Trademark Appeal Case
商標の周知性認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900346(T2011−900346/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5420916号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成23年1月13日に登録出願、第30類「茶,茶飲料,コーヒー及びココア,調味料,コーヒー豆,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」を指定商品として、同年5月16日に登録査定され、同年6月24日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 商標法第4条第1項第10号該当性
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に関わる商品「ミネラル麦茶」(以下「使用商品」という。)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている、別掲(2)に示す構成からなる商標(以下「使用商標」という。)に類似するものであって、「茶,茶飲料」等(第30類)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 商標法第4条第1項第19号該当性
申立人は、使用商標を使用商品の包装容器に付して使用している(甲3)。
一方、本件商標の商標権者は、自らのウェブサイトで本件商標をミネラル麦茶の包装容器に付して使用している(甲7)。
両者の包装容器は、包装全体の色彩、「Qball」及び「ミネラル麦茶」の文字列の付された位置と大きさ、「エリナ特選」の位置と大きさが全く同一である。
加えて、「Qball」の「Q」の右側に表示されている擬人化された動物のマークの大きさ及び色彩も同一である。
そうとすれば、本件商標は、申立人の使用商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている使用商標に類似するものであって、不正の目的をもって、「茶,茶飲料」等(第30類)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 むすび
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「茶,茶飲料」について、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 使用商標の周知性について
(1)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、1970年(昭和45年)にエリナ有限会社を設立し、1994年に株式会社エリナに社名を変更している。
そして、1975年から麦茶の販売を開始したこと、1999年(平成11年)3月9日時点において使用商品の包装(箱)に本件商標を付して使用していたことが認められる(甲1、甲3及び甲4)。
しかし、申立人は、上記の1975年から販売している麦茶が、使用商品であって、これに使用商標を使用していることは証明していない。
(2)石垣食品株式会社は、平成21年2月ころには「エリナ特選Qballミネラル麦茶キャンペーン」と称して使用商品を販売していたことが認められる(甲4の1枚目)。
また、申立人が石垣食品株式会社に製造を委託し、販売した使用商品の販売実績は、平成15年(2003年)から平成21年(2009)年までの7年間で、年間約31,000個ないし42,000個であることが推認される(甲4の2枚目)。
しかし、使用商品の販売実績は、平成15年から平成21年までの過去7年間のものであり、長年にわたるものでなく、販売個数、販売額も多いものとはいい難いものである。また、申立人は、当該実績表の平成15年から平成21年までの販売期間中に、使用商品の包装容器(箱)(甲3)を使用していたことについては何ら証明していない。
そのほか、使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる証拠は見いだせない。
してみると、甲第1号証ないし甲第5号証をもってしては、使用商標が申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、別掲(1)のとおり、その上部に図案化され大きく表された「Q」と思しき文字と「ball」の文字を横書きし、その下部に「キューボール」の片仮名を横書きに配した構成よりなり、構成上分離して看取されるから、上部に表された「Qball」の部分が独立して自他商品の識別標識として認識されるということができる。
他方、使用商標は、別掲(2)に示すとおり、図案化された大きく表された「Q」と思しき文字と「ball」の文字とを横書きした構成からなるものである。
してみれば、本件商標と使用商標とは、図案化された「Q」と思しき文字と「ball」の文字の部分を共通にする外観上相紛れるおそれのある類似の商標とみるのが自然である。
しかしながら、前記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標とは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。
3 商標法第4条第1項第19号該当性について
前記1のとおり、使用商標は、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたものとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第19号の要件を満たすものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しないものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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