、本件商標は「デカ」なる称呼を生ずる。

上記間隔を無視して「デカヨゴレマセン」と一連に発音するためには、前部「でか」と後部「よごれま栓」が非常に強力なつながりを有していなければならない。後部の「よごれま栓」は、「汚れません」を連想させるかも知れないが、前部の「でか」には、明瞭な観念はない。仮に請求人が主張するように「でか」が「でかい」を連想させるとしても、「でかく汚れません」は、日本語として通用せず、そのような観念は生じない。したがって、上記間隔を無視して一連に発音させるほど前部「でか」と後部「よごれま栓」はつながりの深いものではない。

8音からなる「デカヨゴレマセン」は、一連に発音するには長過ぎるものである。

(イ)引用B,D,F商標と本件商標との比較

被請求人は、引用B,D,F商標では、上段の大きなカタカナ文字「デカ」と、下段の小さな「ゴン」とで、「デカゴン」と発音するのが自然であると主張してしいる。しかし、上下2段に分かれた「デカ」と「ゴン」を一連に発音するのが自然なのか理由を記述していない。「デカ」は、上段に「ゴン」の約4倍の大きさをもって表されており、「デカ」を際立たせた構成となっています。したがって、「デカ」なる称呼が生じると考えるのが自然である。

(ウ)引用C,E,G商標と本件商標との比較

被請求人は、引用C,E,G商標でも、「デカゴン」と発音するのが自然であると主張している。しかし、英大文字で大きな面積を占める上段の「DECA」と、英小文字で小さな面積を占める「gon」とを一連に称呼するのが自然だとは到底考えられない。

(4)結論

上述したように、本件商標は、各引用商標と称呼上類似関係にあり、全ての指定商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、無効となるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概要以下のように述べた。

(1)引用A商標と本件商標との違いについて

引用A商標は、カタカナ文字の「デカ」と英文字の「DECA」を上下二列に横書きした形態で、称呼も「デカ」と発音するものであり、観念は定かでないものの、「大きい・でかい」をイメージされる。

これに対し、本件商標はひらがな文字の「でか」とひらがな文字と漢字の「よごれま栓」とを間隔をあげて一列の横書きにした形態で、称呼も「デカヨゴレマセン」であり、観念は「大きく、又はでかくよごれません」を有するものである。

両者を比較すると、引用A商標は「デカ」の2文字と「DECA」の4文字の上下二列であるのに対し、本件商標は「でかよごれま栓」の7文字の−列であり、明らかに形態が相違する。

次に、引用A商標の称呼は「デカ」と2音を発音するのに対し、本件商標の称呼は「デカヨゴレマセン」と8音であり、しかもこの8音のうち「デカ」のみが共通するものの、「デカ」と「ヨゴレマセン」を切り離して称呼する必然性はなく、「デカヨゴレマセン」と一連に称呼するのが自然であって、称呼上明らかに相違する。

次に、引用A商標は「大きい・でかい」をイメージされるものの、その観念は定かでないのに対し、本件商標は「大きくよごれません」又は「でかくよごれません」との観念を有するものであり、明らかに観念も相違するものである。

従って、引用A商標と本件商標は類似しない。

(2)引用B〜G商標と本件商標との違いについて

これら各引用商標は上段に大きな「デカ」あるいは「DECA」の文字を、下段右側にこれより小さい「ゴン」あるいは「gon」を、さらにこれらの左側に、「BIG」「FOOT」「DOME」「HOUSE」を記した形態であり、称呼も「デカゴン」であり、観念も定かではなく、形態も相違する。

したがって、引用B〜G商標と本件商標とは形態及び称呼及び観念のすべてが相違し、類似しない。

5 当審の判断

本件商標の構成は前記したとおり、「でか」の文字と「よごれま栓」の間には約1文字分程度の間隔があるものの、横書きで一連に同書体をもって軽重の差なく表されており、「でか」の文字も「よごれま栓」の文字も指定商品の品質等を表示したものとはいえず、両文字間に約1文字分程度の間隔があるとしても、これを「でか」と「よごれま栓」とに分離して把握しなければならない特別な理由があるということはできないとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標からは、一連の「デカヨゴレマセン」の称呼のみが生ずるというべきであり、これは、各引用商標から生ずる、「デカ」あるいは「デカゴン」の称呼と互いに類似するとはいい得ないものである。

また、本件商標と各引用商標は、その構成文字を著しく異にするものであるから、外観において明らかに区別し得るものである。

さらに、本件商標と各引用商標とが観念において共通するともいえないものである。

したがって、本件商標と各引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても類似する商標とはいえないものである。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号の規定によりその登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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