Trademark Appeal Case
効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900011(T2011−900011/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5364817号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年10月16日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、平成22年10月6日に登録査定され、同月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
本件商標は、その指定商品との関係から「24時間(1日)効果が持続する化粧品」に使用するときは、単に商品の効能、品質等を直感させる標章にすぎないものであり、該商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 本件商標の取消理由
商標権者に対して、平成23年9月15日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。
(1)本件商標は、上段に「24h」、下段に「Cosme」と書してなるところ、上段の「24h」は、「時間(hour)」を「h」と略して表示することが普通に行われていることから、24時間を意味するものであり、下段の「Cosme」は、「コスメ:コスメチックの略。化粧品全般を指す。(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)」の意味を有するものである。
そして、本件商標は、構成全体として、文字の大きさの異同が有り、ややデザインされた書体ではあるが、文字をデザインして表すことが一般に行われていることからして、本件商標は、普通に用いられる方法で表示するものと認められる。
(2)ところで、化粧品を取り扱う業界においては、化粧品の効果の持続性を商品の特徴とする商品があり、その特徴について、例えば、「長時間(効果が)持続」や「○○時間△△(△△には「しっとり」などの効果を表示する文字)」などのように広告・宣伝することが行われており、効果が24時間持続することについても以下のように、広告、宣伝が行われている。
ア 楽天市場の「COSMEDNFAL」のウェブサイトに「マックスファクター イリューム 24時間肌しっとりセット」の商品広告がある(甲3)。
イ ジュジュ化粧品株式会社の「ジュジュ アクアモイスト」の広告に「素肌にうるおい。24時間。」の記載がある(甲4)。
ウ NIVEAスキンミルクのしっとりタイプの商品に「一日続く しっとり肌」のシールが貼られ、正面に「24h」及び「しっとりした肌に」の記載があり、さっぱりタイプの商品に「一日続く、うるおい肌」のシールが貼られ、正面に「24h」及び「うるおった肌に」の記載がある(甲5)。 エ 「クオレ WEB SHOP」のウェブサイトに、K−パレットの「リアルラスティング・アイライナー24h」の商品広告があり、「24時間眼力キープ」「耐水性高分子ポリマーの優れた密着効果で、付けたままの仕上がりを一日中キープ。」の記載がある(http://50900.jp/shop/shopping/kp_5.html)。
オ 「LOREAL PARIS」のウェブサイトに、「スーパーライナー 24H ジェルアイライナー」の商品広告があり、「汗・涙・水に強いウォータープルーフで、仕上がり24時間持続。」の記載がある(http://www.lorealparisjapan.jp/make_up/eye/super_liner_24h/)。
カ 「【楽天市場】コスメランド」のウェブサイトに、ロクシタンの「ロクシタン シアリッチフェイスクリーム 24H」の商品説明に「24時間しっとり感をキープしながら、乾燥に立ち向かう“うるおい力”をつけていきます。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/cosmeland/236419/)。
キ 「Rakuten GLOBAL MARKET」のウェブサイトに、「コレス ワイルドローズ 24h モイスチャライジングクリーム」の商品広告があり、「24時間 保湿くすみがちな肌の乾燥を防ぎます」「24時間保湿モイスチャライザー」の記載がある(http://global.rakuten.com/ja/store/aimere/item/f0070004/)。
ク 「@COSME」のウェブサイトに、「ロレアル パリ イドラ 24H アイ」の商品広告があり、「生き生きとした輝きがよみがえり、24時間しっとりとした状態を守ります。」の記載がある(http://www.cosme.net/product/product_id/311040/top)。
(3)以上のとおり、「24h」の文字自体は「24時間」という時間を意味するにすぎないものであること、そして、「Cosme」は、「化粧品」の意味合いを表すものであって、化粧品を取り扱う業界において、効果の持続性を商品の特徴とし、24時間効果が持続することを宣伝広告している商品が多くあることからすると、「24h」と「Cosme」の文字を結合してなる本件商標に接する取引者、需要者は、「24時間効果が持続する化粧品」であることを理解するにすぎず、単に商品の品質、効能を表示したものと理解するにとどまるものであって、自他商品の識別標識として認識し得ないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨次のように意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第47号証を提出した。
(1)「24hCosme」が商品の品質を具体的に表示する者として使用されている事実はない。
(2)もしそのような事実があるとしても、本件商標は「特殊文字」で、表されたものであって、「普通に用いられる方法」には該当しない。
(3)本件商標は、その登録査定時までにおいても多数の商品に独占的に使用され、雑誌でも頻繁に紹介されていたものであり、識別力を獲得していた。
よって、本件商標の登録は維持されなければならない。
5 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、上段に「24h」、下段に「Cosme」のやや図案化した文字を書してなるところ、近時、商標や広告等において、看者の注意を惹くための視覚的効果として、文字をデザイン化して表すことが一般的に行われていることからすれば、本件商標の構成は、全体として格別特殊な態様とはいえず、普通に用いられる方法の範囲で表してなるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標についてした取消理由の通知(上記3)は妥当なものである。
しかしながら、申立人に係る主張及び証拠によれば、商標権者及び商標権者の関係会社であり、販売会社である株式会社ナチュラルピュリファイ(以下両者をあわせて「商標権者等」という。)は、2008年に本件商標を採用、その後ファンデーション、口紅、下地等の化粧品に本件商標と同一視できる「24h/Cosme」の文字を表示し、また、遅くとも本件商標の登録査定日である平成22年10月6日以前である平成22年1月から雑誌(乙9ないし乙35)等において「24h/Cosme」の名称で「化粧品」の広告並びに紹介をしており、その後も継続して雑誌(乙36ないし乙42)等において広告及び紹介が行われていることが認められる。
さらに、本件商標を付したファンデーション等の化粧品は、「メイクを24h落とさなくても肌に負担をかけにくい」、「ファンデしながらスキンケア」等のコンセプトにより注目を集め、前記のとおり雑誌にも多数取り上げられているものであることからすれば、本件商標は、指定商品「化粧品」に継続して使用された結果、遅くとも登録査定時においては、取引者、需要者が商標権者等の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認め得るところである。
そうとすれば、本件商標は、これを本件異議申立てに係る指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、その指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。