sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼・観念の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−685010(T2011−685010/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1040471号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1040471号商標(以下「本件商標」という。)は,「COOLA」の欧文字を書してなり,2010年(平成22年)5月20日に国際商標登録出願,第3類「Cosmetics,makeup,skin moisturizers,lip balm,face and body lotions,and preparation for sunblock,sunscreen and sun tanning.」を指定商品として,平成22年10月5日に登録査定,同23年1月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。

(1)登録3252403号商標(以下「引用商標1」という。)は,「COOLER」の欧文字と,「KAMINOMOTO」の欧文字とを上下二段に書してなり,平成6年8月15日に登録出願,第3類「せっけん類,薫料,化粧品,歯磨き」を指定商品として,平成9年1月31日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録4973257号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりからなり,平成17年12月6日に登録出願,第3類「化粧品」を指定商品として,平成18年7月28日に設定登録されたものである。

以下,上記登録商標をまとめていうときは,「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番を含む)を提出した。

(1)本件商標

本件商標は,欧文字「COOLA」からなり,該文字は,造語であり特定の観念は生じないものの,「COOL」+「A」の文字より「涼しい」ないしは「冷却するもの,冷房装置等」を暗示することになるので,そのような印象を受ける。そして,「クーラ」の称呼を生ずる。

(2)引用商標1

引用商標1は,欧文字「COOLER」と半角欧文字「KAMINOMOTO」との二段併記からなり,「COOLER」から「冷却するもの,冷房装置等」の観念が生じ,また,下段の「KAMINOMOTO」は申立人のハウスマークとして著名であるので,上下それぞれ分離独立した観念が生じる。そして,「COOLER」の文字部分から,「クーラー」の称呼を生ずる。

(3)引用商標2

引用商標2は,縦長四角形黒地背景の中に草花の図形と,白抜きで上下二段に記された欧文字「Cura」と片仮名「クーラ」の構成からなり,図形中の上段の文字「Cura」は造語であり,下段の「クーラ」は上段の欧文字の読みを特定するもので,共に特定の観念は生じない。そして,「クーラ」の称呼を生ずる。

(4)本件商標と引用商標の類否

ア 外観

引用商標1の下段の欧文字は,申立人の著名なハウスマークであり,化粧品における商標使用の実情を考慮すると,上下の文字は外観上も分離して観察すべきであり,本件商標の「COOLA」と引用商標1の「COOLER」の外観を比較した場合,「COOL」の4文字が共通であり,末尾にある「A」と「ER」は外観上微差にすぎないものであるから,両商標は,外観上近似した印象を有する。

本件商標と引用商標2とは,商標全体の外観を異にし,また,本件商標と引用商標2の「Cura」とを比較した場合でも,その構成文字及び字体が異なるので外観においては非類似である。

イ 観念

本件商標は,「COOL」の語の末尾に「A」の文字を付加したもので,看者は「COOL」の文学部分から容易に「涼しい」の意味合いを直観し,また,全体として「クーラ」の発音から「冷却するもの,冷房装置等」といった印象を受けることになる。

他方,引用商標1の上段の欧文字「COOLER」は「冷却するもの,冷房装置等」の意味合いをもつ英語であるから,取引者及び需要者の感覚からすれば両商標は互いに近い観念を有する商標といえる。

引用商標2の構成中の「Cura」は造語であり,本件商標と観念の比較はできない。

ウ 称呼

本件商標と引用商標1は,語頭の「クー」の部分を共通にし,それに続く「ラ」が長音を含むか否かの差異があるだけであり,しかも,「ラ」と「ラー」はかれこれ聴別し難い音であることに加えて,語頭に「クー」の長音があることによって,「ラ」及び「ラー」の音はさらに聴別し難い。したがって,本件商標と引用商標1の称呼は極めて聴別し難く類似する。

本件商標から生じる称呼「クーラ」と引用商標2から生じる称呼「クーラ」は,長音を含む3音からなり,完全に一致する。

エ 全体観察

本件商標と引用商標1とは,称呼において極めて類似する。また,「COOLA」と「COOLER」の外観も近いものである。観念においても取引者,需要者の印象からすれば近いといえる。よって両商標は類似する商標である。

