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Trademark Appeal Case

コスメトロジーの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900357(T2010−900357/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5343529号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5343529号商標(以下「本件商標」という。)は、「コスメトロジー」及び「COSMETOLOGY」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成22年1月26日に登録出願、同年7月2日に登録査定され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年8月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。

本件商標は、「化粧品,せっけん類」との関係において、「(最新の)化粧(品)学に基づいて製造されたもの」又は「美容用のもの」であることを表したものとして認識されるにすぎないから、これをその指定商品中、上記商品に使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「化粧品,せっけん類」については、商標法第3条第1項第3号、同第6号に違反してされたものであり、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものであって、同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成23年9月20日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 本件商標を構成する「COSMETOLOGY」の文字は、「美容術(業)、化粧品学」を意味する英語であり(甲第2号証)、「英和化粧品用語集第2版」(平成17年9月22日、フレグランスジャーナル社発行)には「美容学、化粧学」、「化粧品事典」(平成15年12月15日、丸善株式会社発行)には「美容」の意味をそれぞれ有する語として記載されている(甲第3号証及び甲第4号証)。

イ インターネットのウェブサイトにおいては、「COSMETOLOGY」の表音と認められる「コスメトロジー」の文字が、「cosmetology」の文字と共に又は単独で掲載され、例えば、以下のように説明されている(甲第5号証及び甲第6号証)。

なお、甲第5号証及び甲第6号証として提出されたウェブサイトの写しは、各ページの右下隅に記載された数字によれば、本件商標の登録査定後である2010年11月9日から同月26日までの間にプリントアウトされたものと認められるが、それぞれの掲載内容に照らし、登録査定前の事実を示すといえるものが多く含まれている。

(ア)「コスメトロジー【cosmetology】美容術。化粧品学。」

(イ)「『コスメトロジー(Cosmetology)』とは、アメリカでのヘアー・メイク・ネイル・エステなどの美容に関する全ての資格です。このコスメトロジーライセンス取得者のことを『コスメトロジスト(Cosmetologist)』といいます。」

(ウ)「コスメトロジーとは美容に関するエキスパートの意味がありエステティシャンのボディ・フェイシャルマッサージ、美容師のメイク、ネイルケアにいたるまでの技術が必要でコスメトロジーの有資格者は『コストメトロジスト』と呼ばれます。」

(エ)「『コスメトロジー(Cosmetology)』とは、アメリカでのヘアー、メイク、ネイル、エステなどの美容に関する全ての資格をいいます。アメリカでは、これら美容行為を行う仕事に就く場合は、必ずライセンスが必要になります。」

ウ さらに、化粧品を取り扱う業者のウェブサイトにおいては、化粧品に関連して、例えば、以下のように記述されているほか、2008年7月13日に東京新宿において、「化粧品作りから学ぶコスメトロジー」と題するセミナーが開催される旨が告示されている(甲第10号証)。

なお、甲第10号証として提出されたウェブサイトの写しは、各ページの右下隅に記載された数字によれば、本件商標の登録査定後である2010年11月10日から同月22日までの間にプリントアウトされたものと認められるが、それぞれの掲載内容に照らし、登録査定前の事実を示すといえるものが多く含まれている。

(ア)「・・・開発されたエイジングケア化粧品です。最先端のコスメトロジーで開発された話題の成分を高濃度で配合し、・・・」

(イ)「・・・エコロジカルでオーガニックなコスメトロジーに基づいた最高の天然原料を厳選し、有機農業によって作られた植物の自然な生命力を損なわない抽出方法による成分を、最大限に活かして作られています。」

(ウ)「・・・コスメトロジーの専門家が研究して生み出した化粧品をハンド・フットにも使用しています。」

(エ)「・・・常に最新のコスメトロジー(化粧学)に挑戦し続けるディオールスキンケア。」

(オ)「スイスのコスメトロジー(化粧品学)はクオリティー、真摯、厳格と世界中に知られていますが、もちろんアリズの商品もこのスイススピリッツを引き継いでいます。」

(カ)「世界中からの美のレシピを集め、最先端のコスメトロジーを駆使して開発された、高品質、伝統的、儀式的なトリートメントとなっています。」

(キ)「科学的な知識と先端のコスメトロジーに基づく独自のスキンケア、エステティシャンの卓抜したハンドマッサージなど、・・・」

(ク)「最先端コスメトロジーに基づく、しわ、たるみ、くすみの集中改善。」

(ケ)「スキンケアの視点から髪と地肌を心地よくケアする、ヘアスキンコスメトロジーのケアアイテム。」

エ 1990年7月には、コスメトロジー(化粧品学)に関する調査研究、助成等を行うことを目的とする「財団法人コスメトロジー研究振興財団」が設立され、その設立等について各種新聞に報道された。そして同財団では、その助成実績、研究報告等をウェブサイトにおいて公表している(甲第7号証及び甲第11号証)。

オ 2006年5月30日には、エステティックに関する実践的な技術と正しい知識の普及を図るため、人材育成、情報提供、資格認定等を行うことを目的とする「特定非営利活動法人日本コスメトロジー協会」が法人認証を受けた(甲第8号証)。また、エステティック、メイクアップ、化粧品学などに関する知識と技術、器具、用材などの各国間の格差をなくし、国際的なレベルアップをはかり、さらに世界的なエステティックの普及と促進を目的として、1946年に「エステティックおよびコスメトロジー国際委員会(CIDESCO)」が設立されており、我が国は1970年に加盟し、支部(CIDESCO−NIPPON)として許可された。上記国際委員会(CIDESCO)の加盟国は現在31ヶ国となっているほか、その活動状況等が新聞報道されている(甲第9号証及び甲第11号証)。

カ 2000年3月23日付けの「産経新聞」及び「化学工業日報」において、フランスの化粧品科学専門誌「コスメトロジー」が主催する、世界の化粧品研究に与えられる権威ある賞「コスメトロジー大賞」が資生堂の皮膚科学研究に対して贈られた旨、報道された(甲第11号証)。

キ 1994年には、書籍「コスメトロジー入門−化粧品の基礎知識」及び「コスメトロジーの実践−皮膚と化粧品の品質」が発行された(甲第12号証)。

(2)上記(1)の認定事実によれば、「COSMETLOGY」及び「コスメトロジー」の文字は、本件商標の登録査定時には既に、「化粧品学、化粧学、美容術」を意味する語として、この種業界において広く認識され、普通に使用されていたものというべきである。そして、本件商標の指定商品は、いずれも化粧及び美容と密接に関連する商品といえるものである。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、該商品が化粧(品)学、美容術に準拠したものである程の意味合いが理解されるに止まり、自他商品の識別標識としては認識され得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

前記3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断

本件商標についてした前記3の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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