本件商標と引用商標2とは,称呼において完全に一致する。両商標の外観が異なり,また観念は比較できないものの,指定商品である「化粧品」の取引分野において称呼による取引は極めて重要な要素であるので,両商標は類似する商標である。

オ 商品の同一性

本件商標は,引用商標に含まれる指定商品「化粧品」を指定商品とするものであるから,商品「化粧品」において同一である。

(5)まとめ

以上のとおり,本件商標と引用商標とは類似する商標であり,かつ,同一の商品「化粧品」を指定商品とするものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

したがって,本件商標は,同法第43条の2第1号によりその登録は取消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は,「COOLA」の文字からなり,その構成文字に相応して,「クーラ」の称呼を生じ,特定の語義を有しない造語といえることから,観念は,生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1は,「COOLER」と「KAMINOMOTO」の欧文字を上下二段に書してなるところ,構成文字全体に相応し,「クーラーカミノモト」の称呼を生ずるものであり,また,その構成中,「COOLER」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから,該文字部分から,「クーラー」の称呼をも生ずるものと認められる。

そして,「COOLER」の文字部分は,「冷やすもの,冷却器」(ジーニアス英和辞典 大修館書店)等の意味を有する英語であることから,「冷やすもの,冷却器」等の観念を生ずるものである。

イ 引用商標2は,別掲のとおり,図形と,「Cura」の欧文字と,「クーラ」の片仮名との組合せからなるところ,図形部分と文字部分とは,視覚的に分離して看取されるものであり,また,その他これらが常に一体不可分のものとして把握されるとすべき特段の事情はない。

そうとすれば,引用商標2は,その構成中,「Cura」又は「クーラ」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

また,該「クーラ」の片仮名は,上段の「Cura」の文字部分の読みを特定したものと無理なく理解させるものであるから,引用商標2は,「クーラ」の称呼を生ずるものである。

そして,「cura」の文字(語)は,イタリア語で「世話,心遣い,治療」(伊和中辞典<第2版> 株式会社小学館)等の意味を有するものであるが,我が国において一般に広く知られているとはいえないことから,特定の観念は生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

ア 本件商標と引用商標1とを比較するに,本件商標から生ずる「クーラ」の称呼と,引用商標1の「COOLER」の文字部分から生ずる「クーラー」の称呼とは,語尾における「ラ」の音の長音の有無のみの差異であることから,称呼において類似するものである。

しかしながら,両商標は,外観においては,それぞれの構成全体から明確に区別し得るものであり,また,本件商標が造語であって,特定の観念が生じないことはもとより,何らかの意味合いをもって把握されることもないのに対し,引用商標1からは,「冷やすもの,冷却器」等の明確な観念を生ずるものであるから,両者は観念においても明りょうに相違するものと認められる。

そうとすれば,両商標は,たとえ称呼において類似するとしても,外観上及び観念上の違いにより,明確に区別できるものである。

したがって,本件商標と引用商標1とは,非類似の商標である。

イ 次に,本件商標と引用商標2とを比較するに,本件商標と引用商標2の各文字部分からは,それぞれ「クーラ」の称呼を生ずるものであるから,称呼において同一のものと認められる。

また,本件商標及び引用商標2は,それぞれ,特定の観念を有しないものであるから,観念については,比較することができない。

そして,本件商標は,「COOLA」の欧文字を普通に用いられる方法で表示してなるのに対し,引用商標2は,黒塗り四角形のなかに,植物を描いたと思しき図形及びデザイン化して表された「Cura」の欧文字とその下に「クーラ」の片仮名とを,いずれも中抜きにして全体としてまとまりよく表した構成からなるものであるから,その外観構成において大きく異なるものであり,さらに,称呼の生ずる欧文字においてもその綴りを異にするものであるから,両者は,外観上,十分に区別できるものである。

そうとすれば,たとえ本件商標及び引用商標2の文字部分から同一の称呼を生ずるとしても,両商標は,共に特定の観念を有しないものであるから,観念上,互いを連想,想起させることはなく,かつ,前記のとおり,外観上において明らかな差異を有するものであるから,両商標の指定商品の取引の場において,これらに接する需要者の通常の注意力をもってすれば,本件商標と引用商標2が同一又は類似の商品に使用されたとしても,商品の出所につき誤認混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって,本件商標と引用商標2とは,非類似の商標というべきである。

ウ 上記ア及びイのとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。